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アデル・ノンノの魔道具量産計画  作者: シャチ


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夜会というなのお見合い

 一泊した翌日、この日の夜に夜会が開かれる。

 私と同様に侯爵家に宿泊する方もいれば、領都に屋敷を持っている貴族は夜になると馬車で乗り付ける。

 そして私は侯爵家のメイドたちに洗われ、揉みしだかれ、化粧をされ、持ってきたドレスを着つけてもらっている。

 

 時間はまだ昼、夜会開始までずいぶんあるのにもうドレスの着付けをされている。


「はい!息を吐いてください!!もっと!!」

「ぐぅっ」


 メイド二人が仮でコルセットを締め上げられている私。

 もともと細いのでそんなに締め上げなくてもよいというのに、侯爵が設定したお見合いのせいでかなり気合を入れて絞られている。

 確かに線が細すぎてあまり凹凸がないのは認めるが、これ以上は内臓が出る。


「こんなもんですかね。では気つけていきますね」

「せめて一段緩めて気絶しそう。頭がくらくらする」


 私の素直な意見にコルセットを締め上げていたメイド二人は顔を見合わせたあとしょうがないという表情で少しコルセットを緩めてくれた。

 たぶん私の顔は真っ青だったのだろう。

 普段工場で作業するときは乗馬服のようなものを着ているのもありラフな格好をしているから、こうして正装をするのはきつい。

 それにそんなに締め上げなくても私のくびれは十分細いのだから大丈夫、それに映えるドレスも用意しているのだから。


******


 夜会は侯爵家の大広間で行われる。

 こうした夜会のほかに戦の際は兵士たちの宿舎としてもつかわれることもあり、かなり広いホールだ。

 今は夜会用にきれいなじゅうたんが敷かれ、色とりどりの食べ物が並ぶ長テーブルには鮮やかなテーブルクロスがかけられている。

 この夜会は単なる飲み食いの会ではない。

 ナーシサス侯爵派閥の結束を高めるための政治パーティー的なものだ。

 若い世代からすれば結婚相手を見つけたりといったこともあるにはあるが、メインは各貴族の近況報告と新たな商談の機会である。

 私も、ノンノ家としてドゥアイ子爵に木材輸入の礼をしたり、他にも鉱物を輸入している男爵家や子爵家にご挨拶をした。


「残るは私のお見合いか」


 ある程度あいさつを終え、アルコール度数の低い果実酒をもらいのどを潤す。

 侯爵が私を呼んでくれると聞いているので、それまでは待機だ。


「ノンノ嬢、たのしんでいるかな?」

「はい、楽しんでおります」


 ゆっくりと男性三人を引き連れた侯爵がこちらに来てくださったのでカーテシーで返す。


「紹介しよう、伯爵令息のジョルジュ・ナースカフェ、子爵令息のアントニー・ドーム、騎士のローラン・ビーコンだ」

「ご紹介に預かりましたノンノ嬢」

「よろしくお願いいたします」

「お会いできて光栄です」


 ジョルジュは金髪碧眼でナーシサス家の色をしていすらっと背が高い。マルグリット様もこの色だし血の近さを感じるわね。

 アントニーは茶色で灰色の瞳が印象的だ。中肉中背といった感じで特にイケメンだとかそういうことは無い。

 ローランは焦げ茶の髪に深緑の瞳、背は一番高くガタイもいい。

 私も背が高いほうなので、アントニーだと目線が完全に合ってしまうが、他の二人は少し見上げる感じになるわね。


「積もる話もあるだろう、あっちで歓談するといい」


 グレゴリー侯爵が指さすところにはローテーブルとソファーが4脚おいてあった。

 一人ずつじゃなくて、まとめてお見合いしろというのね。

 なにかしら前世でいう婚活パーティーというやつだろうか?

 まぁともかく3人の人柄を確認しましょう。

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