残敵
我は可燃性のある油を大量買いする
ポリバケツ位ある大きさの樽なので持ち上げるのも大変なのである
あと同じサイズの空樽
以前に作った樽爆弾。ナパーム樽?を作って魔法鞄に入れる
そういえばトゥレライトが複合魔法とかを使っていたであるな
この機会に試してみるのである
あとは食料を買い込んでおく
食事は我に必要ではないが『餌付け』の効果は高いのである
『猫の手亭』で厨房を借りて料理を作っておこう
キヨネに会いそうな気がするので念のため
こんなもんであるか?
買い忘れがないか考えながらギルドへ戻る
「あ、エクスさん!良かった、エクスさんを訪ねてこられた方がいらっしゃいます」
「あんたが、えくす?・・イオラから、聞いた」
キヨネである
フラグの回収が早すぎであるな
「イオラから?そうすると君はキヨネ?かな」
「そうキヨネ。伝言見てきた。美味しいごはん頂戴」
「そうだったな。少しやることがあるから酒場で何か食べておくか?」
この前の残りはワークルエ隊に食べさせてしまったであるし・・・
作るしかないか
「むう・・・塩焼きは、不味い。同じ味ばかり」
「そりゃぁ調味料が塩ぐらいだしな。イオラみたいにはいかんさ」
「でも、エクスかテスタロッサなら、出来ると聞いた」
「ちょっと待ちな!さっきから聞いてりゃ随分な言い草だねぇ。私たちの作った物が不味いってのかい?」
そういえばウディッツが居たんだった
この女、この距離でも聞こえるのであるか
「使っている調味料がすくないから、味の幅がないだけで不味くは無いぞ?」
「塩味だけ。煮る、焼くしかしない。不味い」
キヨネは食事に苦労していたからなー
前世のメニューを食べたから歯止めが利かなくなっているのであろう
「ほう・・言うじゃないか、エクス!さっきの話だとイオラってのが作った物を作れるんだろう?ここで作ってみな!」
そう言って酒場を指さす
「いや、この酒場はウディッツの店じゃないよな?そんな勝手していいのか?」
「パーム!厨房貸しな!」
「え?姐さんが作るんですか!やった!伝説のオリジン料理!わっかりましたー本日閉店しまーす!」
「なんで乗り気なんだよ!客の事も考えろよ!」
ギルド併設酒場なんだから閉店はないだろう
どうしてこうなった
現在、ウディッツが厨房に入って調理している
どうしてもキヨネに美味いと言わせたいらしい
「ウディッツさんのオリジン料理が食べれるなんてー。それに噂のエクス料理まで・・・」
「なんだそれ?オリジン料理はまだしもエクス料理って・・・」
困惑である
「ギルド併設酒場のメニューはウディッツさんたちメンバーが試行錯誤して作ったメニューなんですよ。ウディッツさんほどになると素材の出来や、その日の気温なんかも考慮して作られるそうです。オリジン料理の味は段違いですよ!!」
おおう・・そうであるか・・・・
「それにエクス料理!アメリーとウィレンスタークが凄い自慢してくるんですよ!サブマスも絶賛してましたし!!『猫の手亭』で食べましたけど親父さんまで本物の味が全然出せてないっていうくらいですよ?食べてみたいでしょう!」
「そうです!あの二人だけずるいです」
「私たちも食べたいんです」
いつの間にか受付に居たスピカとペティグレッサがパームの横に座っていた
「君たちは仕事があるんじゃないのか?」
「いえ、もう交代の時間ですから」
「引継ぎも終わりました」
さよか・・・・
「さあ出来たよ!嬢ちゃん食べてみな!」
出てきたのは猪肉のステーキ
塩で味付けをしたあと紫のソースが掛かっている
付け合わせは焼いたジャガイモに煮たニンジン
後は野菜の沢山入ったスープに白パン
それがキヨネ、我、パーム、スピカとペティグレッサの前に置かれた
ナイフとフォークを手にし食べ始めるキヨネ
眉間の皺が取れない
我も一口食べるが、肉のソースが甘い。どうやらフルーツソースのようである
悪くない。むしろ美味しいといえるであろう
他の3人は絶賛である
「・・・・エクス・・・・」
呟きながらも食事を続けるキヨネ
我も頷いてやる
「贅沢なのはわかってる・・・・味のある、温かいごはん。作ってくれて、ありがとう」
ウディッツの作った料理を完食して手を合わせるキヨネ
「なぁエクス。この子はどういう食生活をしてたんだい?」
キヨネの言葉に何かを感じたようである
「想像以上のことさ」
我も完食しているので食器を下げ厨房に入る
