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アデル・ノンノの魔道具量産計画  作者: シャチ


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量産を妨げるもの

 ナーシサス家の結婚式へ向かわなければいけないが、ここにきてノンノ魔道工房は操業停止の危機に瀕していた。

 

「材料の納入ができない?」

「はい、ノンノ様。ごひいきいただいていてうれしい限りなんですが、もう黄銅の在庫がないんでございます。さらには生産地からの次の素材納入は半年後だといわれてとりまして……」


 私の前に座るのは街道沿いに店を構えハンターギルド御用達でもある鍛冶屋の主人だ。

 今はノンノ家に各種金属素材を納入してもらっている工房であり、この主人も当初はうれしい悲鳴を上げていたのだが、ここにきて素材がないと来たのだ。


「なにか鉱山で事故でもあったのですか?」

「いえ、そういう話は聞いていません。どうも黄銅の製造そのものが少なかったようで、最初は向こうも在庫がバンバン売れると嬉しい悲鳴だったのですが……」

「つまり、銅もカラミン鉱も鉱山から算出はされるけれど、それを用いて黄銅の生産ができていないと?」

「はい、そう聞いております。もともとの需要に対してノンノ様からの特需にたいして手が回らなくなったようです。それにノンノ様がご所望される黄銅は一定の品質を言われておりますでしょう?」

「カラミン鉱の産地が変わったとか?」

「はい、それにどうやらノンノ様のお求めの黄銅を作るためのカラミン鉱の生産量はもともと少なかったようでございまして……」

「……はぁ、わかりました。情報をありがとう」

「いえ、納品が滞り申し訳ございません」


 残っている在庫の材料を考えても、あと数個の給湯器を作ると製造できるものがなくなってしまう。

 工場の労働者は増えていないが、働いてくれている女の子達は小遣いが手に入りありがたがってくれているのに工場を一度停止しないといけないという状況にある。


「こればっかりは私一人ではどうにもできないわね」


 現在、黄銅は銅とカラミン鉱という亜鉛を含んだ鉱物を混ぜる形で作られている。

 そのため、適正な比率で銅と亜鉛の合金ができるかはカラミン鉱の品質によるところが大きく、私が欲する硬度と切削性を持つ黄銅を生産するには、このカラミン鉱の産地を制限しないといけなかったようだ。

 量産をするというのに素材の購入しか考えていなかった私が悪いのだけれど、サプライチェーン全体で物事を考えないとどうにもならないことが分かる。


「まずはモレスモ商会へ連絡ね。ちょうど領都へいくのだし、ベルナールにでも相談しましょう……材料がないと作りようがないのだから」


 前世でもサプライチェーンマネジメントなんて言う単語を聞いた記憶があったが、この世界でもそれは考えなくてはならない重要課題だったわけだ。

 原材料の調達から販売先までの一連の流れの構築、冷蔵庫の量産より先に、こちらに手を付けないといけないわね……

 

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