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プロローグ
俺がこんなふうに文章を書くことを選んだのは、小説家を目指して勉強中だから。という積極的な理由ではなく、かといって年々上がりつつある夏の気温に頭をやられたからというどうしようもない理由でもなく、諸般の事情があって仕方なくという極めて後ろ向きな理由からなのだが、正直に言えばこれが人の目に触れてほしくないという気持ちのほうが強い、というのはこの冒頭部分で明確にしておきたい。
なぜならこれは俺の実体験であり、体験だけをひたすら書き綴るのならまだしも、ある程度は自分自身の心境を吐露しなければならないのは実に気恥ずかしいことだと思うからだ。
とはいえこの責任から逃げ出すことは大変心苦しいことであり、決して逃れえぬことでもあるから、書き進めたいと思う。
さてどこから書くべきか、と思ったがやはり物事は始まりから書くべきだろう。
こんな面倒を抱え込むことになろうとは、これっぽっちも思っちゃいなかった、あれは今年度の始まり、四月の二日まで遡る。
そう、あれは――――