「キヨネ、食べたい物・・・・覚えている物はあるか?」
「・・・・・・・・・・・・・・はんばーぐ・・・」
「わかった。ハンバーグだな」
ハンバーグは確定として他に何が作れるであるかな・・・・
牛乳擬きもあるので小樽に詰めて魔法で振ればバターが出来るから添え物は野菜のバター炒め
餃子にフライドポテトは出来る
渓谷猪の肉も在庫があるか、とんかつは前に作ったから今日は生姜焼きにするか
兎肉の在庫が心もとないがパームに言って融通してもらえたので唐揚げ
エビを買っていたな。マヨも作ってエビマヨにしよう
あとは米を炊いて、ニンジンとジャガイモの味噌汁も作るか
良い匂いが立ち込めてきている
そういえばナイフとフォークもだが、箸も必要だろうから先に出して置くか
厨房から出てくるとキヨネ、ウディッツ、パーム、スピカ、ペティグレッサの5人が一気に見てきた
まさに捕食者の目である
更に酒場入口に群がるオッサンども
「「「「「できた!」」」」のかい!」
「もうすぐだよ。キヨネは箸を使うだろ、他の者はどうする?」
キヨネの前に箸を揃えて置く
ん?箸置きは制作済みであるぞ
この世界はナイフもフォークもテーブルに直置きするのである
なーんか不衛生な気がして作っておいたのであるよ
「お箸!ご飯の炊ける匂いがする!それにお味噌汁?」
「ああ、ニンジンとジャガイモな」
キヨネはそれだけでもうニコニコ顔になっている
「ゴハンにミソシル?初めて聞く料理だね・・・」
「はぁ、それがエクス料理ですか・・・」
厨房に戻り準備をする
ごはんはお櫃もなければ、しゃもじもないのでフォークで何とか皿によそう
味噌汁はカップにそそぐ
ハンバーグと添え物のニンジンのバター炒めを乗せる
ソースはケチャップも中濃ソースもないので醤油とワインでそれっぽく作ったのをかける
後は唐揚げ、フライドポテト、餃子を6ケを皿にのせ
エビマヨ、生姜焼きをそれぞれ小皿に盛り付ける
これで一人分
キヨネ用のは全て大皿で乗せる
溢れるような量の皿をみて目を輝かせるキヨネ
「ね!ね!食べていい?いいよね?答えは聞いてない!」
手を合わせて「いただきます」と言ってから食べる辺り、前世の親がきちんと躾ていたんだろうと思われる
泣きながら、美味しいを連呼して食べるキヨネをみて他の者も食べ始めた
「な!何だい、コレは!」
「おいひい・・・これが・・エクス料理・・・・・・・・・」
「あの二人が自慢するわけです」
「たしかに『猫の手亭』では味わえない味です・・・」
「エクス!おかわり!」
ごはんと味噌汁のおかわりをついで渡す
「落ち着いて食べな―」
瞬く間に大皿に乗っていた料理が消えていく
「いっぱい食べた、ごちそうさま」
「参った・・・コレを食べた後じゃぁギルド飯は不味いわ・・・・」
ウディッツが肩を落としている
「それに何だい、この味の多さは。いろいろ在りすぎて飽きがこない。それに、この”ごはん”という奴!咬むと甘味があるうえ腹が膨れてきやがる。”ミソシル”も何ていう深みのある味だい・・・塩スープよりしっかりと味がしているのに喉に渇きがない。美味い。美味いよ!!」
「エクス料理をギルドで出せませんか?この短時間でこれだけの品を作れるなら・・・」
「駄目だね!これだけの物のレシピを買うだけの予算はギルドにないよ」
「では『猫の手亭』でしか食べれないのでしょうか・・・」
ウディッツとパームが落ち込んでいる
「あとは、ペールデンテの『騎士の誉れ亭』だな」
「うん。あそこで食べたのも美味しかった。イオラが作ってくれたごはん」
「まあ、俺かイオラが居なくてもベレーナのテスタロッサも作れるからな?会えなかったら、我慢して食べろよ?」
「うん、わかった。あったときにいっぱい食べる」
「今度は何処へ行くんだ?」
「えーと・・・西の下?サルトラがいるって」
西の下?
・・・・ひょっとして南西であるか?
「サルトラ?」
ウディッツを見ると首を横に振っている
「サルの顔をしたトラ」
・・・鵺であるか!
確かにそんな奴いたであるな!
「サルトラのほかは何処にいるか解かるか?」
「えーと、西の穴とその上。あとはわかんない」
今、使徒は3体倒している
蛇と我を除けば残り3体
西の下が南西なら西の上は北西だろう
ココから北西は、天竜山があるな
おそらく”人”の使徒以外、場所が判明しているのであるな
やはり神々は何処からか使徒の行動を見ていると思った方がよさそうである




