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整備

凡その村の配置検討がなされたので、職人などの手配が行われていく

イグノランテを除く98名が開拓村へ移動となる

その際ペールデンテで就いていた仕事を考慮され、不足箇所や補足が必要な人材をカンプファン領から連れていくことになる


イグノランテはギルドの預金を全額引き出すことが出来たので『猫の手亭』をやめることになる

ペールデンテ壊滅の責任を負って狩人ギルドを除名、カンプファン領から追放になった。

ギルド長であったとはいえ戦闘能力はそれほどなかったため魔物に襲われれば死ぬしかない

実質の死刑宣言でもある


「私はレナトゥス。ペールデンテ出身のギルド職員・・・・」

「名前が決まったかイグノランテ」

グランツが受付で登録していた女に声を掛ける


「レーナ―トゥースー!イグノランテは追放されたの!」

「そうだったなレナトゥス。開拓村でギルド職員が必要だからな。がんばってくれや」

「いろいろとありがと、グランツギルドマスター。今後ともよろしく」


イグノランテは死んだことにしてレナトゥスとして、カンプファン領でやり直すことにしたのである

グランツはトゥレライトの後釜としてギルド長に昇格。正式にケンプファー狩人ギルド長となった


レナトゥスは後日『輝く夜明け』『希望の朝』の2パーティと共に開拓村へ出立する予定だ

ちなみに2パーティとも拠点を開拓村にするらしい

ついでにメッツ達3人も一緒に連れて行ってもらうことにした




「ウディッツさんよ。開拓民が来るまでどうするんだ?」

我は開拓地に来ているのである

「そうだね・・・・この辺りの魔物は狼と兎だったね。・・・柵が先か。エクス、村の境界に線をひいとくれ。そこに柵を立てることにするよ!」


我は土魔法を使って、村と森の境界線に深さ1m、幅2mほどの堀を作り、土を手前に盛り上げていく

もっとも出入口になる箇所はそのままである

「これでいいか?」

ウディッツ、テミス、アルカの目が見開かれ、動きが止まった


「はぁ、もういいよ。お前に突っ込む気力もないさね。飯でも作っといておくれ」

解せぬ

魔法、便利ではないか


我は背負い鞄から調味料を出していく

ジーラと呼ばれているクミン、ハルディと呼ばれていたウコンは雑貨屋で

赤唐辛子は調味料として

コスイと呼ばれているコリアンダー、パクチーの種であるな

カネールというシナモンスティック、チウジというクローブ、ウイキョウというフェンネル、ズクというカルダモンは薬師が取り扱っていた

胡椒とペイリーフは魔術師が触媒として使っていたのである

何故、調味料の判別ができるかだと?

スキルの鑑定のお陰である


いきなり調味料を出し始めたので、ウディッツ、テミス、アルカの三人は此方を見て固まっている

自分たちの仕事をするよろし


これだけの調味料を使う料理といえば、カレーである

まさか調味料が揃うとは思わなかったであるが、ウディッツが何処で取り扱っているか知っていたのである

僥倖僥倖


まずは、ジーラの種・コスイの種・カネール・チウジのつぼみ・ズク・ウイキョウの種、胡椒、ペイリーフを乾燥させて粉にする

徹底的に細かく粉にする。

これでガラムマサラの出来上がりである


次にジーラの種とジーラ、ハルディ、赤唐辛子、コスイの種いずれも乾燥させたものを、これも徹底的に粉にする

これにガラムマサラを混ぜるのである


てれれてっててー

かれぇーこー

青狸の声真似をしてると胡散臭い目で見られていたが

蓋の付いたツボに入れて魔法鞄に入れておこう


鍋にニンニク擬きと生姜っぽいものを、みじん切りにして油でいためる

香りが出てきたら玉ねぎ擬きをスライスして投入・茶色になるまで炒める

こげ茶色になったらトマト擬きをぶつ切りにした物を放り込んでさらに炒める

水気がなくなったら塩と先ほどのカレー粉を入れて弱火で炒める

おおう!暴力的な香りである


これに狼の肉と水をいれてよく混ぜて火力を上げていく

あとは沸騰したら弱火にして蓋をしてから煮込むだけである

これは米が必要であるな

急いで米を炊く


いつの間にか3人とも我の後ろに立っているのは何故であろう

「仕事はいいのか?」

「こんだけ良い匂いさせてちゃ、仕事に集中できやしないよ!仕事は食べてからするさね」

うむうむ。

そうであろう、そうであろう


「それで何のシチュー何だい?嗅いだことのない匂いだよ。これだけで腹がすくじゃないか」

「これか?キヨネの故郷のシチューでカレーという料理だ」

これにはウディッツが反応した


「キヨネっていうと、この前の娘だね?どこから来たのか知っているのかい?」

「知っている・・・・・・が、余計な詮索はしないもんだろう?」

「・・・・・そうだね。野暮なこと言っちまったよ、忘れておくれ」

ご飯が炊けた!

・・・しまった!しゃもじを作っていなかった!

