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だれかの箱庭 ~クレオメの夢~  作者: なぁさん
Chapter2_ユメウツツ
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1

サヨナラを

 朝と夜とも解らない場所。

 多分どこかの部屋の中。

 薄暗く空気が重い。

 結構前からそこにいたんだと思う。

 初めからいたわけではない。

 それはわかった。


 『アタシ』は珍しいらしい。

 大人の人が言ってた。

 人と竜との間に生まれた存在は初めて見たとも。

 そして…………覚えていない

 覚えてない

 

 あぁ、そうだ……『何か』を感じたんだ。

 そして『何か』に手を伸ばした。

 そうするべきだと思ったから。


 全てが軽くなった気がした。

 匂いも、空気も、そして私の体も。私の『全て』が。

 目は開けられなかった。

 眩しかったから。

 でもすぐに慣れて、そこは暗いけど嫌じゃない暗さだった。

 多分『私』は安心していた。

 

 人の声が聞こえた。

 怖くはなかった。優しい声だったから。

 声の主の姿はよく見えなかったけど確か———


———思い出した。


 この記憶は『私』の記憶だ。

 古すぎて穴だらけの記憶だ。


 …………いや違う

 『私』ではない……これは『私』の記憶ではない!

 ならこれは誰の記憶?

 …………『アタシ』だ。『私』のものじゃない。

 この記憶も、この体も、『アタシ』の記憶だ。

 なら『私』は?

 『アタシ』じゃない『私』は誰で、———


———『(あなた)』は誰……?

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