蜘蛛
「話は変わるが、村の進捗状況を確認したい」
テミスが発言する
なんか村長っぽいな
「狩人ギルド側は進展なしだよ。仮設小屋は出来たから後続が着き次第、周囲の探索に出てもらう予定だよ」
「商業ギルドも似た感じっすね。仮設小屋で掛かった費用の計算っすね。これは経理出来る者にやらせてるっす」
「外周の塀は半分ほど進んでおる。仮設部屋も出来ちまったみたいだから全員で塀に当たれば、明日には終わるじゃろ」
「治安維持の面で募集を掛けます。ゲリヒトは補助をお願いします」
「了解した。しかし最初の判決がこれだとはな」
「食事処は作る方は良いのですが、地べたに座って食べるのが気になりますね。人も増えるし何とかならないですか?」
皆が我をみる
我は何も言うことないのであるぞ?
「エクスは何か言うことは無いか?」
テミスが聞いてくるが別に無いので「ない」とだけ言っておく
「では、二日後には後続が着くだろうから準備を頼む。それとあの二人への処罰は三日後とする」
「エクスは場所を準備しときな。言った以上は働いてもらうよ」
これで会議は終了のようであるな
広場に戻ると、その場で談笑している者。長屋テントへ行く者など自由に過ごしている様だ
我は地下道をとおり拠点へ移動することにした
村側は何かと人目につくのが気になるのである
流れで村作りを手伝ってはいるものの、本来の目的は神どもをボコる事なのであるが・・・・スキル収集が進んでいないである
ブラックサンタのように手あたり次第襲っては討伐対象となるであるし・・・
使徒の情報も手に入れないといかんであるな・・・
人間を取り込むと”悪意”が含まれる気がするしー・・・・死後経過した物を狙うか?
ペールデンテ陥落から大体5日は経過したであるな
試しでやってみるか?
人でなし?我、人ではないし
我はテントの中の目立たないところに小さなトンネルを作り、壁の外に繋いだ
ウディッツ、テミス、アルカの対策である
どうも監視されてる気がするのであるよ
我は次元潜宙に潜り、トンネルを伝って外へ出る
次は浮遊を使って壁から離れ森の中へ移動
樹の洞を見つけたのでそこで一角兎に形を変えて次元潜宙から出る
辺りを警戒するが人の気配は無いである
いや、凄い勢いで追ってくるものがいる・・・一人であるな
我は茂みに隠れて気配を殺す
やってきたのはアルカ
此方を見ずに駆け抜けていく
追って来たのではなく、フォーゲソンへ噂をばらまきに行くであるかな
気配が遠ざかるのを待ってからイオラへ姿を変えて空を飛ぶ
ペールデンテ上空に到着したである
夜も遅いため街に明かりはない
月が照らすなか見えるのは、建物の瓦礫がいまだに散乱しており生活できそうに無さそうである
さすがに遺体は移動しているであるかな
人間の遺体は・・・北の教会・・・魔物は狩人ギルドであるな
我は北に向かい教会の様子を見る
十数メートルにもわたり掘られた穴に布にくるまれた物と花が添えられている
おそらくアレが遺体であろう
一列に30ちょい、それが3列並んでいる
我は次元潜宙に一旦潜り、大蜘蛛に変わってから地上に出る
操糸を使って遺体を繭玉にしていく
くるくると糸を巻いていき10個ほどの繭玉が出来た
それを背中に括り付ける
うん、大丈夫である。揺すっても落ちないしズレもしない
「ひ・・・ひゃぁあぁぁああ!・・・だ、誰か!誰か来てくれ!!」
教会の建物に人影が見える
悲鳴はアノ人影が上げたのであろう
でも、もう用はないので我は次元潜宙のい潜り、浮遊で移動する
教会は街の北側だから、このまま北へ向かって進めば森に行けるであろ
森に行ったら西にむかって複合体を検討した場所へ移動するつもりである
出っ張った岩の上に着いたので壁に穴をあける
土臭い匂いが充満していたのを風魔法で空気の入れ替えをしてから中に入る
侵入者の形跡は無いであるな
出入口を塞いでから次元潜宙を出る
繭玉を地面に転がし、本来の姿へ戻る
このプリチーな姿も久しぶりであるな
ついでに魔法鞄に入っていた蟲の死骸も出して置く
それでは、取り込むのである!
・
・・
・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んあ?
