私の寝言は今、撮影中
「うっ、うー。もう全然無理。紐がいっぱい纏わりついてて。た、す、、けて」
「澪、澪。起きなさい。朝だよ」
私は誰かに体を強く揺さぶられ目を覚ました。
目を開けると同時に入ってくる光、私の目には深刻そうな顔をしたお母さんが映っていた。
「おはよう、お母さん。なんでそんな顔をしているの」
寝ぼけているのか、私は躊躇なく質問した。
「あなた、最近寝言が酷いから。それに、、、、やっぱいいわ。早くリビングに降りてきなさい。高校に遅れるわよ」
お母さんはそう言い私の部屋から出て行った。
私が寝言を言っている。そんなことでお母さんはあんな顔をするのだろうか。
いや、違う。
寝言を言っているのは事実で寝言の内容がお母さんをあんな顔にさせているんだ。
私の中でそんな一つの仮説が立った。
「やっほー。澪」
「おはよう、さおりちゃん。そういえば、寝言って何で言うのかな」
私は小さい頃から仲良しな友達に問いかけてみた。
「何よ急に、まあ寝言ってストレスが原因らしいけどね」
私はさおりちゃんの言葉に驚いてしまった。
正直私自身、ストレスを全然感じていない方だと思い込んでいるが、やっぱり気づかないものなんだろうか。
「澪、どうしたの?大丈夫」
「全然大丈夫だよ」
「そう。でも寝言って面白いよね。私、寝言を言っている人を撮影している動画結構好きなんだよね」
「へーそうなんだ。撮影している動画、、、ね。」
「ただいまー」
私は家に帰るとすぐにあるものを探し始めた。
「澪。何をしているの?」
「あっ、お母さん、ビデオカメラってこの家にないの?」
「そうねー。お父さんの部屋にはあるかしら。何に使うのそんなもの?」
「別に、気にしないで」
私はお父さんの部屋から無事にビデオカメラを見つけ出した。
これで私の寝言を撮影して、何を言っているのか分かれば寝言が治るはず。
私は防犯カメラを付けるようにカメラを設置し、次の日の朝を迎えた。
私はお母さんが来る前に何とか起床し、カメラを確認した。
私が眠りに落ちてから早送りで寝言を言っているところを確認しようとするが、なかなか寝言を言っているところを見つけられない。
私は朝のところまで録画を見ていると、私の耳にはガチャっと部屋のドアが開く音が入ってきた。
「えっ。今日はお父さん?ていうかなんで紐なんか持っているの?」