ローランとの結婚式に向けて
ナーシサス家に第二王子が婿入りしたことで、ナーシサス公爵家になりました。
そして、現在ナーシサス領は結婚式ラッシュ。
領内の各貴族家はさっさと結婚式を挙げてマルグリット様が生むであろうお子と同年代の子供をつくろうと躍起なわけです。
この流れは当然王太子殿下結婚の時にもあり、私より上の世代は頑張った人たちが多かったようです。
「というわけでローランと正式に結婚せねばならないわけですよ」
ノンノ家に帰ってきたその足で私とローランは母の執務室へお邪魔している。
これでも貴族であるので、この辺りの動きに逆らうのは得策ではないことぐらいわかっている。
「男爵家の結婚だから、それほど気張る必要もないわ。どこも忙しいだろうから身内で行ってしまうの手よ」
「神父はノンノ教会に頼めばいいですよね」
「それでいいでしょう。サクッと結婚しちゃいなさいあなたたち」
母に言われて私とローランは苦笑する。
この世界において書類さえ整えれば結婚となるかと言われるとそういうわけではない。
一応教会の許しを得てという流れがある。
冠婚葬祭を取り仕切るのが教会だからだ。
「その日に言って話をすればすぐに執り行ってくれるでしょうけど、さすがに一月後にしましょう、お母さま」
「そうね、ドレスぐらい仕立てなさいな。ローランは騎士服で挑むのよね?」
「はい、そうなると思います」
私とローランの関係は特に問題がない状態だ。
ローラン自身もポールさんの下について引継ぎつつともに仕事をしており、領地を守るというとても分かりやすい仕事をすることになるので、ノンノ家の顔として頑張ってもらいたい。
私は裏方で書類仕事をしつつ、なんとか魔道具量産事業を軌道に乗せたいところだが、現状は材料問題で停止中。
操業できないなら技術力を向上させるべく、この後雇っている女性たちの多能工化を進めようと思っている。
私が居なくても工場が回るようにしておきたいというのが今の考えだ。
「アデルともう結婚することになるのか」
「何か不安がある?」
「特にないな、ノンノ領に骨を埋める覚悟はできているし、アデルに対しての不安はないよ」
「それはよかったわ。私結構さばさばしているから男性には好かれないと思っていたの」
「それこそ人によるだろう」
「それもそうね。私も過干渉じゃないローランを好ましく思っているわ」
短い期間ではあるが、ローランとの相性は悪くないと思っている。
何かあればちゃんと会話もするし、生活において隠し事はしない。
前世の知識についてはさすがに隠すけれど、ほかは良好の名関係を結べている。
さて、さっさと結婚してしまいましょう。




