秘密兵器による配管作成
配管、今回ナーシサス侯爵家に設置する給湯器におけるボイラーを作成するうえで、何としても工数低減したいのは配管の作成だ。
我が家の給湯器は銅板をハンマーでたたいて叩いて管状にして、センターをロウ付けしたもので、心材の木の棒に銅板を巻き付けるようにして制作した。
だが今回は違う。
二つのローラーが上下に設置し、その間を欲しい長さに切断した銅板を通すことで丸めていくのだ。
ローラーは大きいローラーと小さいほしい径の1センチメルテの棒状になっている。
「じゃあハサミで銅板を切っちゃいましょう」
メジャーで必要なサイズを測り設計図の一番最初の配管用の板材を切り出す。
そして、ローラーに挟んで、手で回しながら銅板を丸めていくと、徐々に板がカールしてくるので、先っぽが片側にくっついたところでローラーを外して取り外せば丸まった銅板が管のようになっていた。
「うまくいったわ!」
「銅管というのはそうやって作るのですね」
「本当はもっと効率の良い方法があるんだけれど、今の技術じゃ作れそうにないわ。そこにある旋盤をよりバージョンアップして、フライス加工とかギア加工ももっと簡単にできるようにしたいのよね」
「簡単にできないと量産はできないってことか」
「そういうこと。目指すのは何個でも同じものを作れることよ。それが真の量産。
この国には残念ながら量産品ってないのよね」
「農機具とかはどうだろうか?」
「似たような形はしているけれど職人によって違いがあるでしょう? 私が目指すところはだれが作っても同じものが出来上がることよ。まだまだ道は遠いわね」
ローランと話しながら作業を進める。
彼はお願いした2個の棒材を切り出してくれたようだ。
「アデル、これでいいだろうか?」
「みせてくれる……問題ないわね。じゃあ私はこっちの作業をしてしまうわ」
「私はその間どうすればいい?」
「そうね……試しにこのロール作業をしてもらおうかしら。一度やり方を見せるわね」
材料を切るだけならのこぎりで黄銅棒を切断するだけでよかったが、銅板については簡単にいかない。
試しにやりながら作業の説明をする。
「こうしてセットして、この横のレバーを回すの。銅板が丸まってきて完全に筒になったらこのロックを外して引き抜くと、管状になるでしょ?」
「すごいな、こんな方法で管ができるのか……」
「ちょっとコツがあるんだけれど、とりあえずやってみて。材料には余分もあるから失敗しても大丈夫。本当はこれだってコツ勘に頼らないで作れるようになりたいの」
「誰でも作れるってのはそういうことか。わかったちょっとやってみよう」
「よろしくね」
ローランに管づくりを任せて、私は旋盤に黄銅材をセットする。
やるのは旋盤を活用したギアの作成。
最終的にはやすりで細かな形状の調整は必要だけれど、チップをちまちま当てることで徐々に削れていきギアの形になる。
根気のいる作業だが、旋盤があれば歯の位置ずれなく作製ができる。
さぁどんどん部品を作っていこう。




