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嫌疑

山となった土砂の向こうにペールデンテの街壁がみえる

夜中だというのに壁の上に灯は灯されていない



壁は多少湾曲して作られているので一斉射ではほんの一部だけしか壊せないであろう

獣モードで長剣を街壁の外周に沿って狙いを付ける

今回の弾は釘である

まあそれなりのダメージを出せれば良いのである


今回は魔力を籠めずに打つつもりであるが、長剣が振動で震え青白く光っていく

長剣と長剣の間に放電が始まりバチバチと音を立てていく


魔力を籠めていないので照準もつけやすい

長剣と長剣の間に弾丸を落とすと磁場により中心を通り加速、発射される

電磁を帯びた釘は、そのまま壁に当たり蒸発、赤熱させながら破壊していく


勢いを落とさない光は壁を飲み込み森の彼方へ吸い込まれ、大爆発した

今回、背中の長剣は魔力を抑えたためか破損はなかった

大体の感じがつかめたので逆方向の壁に向かって第二射を打つ


今度は土砂の山を貫通しつつ壁に当たり破壊していく

これで街の北西部分と南南東部分の壁がなくなった訳だ


ペールデンテの街は夜中であるが騒々しくなっていく

我は森に入り、奥を目指す


この森は蟲がメインの生息域である

蜘蛛がいてもおかしくは無いであろ?