取り込みが出来たようであるな
死後、数日が経過していたから記憶や意識が干渉しなかったようである
ステータスオープン
【名 前】エクス・テスタロッサ・イオラ
【種 族】ウーズ(擬態:人間種)
【性 別】-
【年 齢】0
【職 業】-
【称 号】
【スキル】 吸収・溶解・突進・索敵・毒生成・複眼・飛翔・言語翻訳
【治癒】・瞬歩・棍術・剣術・杖術・盾術・体術・槍術
弓術・銛術・貫通・夜目・放電・剛力・地図作成・採掘
採取・解体・鍛冶神・調合・偽装・解錠・騒音・魔法刃
鑑定・浮遊・操糸・身体強化・魔法防御・騎乗戦闘・遠視
咆哮・硬化・立体機動・気配察知・話術・罠術・投擲
魔法鞄・魔眼(石化)・限界突破・見切り・群体指揮
暴食・【人化】・侵奪・捕食・次元潜宙・【武器錬成】
【再生】
【魔 法】 水魔法
火魔法
風魔法
光魔法
地魔法
雷魔法
闇魔法
回復魔法
【装 備】 ファフニールの腕輪(全能力値x1.8)(未装備)
ほむ
少し増えたであるが、おそらく重複したスキルが多かったのであろうな
うーん・・・やはり、強い魔物を取り込む方が効率良さそうである
土壁に穴をあけて外に出る
夜明け前のようで、うっすらと東の空が明るくなっている
我は急ぎ開拓村へ戻る
周りが明るくなるころには開拓村の上空に付けたので、拠点側へ降りる
「あ、エクス君!どこに言ってたのかな?さっきから探してたんだけど」
アルカが地下道から出てきた
「領境の下見だよ。アルカは今からフォーゲソンか?」
「いやいや、こっちの仕込みは終わったよん。後は商業ギルドがどう出るかだね」
ニヤニヤとしながら答える
「それで、朝から何で探してたんだ?」
「そーだった!ウディッツさんがすぐに来てほしいって言ってたよ」
我はアルカとともに昨日の会議をしていた小屋に向かった
ノックして小屋に入る
中に居たのは昨日会議をしていた面々だ
「すまないね。ちと厄介なことが起きたらしいんだ。テミス!」
「昨日ペールデンテを襲った魔物の話を覚えているか?」
「たしか蜘蛛の大型種と蜘蛛の集団に追われた蟲だったな」
「その大蜘蛛が街中にでたらしい」
「・・・・・・・・・・ペールデンテのか?どこに出たんだ?」
我の答えにウディッツとテミスはお互いを見る
「エクスは何処に出たか知らないのかい?昨夜は拠点から出ていたみたいじゃないか」
「ああ、刑場の下見にな。・・・・・南下してくると思うか?明日、後続が到着するのだろう?」
「ペールデンテからの続報まちだな。ガセネタなら良いんだが」
「最悪を想定しておく必要はあるだろうな・・・・壁は今日中に仕上がるんだったよな」
「そうじゃ。急げば昼には仕上がるじゃろうよ。」
「テミス、壁から離れたところまで樹を伐採しよう。樹から辿られたらシャレにならん」
「時間はどれくらい掛かる?人員は必要か?」
「いらん。1,2刻あれば出来るだろうよ。それより情報の確認が先じゃないか?」
「アルカ!いっといで。出来るだけ詳しく聞いてくるんだよ」
「えー、今帰ってきたとこっすよ・・・へい、いってきますぅ」
ウディッツから睨まれて了承している
「俺も詳しく聞きたいから、急ぎ頼む。帰ってきたら飯の一つでも作ってやるからさ」
「マジっすか!じゃ、じゃあ、この前のスープが良いっす!・・・カレーでしたっけ?」
「わかった、用意しよう」
「やった!大至急行ってくるっすよ!」
小屋を出ていくアルカ
気配察知で確認したら既に村からでていた
「随分気にするじゃないか。何かあるのかい?」
「ウディッツは気にならないのか?天神教が本当のことを言っているとは限らないんだぞ?」
使徒の情報は天神教からしか聞いていないと思うのだが?
「・・・・・・使徒は8体とは限らないってことかい?」
「使徒も手下を作るかもしれんだろう?そもそも使徒とは何かということも解ってないんだ。用心に越したことは無い。むしろ、あんたらの情報網ではどうなんだ?」
「確かに、天神教からの情報しかないね。テミス、通達を出しな!使徒に関する情報を集めるんだよ」
直ぐに出ていこうとするテミス
「まて!ウディッツも聞いてたはずだが、天竜山の『竜』とケンプファーから南西に『猿の顔をした虎』。西に大きい洞窟はあるか?」
少し考えるテミス
「ウーデンズの街からさらに西に鉱山があったはずだ。」
「そこを重点的に調べてくれ。そのあたりに使徒がいるらしい」
解かったと言って小屋から出ていくテミス
「随分と詳しいじゃないか。羽根つきの場所は知らないのかい?」
「ウディッツも聞いていただろう?キヨネの情報だよ」
ウディッツが顎に手を当てて考える
「ああ、あの娘かい。何のことかと思っていたけど、ありゃぁ使徒のことだったのかい。・・・って待ちな!あの娘、使徒を狙ってるのかい?」
「それだけの力を持っているさ。だからイオラも気に入っているんだろ」
呆然とするウディッツ
「化け物が4人もいるのかい・・・・サジェスに隠し通せるかねぇ」
「迷惑を掛けるなら蒸発してもらうが?」
「止めとくれ・・・・あたしゃ、禿げそうだよ」
ぐったりするウディッツ
「ならば、人を簡単に疑わないことだね。敵対したものに容赦する必要ないからな」
「・・・・・・・・・・わかったよ・・・・・・・」




