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この作品ができたわけ

 私がこの作品を書き始めたきっかけというか、理由みたいなものがありましてね。この作品は私にとって初めてのオリジナル長編です。それだけに、書く前にいろいろと考えていたものが爆発したような感じが。その前身についてお話しようかと。


 まずあなたはSSというものを知っていますか?

 ショートショート? スペシャルスキル? などと人によって思い浮かべる元の言葉は違うのでしょうが、ここではそう、某大手掲示板を見る人や二次創作が好きな人が真っ先に反応したであろうあれのことです。

 ショートストーリー、中でもセリフの鉤括弧の前にセリフを言っているキャラの名前がある台本形式の地の文を省略したあれですね。


 いや、別にこの作品の元がこれだったわけではありませんよ。ただ私自身あのタイプの物語をさらっと見たことがありましてね。ああいった作品群の中に「魔王勇者」というジャンルがありまして、そう、かの有名な『ログホライズン』の作者様である橙乃ままれ様の作品の一つ、『「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」』もその分類です。

 そして、これらの作品群の多くは勇者が魔王を倒すまでの話か、勇者が魔王にであってからの話が多いわけですよ。

 私としては、勇者が強い理由や勇者が魔王に出会って考えを変えるに至るまでの説得力ある経緯が欲しかったのですよ。逆に魔王を倒せばハイ終わり、となるのもなんだかなーと。それこそ勇者魔王で勇者が魔王を倒さない理由なんですけどね。魔王はただの魔族の王である。ならば倒すことは単なる暗殺でしかなく、それが意味するのは他種族との戦争でしかないということ。そんなリアリズムの追求ですね。


 知略に優れた勇者と、信頼できる仲間たちでパーティーを組ませて冒険の末に魔王と相対させたい、相対したその後まで書きたい。そんな風に思ったのですね。





 次にこのサイトでの異世界転生作品。

 いや、もちろん好きなんですよ。主人公が幼少期から現代知識と、記憶があるつまり大人びているというメリットを活かして努力を重ねて周りに一目置かれて……とそういう物語はね。貴族か村人に生まれて、学園なんかに入ったりして……そんな感じでどっぷり濃密に描かれる主人公が重要人物として高く評価されるそんな作品も好きなんですよ?


 ですが、本当の意味でそこのあたりを突き詰めている作品ってあまりなかったり……ではなかった、こういった作品でどの作品にもとある部分が来ると少し苦手なシーンがあったりします。

 それは、主人公が努力以外で手に入れた強さが都合良く解釈されて、その世界で強いとされる人物たち相手に無双することでしょうか。

 そのあたりはエッセイでも書いているのですが、主人公が強いから勝つのならばあまり意味がないのではないか?と思ってしまう時があるのですよ。

 そりゃあ、足が速いならかけっこで勝つよね、みたいに。

 じゃなくって、足が速い人に足が遅い人がいろんな手段を講じたり状況がうまくあてはまったり、これまでの要素が絡み合って逆転するそんな瞬間が好きなんですよ。物語としては。あれですね、大富豪で最初にワザと負けて大貧民から革命起こして勝ちたくなるような心情でしょうか。よくやります。


 ついでに言うと、異世界転生という感情移入を主軸とした設定により主人公から個性をそぎ落としたような作品にはしたくないというところですかね。

 厄介ごとには関わりたくないなどといいながらも力を中途半端にしか隠さない「やれやれ系」や得た力と自分に自信がある、「俺様系」や目の前の人を救うのに理由なんているかよ!という「熱血系」、したいことをするし、そのために他のことなど気にしていないという「熱中系」、可愛い女の子のためにという「軽い変態、または調子者」まあそのあたりの差はあれど、特定の場面で似たような反応を返す主人公なら別にそいつじゃなくてもいいんじゃないかな?と。


 好きな場面を残したままに、苦手な部分をそぎ落として、伏線はって世界観作って、合理的かつ斬新な判断をくだす主人公の、そんな物語が読みたいなどと思ったわけですよ。

 そして転生物語は面白いものでもエタったりするのがもったいない、とにかく完結させてくれよとも思ったのもあります。


 そして物語で主人公が没個性だとか、ご都合主義だとか、エタらせるな、などと文句を言った場合に特定の場所だと決まって出てくる反論が。


「お前が書いてみろよ」


 いや、この反論そのものは的外れなのかもしれません。だって、作者に対する要求とそれを実現させる能力があるかは別物ですからね。

 ただ思ったわけですよ。


「そうだ、自分が書けばいいじゃないか」


 そう、本気を出せば書けるはずだと。


 主人公が勝つだけじゃない。ご都合主義を減らした、または伏線として使った物語を。そして王道?を突き詰めた、頭脳戦と心理戦がメインの、伝えたい主題まで孕んだ、エタることのないファンタジーを書けばいいじゃないか!と。叩かれる要素をそぎ落として、それでいて奇を衒いすぎないように。

 その辺りはエッセイにも書いてはいるのですけどね。なんというか、全てのオリジナル作品もまた、何かの二次創作であるみたいな感じですかね。

 そしていつの間にか頭の中でドラ○エ風味の魔王勇者物語と異世界転生ファンタジーが融合しており、つらつらと設定やだいたいのストーリーを書き連ねていくうちにこの物語の骨組みは出来上がりました。

(当初はここまで主人公の性格が悪くなるとか思ってなかったとか言えない……自分が感情移入した結果とか言えない……!)

 そのように書けているのかは甚だ不安ですが、だいたいそんな感じです。

次回は魔法、術式、そしてその上にある力について語ろうかと思います。



とりあえず気になったことや疑問があればお気軽にどうぞ!

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