久々の大蜘蛛モードである


と言っても全高3mの全幅7m位である

森の奥から、殺気を乗せてスキルの咆哮と騒音を使い、森の魔物を追い立てる

途中で本物の蜘蛛型魔物が居たので”群体指揮”を使ったら指揮下に入った


指揮下に入った蜘蛛は子蜘蛛を従えていたので同じく指揮下に入れる

近くの魔物を街へ追い込むのだ―

芋虫にゲジゲジなどの蟲が大量にペールデンテを目指す


蜘蛛たちには森から出ずに待機させる

送り込んだ蟲たちが街に到達した時点で解散させるつもりである


我はケンプファーにつながる街道へ移動する

案の定、今更逃げ出している者がいたので糸を飛ばし動きを止めて置く

おやおや、数人の狩人が戦うつもりであるらしい


狩人の一人が火球を撃ちだした

まあ我には魔法防御もあるし、なんなら回復魔法もあるしなー

一発位当たってやるかー


ぽひゅ

間の抜けた音と共に火球は消える

我にダメージは無いであるよ


「俺の魔法が効かない!?」

「何でこんな魔物がココにいるんだよ!」

「指名依頼した奴は、まだ来ないのかよ!」


おー、悪態をついておるなー

こいつらにはメッセンジャーになってもらうであるか

軽ーく撫でるように腕を払う

あ・・・失敗失敗。樹にぶち当たって樹が折れてしまった


「ひっ!・・・こんなのと、戦えるか!」

踵を返してペールデンテへ戻っていく

我も反対の森へと移動するのである

だってこっちにも蟲の大群が寄ってきているんだもの



人目がなくなったところで次元潜宙に入り、天使モードになる

飛翔で空をとび、ペールデンテ上空に移動する

ふむふむ

良い感じに魔物が散らばっておるな


我は背後に光球を出し翼を広げる

ゆっくりと庁舎の屋根の上へ降りていく

広場にいる人々が騒ぎ始めている

天使モードなので神に祈る者もいる様だ


手元に地魔法で土槍を作り撃ちだしていく

狙いなどつけずに、そこら中に撃ちだす

魔物も店も家も建物すら区別なく土槍が降り注ぎ破壊していく


やや離れた場所にうごめく魔物には火球を撃ちだし

道路を這っている魔物に雷球を落とす

地面に潜った蟲には風魔法で地面事抉り出す


一時もすると庁舎以外の建物は残骸と化し大量の蟲の死体と破壊された街並みが残された

まだ少しの蟲たちが蠢いているが狩人達で倒せるであろ

我はおなじみの強烈な光りを放ち次元潜宙に潜る

さて、ケンプファーへ向かうであるか





ケンプファーに着いたのは明け方であった

何時ものちょび髭の衛兵とやり取りしギルド裏へ回る


「おーい、誰かいるか―」

「よ、兄さん!今日もラングシュワートティーガーかい?ん、牙がないね」

「ああ急ぎ入用だったんでな、牙だけ先に解体した」

「へー兄さん器用だねぇ。これならギルド職員でもやっていけるぜ?」

「ははは、まあ何時もの処理を頼むよ」

割符を貰って表に回る


「エクスさん!領主様が庁舎に来てほしいとの伝言されています。至急向かっていただけないでしょうか?」

来て早々、庁舎へ移動である


庁舎、領主執務室に着いたのでノックして入る

領主と大司教、グランツはいつも通り

さらにウディッツ、イグノランテ、アルカに坊主マッチョが居た


「なぜ、『騎士の誉れ亭』の者がここに?」

我の疑問に答えたのはウディッツだった


「こいつらは私の部下だからだよ」

「ああペールデンテの情報を探ってたわけか。それで?」


「ペールデンテは壊滅したよ。こいつらが確認したから間違いない」

「ほう。何で壊滅したんだ?イオラもテスタロッテも自重していたぞ?」

ウディッツが坊主マッチョを顎で指す


「まず、街が壊滅したのは魔物のスタンビートだ。見たこともない大蜘蛛が森に居たのを確認した。そいつらに追い立てられて森から流れ出たのだろう」

「蜘蛛?あの辺りは毛虫やムカデじゃなかったか?」


「最大の物で家ほどもある大蜘蛛でした。その最大の物も町の対応をしているうちにロストしましたが」

「ふむ、そちらのお嬢さんが確認されたのか。最大の物というと複数いたのかな」

「先ほどの大きさのものは一体でしたが半分くらいの大きさの物を筆頭に100は超えていたかと」

「それはきついな・・・街は蜘蛛に落とされたか?」


「いや。街に入り込んだ蟲を街ごと破壊していった者がいた」

「エクス、あんたの同類はイオラとテスタロッサだけかい?」

ウディッツが聞いてくる


「同類というのが解らんが、俺達程度の力量のものなら居るだろうよ」

「羽根付は知り合いに居ないのかい」

「羽根付?ハーピーみたいなやつか?」


「いや。教会の壁画に書いてあるような人の姿で背中に羽が生えている者だった」

「そんな姿をしている奴なんて、それこそ使徒・・・・”人”か?」

「そうかもしれないねぇ」


「やれやれ、手を下すまでもなかったってことか」

「いいや、もう一つ聞くことがあるんだよ。蜘蛛が来る前に光の帯が街の壁を壊したってんだよ」

此方をじっと見てくる

「光魔法で街の壁を破壊出来るのか?攻撃に向いた魔法ではなかったと思うが」

「ああ、光魔法はね。でも雷魔法なら?破壊力はあるだろう?」

やはりこの女はカンがいい


「確かに雷魔法なら攻撃力はあるな。しかし光の帯になるほどは光らんぞ?」

「そうなんだよ。どちらをとっても成立しないんだよ。だから聞きたい。壁を破壊したのはお前たちではないね」

うーん。何がしたいのであろうか


「おれ、エクスでもイオラでもテスタロッサでもない。なんなら神にでも誓うか?」

「要らないよ。信じてもいないのに誓っても意味ないね。さて御領主、私の用事は済みました」

ウディッツはカンプファン卿に頭を下げる


「エクス君たちの嫌疑が晴れて嬉しいよ。さて今度はこちらの話なんだが」

隣に立つイグノランテを見る

疲れは見えるものの幾分回復したようだ


「エクス殿、まずはあの時見逃してくれてありがとう。おかげで皆、欠けることなくこの街まで着くことができた」

イグノランテが頭を下げる

「良い人間に恵まれたな。大事にすることだな」


「そこで君に話したかったのが彼女と一緒に街を捨ててきた者たち100人のことだ」

嫌な予感である

「先に廃棄した村を使おうと思っている。村長はそこにいるテミス君が務める。狩人ギルドのギルド長はウディッツ女史。商業ギルドはアルカ君になるだろう。またケンプファーからも開拓民を送る予定だ」


「国の機関にさせるのですね。それを何故私に?」

「君に指名依頼を出させてもらう。開拓村の手伝いをしてもらいたい。報酬は大金貨で3枚」

大金貨3枚は大体3億円である


「手伝いの期限だが、全員住む家が出来るまでとしてもらいたい。いつまでも手伝いを求められても困るので」

「うむ、君の言い分は最もだ。最初に入村する村人たちの住む家が出来るまでとしよう。いいかね?」


結局、あの土地を使うことになったのである


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