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開所

「エクスさん!魔道回転機が完成しました!!」

メッツが報告にきた

「今回のは固定式とのとこでしたので、回転する力を強化しました」

「それと魔力タンクです。小型魔物の魔石を幾つか砕いて入れておけば魔力が貯蓄できます!」

此方はテスタルド

高さ1mの箱に回転する金属、歯車が取り付けられている

魔力タンクは10cm径、25cm長さの円柱である・・・500mlの缶くらいであるな

これをギルド塔に付け、いくつかの歯車を通して水車を回すのであるが


「早速、取り付け・・・と行きたいところなんだが、水車と浄化石の用意がまだできていないんだ」

現在、ガルドたちは内装と建具の取り付けで忙しく動いている

我もトイレセットを焼成しており冷却中である


「試してみてもいいか?」

了承をもらってから魔力をとおす

低い唸りを上げ回転を始める

うむ

良い感じである



「エクス!魔道具が出来たって?早速取り付けるか?」

ガルドが突っ込んできた

「水車が出来てないから付けてもしょうがなかろう?浄化石も来ていないしな」

「む・・・そうか。浄化石は取り寄せ中だから直ぐに来るだろうが・・・・水車か・・・・どんな水車だ?」

我は汲み上げ水車の図面を渡してやる

これに歯車を組み合わせて使うことを説明する


「そういう絡繰りにするのか。よし分かった、すぐに取り掛かる!図面があるんだ。明日には出来るだろうよ」

明日?

速くないか?

ガンツに聞いたら、ドワーフをなめるなと怒られた

職人オタクであるな

拠点の分も一緒につくってもらお





一晩経過してガンツが拠点へやってきた

「エクス!エーックス!!」

「うあ!!何ごとだ!」

「何?なんなの!」

「なんだー!」

ガンツの大声にメッツ、アイネ、テスタルドがテントから飛び出してきた


「叫ばなくとも聞こえるって」

「おお!そこに居ったか!水車が出来たから確認してくれ!」

もう出来たのか・・・・


「わかった。村に置いているのか?」

「流石にデカいからの。ギルド館の近くに置いておるわ!」

村に確認に行くであるか



ギルド横に置いてある部品を見て回る

図面通りの出来で問題はない

内装の床張も終わっている様だったので焼成の終わったトイレセットを付けて回る

ガルドに指示を出しながら魔道具を設置し水車を取り付けてみた


図面通りとはいえ、動くとまた良いものであるな

後は水路の水門を開ければ汲上水車が水を満たしてくれるだろう


『親方―!着きやしたぜー!!』

声がする方を見れば馬車が連なってギルド前に入ってきた

『おう、こっちだ!誰か、エクスを呼んで来い!』

荷物が届いたであるか


「あ、エクスさん!親方がお呼びなんで、一緒に来てもらえないっすか?」

ガンツの所の若い職人がやって来たので馬車の近くまで行く


「おう、エクス!浄化石が届いたぜ。それとスライムだな」

拳ほどの石をこちらに放ってくるので、受取よく見てみると表面に文字?図形?が刻まれている

「これが浄化石か?案外、おおきいな」

「ん?ああ、大きさはバラバラだな。適当な石に魔力で模様を刻むだけだからな」

早速、職人たちに浄化石を所定の場所へ配ってもらう

これで準備は完了であるな


最初なのでギルド屋上の貯水槽、横の貯水池を魔法で満たして置く

入口まで戻ってみると、ほぼ全員が揃っていた

「まったく、あんたらの速さにはあきれるよ。ほれ早速、開所式をしようじゃないか。テミス!」


「皆、待たせた!開拓村最初の建物、ギルド館が完成とのことだ。以降の建物は一軒ずつ我々の手で作っていく必要があるが、二次、三次入植者と力を合わせ盛り上げていこう!」

『『おお!!』』と喚声が上がる


テミスもウディッツもガンツを見る

「うむ。水門開け!」

川に設けていた水門が開かれ、水路に水が流れていく

水の勢いで水車も回り始めたが少し力不足か?


「魔道具を回せ!」

低い唸りが聞こえてくると同時に力強く回る水車

水をドンドン汲み上げていく

その様子を見て拍手が起きた


「仮設の風呂と厨房、井戸は潰しとくぞ」

ウディッツに了承を取っておく

「それと、仮設とはいえ村人の家は出来ているしギルドも出来た。契約は終了で構わんな?」

「ああ、解ってる。完了報告書をもってくるよ」

ウディッツはそう言って、仮設テントへ戻っていった




拠点でも魔道具と水車を設置して住めるようになったので

メッツ、テスタルド、アイネを拠点へ引っ越しさせる

恐縮していたが、すぐに慣れるであろう


水車の開発が終わったら車でも作ってもらうか?

歯車構造と魔道回転機、魔道タンクがあれば出来そうでない?