くぅ!しょんない。またフォークで皿に盛っていく


鍋の蓋を開けると食欲をそそる匂いが一面に広がる

カレーをご飯にかけスプーンを添えて渡すと、一気に食べ始めた


「なんすか!これ!見ため、アレっすけど無茶苦茶おいしいっすよ!」

「肉の歯ごたえも良いな!それにこの米?だったか、これも美味いな!」

「・・・まったく、どんだけ引き出しを持ってるんだい!私らの料理じゃ太刀打ちできないよ!」

うむ

今度キヨネにも食わしてやろう


「ウディッツさん・・・」

「駄目だよ!報酬が払えないね!」

「そんなー」

恨みがましい目で見るアルカ

しらんがな




昼食を取り、実地での測量などを始める3人

我は、断りを入れてから付近の魔物の間引きと拠点整備を市に森へ入る


少し歩くと土壁がそそり立っているので、それを飛び越える

5m位訳ないのである

グラウンド位の敷地内に拠点となる家と給排水施設と鍛冶工房なんかも欲しいであるな


土魔法で大まかな土台を作っていく

後は村との通行手段であるか・・・樹を抜いて道にしてもいいが魔物がいるからなー

地下通路しかないであるかな


適当なところから土魔法で斜めに掘り下げていき周囲の壁を補強していく

大体5m位下がったところで並行に掘り進めていく

雨が振り込んでも嫌なので屋根を付けて置くことにする

索敵を使って3人のいる方向を確認して掘り掘り



距離的にもこの辺りと思われた所で斜め上に向かって移動

地上に出たら丁度村の外れ部分であった

向こうと同じく屋根を付ける。地下鉄の入口のようであるな


「ここに居たかい、ってまた何をしたんだい?」

「ん?ああ、地下を通って拠点に行けるようにした。それより、なにかあったのか?」

「はぁ、あんたと会ってから常識と自信が崩れていくよ。先ぶれがあって先遣隊として土木が出来る人員が明日来ることになったよ。そのあと、大体二日後に残りの者が来るみたいだね。イグノランテ達も後続に入るらしい」

「そうか。仮説住宅も必要だからな」


「とりあえず、あんたには仮説の風呂と便所を用意してもらいたいんだよ」

「仮説なら魔法で対応するんだな?魔法師は来るのだろうな?流石に常駐はせんぞ」

「わかってるよ。魔法師は派遣してもらってるさ。ただ後続と同じくらいになりそうだからね。数日は頼みたいんだが・・・」

「わかった。二日だな」


「私らはそれまで待機だね」

「それじゃ、俺はここと拠点を行き来することにするわ。それを通れば拠点場所へ移動できるから、何かあったら連絡してくれ」

我は地下道を通って拠点へ戻る



こっちはこっちで仮説住宅を作るのである

前に作った蒲鉾型テントで良いか

それを4つ。

あとは炊事場。風呂。トイレ

工房用の建物、あの3人にはどのような物が必要か分らんから後で良いか。



工房用の建物の中に鍛冶用の炉を作る

我だけなら魔法で如何とでなるが、アイネが使うには炉が必要であろう


次は便器を作るのであるが、その前に釉薬を作らねば

汚物が付着すると困るので表面はつるつるにしたいであるな

そうすると透明釉という種類がよいか


スキルの採掘で取った長石を粉になるまで砕き

魔物の骨を高温で焼いて骨紛にして長石と混ぜて釉薬とする


便器と水溜タンクとを作る

魔法で浮かべて釉薬をかける、魔法で乾かすを繰り返していく

5回ほど繰り返したら50cmくらいの穴をあけた地面の横に置いて、周囲を土魔法でドーム状に囲む。

天井に空気取り用の穴をあけて置いて・・・・

真ん中の穴に火球を入れ、ドームの中で風魔法を使い火力を上げていく


陶器を焼いているうちにタンク内の部品を作るのである

レバーを引けばタンクの栓が開いて水が流れる

水がなくなれば一定の水がタンクに入り止まる


土魔法で部品を作り、ゴムの代わりは魔物の皮で代用する

今回はサンプルなので大まかな形とするのである

次は木材で便座の作成である

これも、大まかにU字型に加工していく



「エクスくーん。夕食だよーってナニコレ!」

アルカの声が聞こえてきた

どうやら呼びに来たらしいので工房から出る


「こっちだ。なんかあったのか?」

「いや、夕食の準備が終わったから呼びに来たんだけど、ナニコレ?」

蒲鉾型テントを指さしナニコレを連呼している

我は中を見せてやる


最大の高さは2.5m

寝る場所は幅2mに奥行90cm

後の空間は机なりなんなり置けば良いであろ


「すっごい、これ!うちらのテントと雲泥の差じゃん!」

異常に興奮しているのであるが、変な薬をしてなかろうな


「夕食なら早く戻ろうか。ウディッツを待たせると煩そうだ」

「あー、そうでした・・・・」




開拓村に戻った我は夕食を取ったのち風呂とトイレの仮説を終えた

アルカのたっての希望で蒲鉾型テントをこちらにも3個作ることになったのは言うまでもない

 







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