図面を渡して置いて研究してもらおう


我は久々にケンプファーへ向かう

依頼完了報告書を提出するためである




「よう、エクス。久しぶりだな」

筋骨隆々、禿げ頭の大男が声を掛けてくる

「グランツか、向こうも漸くひと段落ってとこだ。これを頼む」

完了報告書を渡し処理してもらう

この時間、狩人ギルド内に人気はなく静まり返っていた


「おう、ってもう出来上がっちまったのかよ!まだ一月くらいじゃないか?」

「何とかなるもんだな。天神教からは何も言ってきていないか?」

「そうだった、そういう奴だよお前は。天神教な、ちょっと待て」

受付のウィレンスタークに伝言がないか確認している


「あったみたいだぞ。昨日の物だな」

粘土板を渡される

『獣・討伐・下知有・連絡・乞』

これは大司教であるかな


獣?サルトラが討伐されたであるか

キヨネであろうな

「大司教に連絡してみるか・・・・教会へ行ってみるわ」

「大司教なら庁舎で領主様と面談中だぞ?そっちに行った方が良くないか?」

グランツが教えてくれたのだが、なぜ庁舎にいつもいるのであろうか

我は礼を言い、庁舎へ向かおうとしたときギルドの扉が勢いよく開く


自分の身の丈より大きな荷物を背負っている女

むしろ背中の荷物が閊えてドアをくぐれないでいる

「いた!エクス!ご飯欲しい!!コレ、あげる!」

キヨネであった


「久しぶりだねキヨネ。あげるって後ろの荷物かい?」

「そう!サルトラ!獣の使徒!」

この娘はもう少し話が出来たと思ったのだが、随分を片言になっている

人との会話をしていないのであろうか


「やっぱり、キヨネが倒したんだね。確認させてもらっていいか?」

了承を貰ってグランツと二人掛りでギルド内に入れ込む

包んでいる布を剥いだら、顔はサル体は虎で尻尾は蛇のキメラが出てきた

「あー・・・・鵺の特徴と一致するな。キヨネ、他にも居たか?」

「ううん、これだけ。ごはん欲しい」

「ああ、そういえばカレーが出来たんだ。カレーを食べるか?」


「・・・・・・かれー・・・・・」

目が見開かれ、口からとめどなく涎をたらしている

「カレー!ぜったい食べる!豚か!ウシか!鳥も魚も良いな!!カレー!!」

「じゃあ先にサルトラを収納するからな?」

了承をとってから鵺を魔法鞄に入れる


「エクス!カレー!!」

「わかった、厨房を借りれるか聞いてみよう」

我は厨房のパームに声を掛けて了承を貰う

パームの分も作るのが条件だったが、どうせ鍋で大量に作るんだから問題ない


油も用意してあるし肉も未だストックがある

狼肉のカレーでトッピングは猪カツだな

米も炊いて準備良し


我が厨房からでてきたらカウンターに涎をたらしたキヨネとパーム

なぜか座っているグランツにアメリーとウィレンスターク

仕事は良いのか聞くと、今日は全員出払っていて手が空いているので問題ないとのこと

ギルマスが言ってんだからそうなのであろう


それぞれにカツカレーを出すと、キヨネは勢いよく食べ始める

「おいしー・・・・・・久々・・・・・食べれるとは・・・思ってなかった・・・おかわり」

これは、おかわりラッシュが暫く続きそうであるな


結局、寸胴鍋につくったカレーが無くなるまで食べ続けたキヨネは満足そうである

「それで、キヨネはこれから如何するんだ?”人形”か”竜”を狙うのか?」


「うん。サルトラでちょっと、無理した。だから休憩」

「そうか、だったら前言っていた場所、イオラが伝言置いてた場所な?そこに拠点が出来てるから、そこで休憩するといい。部屋もあるし風呂もあるぞ」


「イオラ!そこにいるか?でも、ワタシが行っても、良いのか?」

「イオラの友達なんだから、遠慮はいらんぞ?」

「・・・・うん。ワタシ行く!」

キヨネはギルドを飛び出していった

元気が良いである


「いいのか、エクス?」

グランツが聞いてくる

「なにが?イオラの友人が泊るのに問題などないだろう?」


「では、私たちが出張したとしたら泊めていただけます?」

ウィレンスタークが聞いてくる

「ん?宿はまだないし、ギルドも予備部屋は無いかもしれんな。構わんぞ?」

「よし!言質とった!!ギルマス、開拓村の視察が必要って言ってましたよね?」

「んあ?視察はギルマスである俺が行くんだろう?」

「いえ!サブマスがいない現状、ギルマスが街を出ることはできません!私たちが行ってきます!」

なにやら言い争いが始まった

後は任せて庁舎へ向かうのである





ドアをノックする

「カンプファン様、エクス様がいらっしゃいました」

『入ってくれ』

ここまで案内してくれた受付嬢が扉を開いたので室内に入る



「よく来てくれたエクス君。開拓村は順調のようだね」

中に居たのは領主と大司教


領主には開拓村の進捗状況とペールデンテから蜘蛛型モンスターが南下してくる可能性などを報告しておいた

「それと大司教様。”獣”が討伐されています。討伐者はキヨネですね」


「おお、やはり討伐されたのですね。キヨネ、さんというと”亜人”を倒されたかたのお一人だったのでは?」

「そうです、そのキヨネで間違いないです。討伐したのは”獣”の鵺。キヨネはサルトラと呼んでいましたが」

我は鵺の死体を魔法鞄から出し二人に見せる


よく見たら結構な咬み痕が付いているであるな

全長で3m位であるか



死体をみて納得したのか即座に討伐金として大金貨15枚を即座に払うことを約束した

領主からは大金貨3枚を出すとのこと

「して、そのキヨネ嬢はどちらにいらっしゃるのかな?」

さっきまで狩人ギルドにいたが飛び出していったので、おそらく開拓村に向かっているだろうことを伝えた

すぐに追って報奨を受けてもらうらしい


我は鵺の死体を魔法鞄に入れて退出した

残りは”人形””竜””蛇””人間”である




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