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満腹

『騎士の誉れ亭』の厨房である

色々と仕入れてきたのであるが何を作ろうか

キヨネの立場からすると和食というよりB級グルメであるかな


「イオラちゃーん、なんか届け物だって!」

お!玄米が届いた様である

急いで宿の扉までいくとアルカの前に市場に居た爺さんが荷車を引いて待っていた


「ああ嬢ちゃん、本当にいてくれたんだね」

「イオラちゃん、この人の荷物を買ったってホント?なんか変なにおいするよ?」

味噌や醤油の匂いであろうな

そんなことでは納豆やクサヤを食べられないであるぞ?


「間違いないよ。おじいさん、悪いけど中まで運んでくれるかな?」

爺さんは頷いて、すぐに荷物を運び入れた

我は一個一個蓋を開いて確認していく

一緒に中を見ていたアルカと坊主マッチョは妙な顔をしているが・・・・


「うん、間違いないね。じゃあ、おじいさんコレ代金ね」

我は銀貨を50枚渡す

銀貨を数えて爺さんは感謝の言葉を継げる

「ありがとよ。嬢ちゃんが買ってくれなかったら大赤字だったよ」

「私以外でもケンプファーのエクスという男かベレーナのテスタロッサっていう女が買うと思うよ?」

「そうなのかい?それじゃあ今度仕入れたらそっちへ持っていってみるよ」

「二人とも狩人ギルドに入っているから、ギルドで聞いたら分かるかもね」

ペコペコ頭を下げ、荷車を引いて爺さんは帰っていく


「なぁ嬢ちゃん。これは食べ物なのか?」

疑い深い坊主マッチョである

「もちろんよ。まあ見ていなさい」

我は土魔法で作った鉢に玄米を入れ、同じく土魔法で作った杵で突いていく

ボケッと見ているアルカにコレをさせる

働かざる者食うべからずである

これを一升分精米させる


次は兎肉を一口大に切りボウルに入れる

ニンニク、生姜、塩、酒、醤油を混ぜて揉み込む

後は小麦粉を塗して揚げるだけである


渓谷猪はとんかつにしよう

卵はコレに1個つかうか

坊主マッチョに聞くと、昨日のパンが残っているとのことでそれを使う


いかんいかんマヨネーズを忘れていた

卵と塩と植物油とレモン擬き

泡だて器の出番である

精米を作り終わったアルカにやらせる

「うひぃ」とか言いながら回している。体力勝負である。がんばれ

米を受け取って洗った後に炊いておく


あとはカトフェとか言ったか

ジャガイモでフライドポテトとコロッケと・・・・揚げ物ばかりであるな

以前に作った餃子。今回は味噌と醤油もいれる


カツオ擬きもあったな

捌いて塩を振ってから串を打って皮の方から焼いていく

身の方は軽くあぶって色が変わる程度にして風魔法でさましておく

冷めたら醤油で『漬け』にしよう


タコは塩で揉むように汚れとぬめりを取って茹でる

ウナギ擬きは捌いて・・・背開きで良いか

串を打って白焼きにする


あとの魚は刺身でいいか

貝類は砂抜きしたあとそのまま焼く


そこ迄した時点で表に馬車が止まるような音が聞こえた

「イオラ!来た!!」

厨房から覗くとキヨネと二人の男がいた

「いらっしゃいキヨネ。いろいろ仕入れてきたから期待してね」

「こんな小娘の作る料理が美味いというのか?」

「汚い店じゃないか。こんなところでは碌な食材も使えないだろうに」


「キヨネ、この躾のなってない豚はなに?」

「自称領主と料理人」

「ふーん、なんでいるの?」

「私がイオラをべた褒めしたから?」

そっかー

自慢しちゃったか―


「フン!小娘の作る料理がどれほどの者か試してやろうというのだ!」

「私を豚といったか小娘・・・」

勝手に席についているけど?


「何で私が、あんたらに食事を作ってやらなきゃならんのよ。それが躾のなってない豚だっての」

我が呆れてそういうとキヨネも同意している

「私が約束したのを嗅ぎつけてきた」

「うわー迷惑極まりないわー、どうする?日にち改める?」


「それはない。私は楽しみにしていた」

「だよねー。あ、そうそう米が見つかったよ!今日はそれも出す予定」

「ならば、なおのこと食べたい!こいつら邪魔!消す?」

「「汚物は消毒だー!」」

二人のセリフが被ったのでつい笑ってしまう


「何がおかしい!!」

領主が怒りだす

「あんたの頭」「あんたの存在」

二人でまた笑う


「おのれ馬鹿にしおって・・・」

「ニール様、こやつらを捕縛しましょう!」

「「出来るの?お前ら如きで?」」


「やはり、お前たちは邪魔・・・街ごと消し去る・・・」

キヨネが殺気を漏らしながら宣言する

青い顔をして転げるように飛び出していったよ


我の後ろで「ひえー」とか「嬢ちゃんの同類か」とか言わない!

「邪魔が居なくなったから始めよっか。その前にコレ」

そういってキヨネに小袋を渡す

「なに、コレ。お金?」

袋の中身をみて確認するキヨネ


「大金貨で8枚入ってるよ。八千万って言った方が良い?」

「え?なにそれ?イオラちゃんどういうこと?」

キヨネよりアルカの方が金貨に反応している


「討伐報酬の貴女の取り分。お金がないと何もできないでしょ。何をするにしても必要だから持っときなさい」

「わかった」

「ええっ!大金貨8枚をやり取りする討伐って何を倒したんですか!」


「さあ座ってて頂戴。アルカも座ってていいわ、大将は料理を覚えるなら厨房へいくわよ」

準備していた料理をドンドン仕上げていく


フライドポテトに兎の唐揚げ、コロッケにとんかつ、餃子

タコと魚の刺身、ウナギの白焼きに焼き貝。卵焼きも作った

ごはんをよそって持っていく


一品一品テーブルに出すたびに目がキラキラしていくキヨネ

逆に目を開いていくアルカ

最後に夜のうちに作っておいた箸をキヨネに渡してやる

「いいの?いいの、食べて?」

「いいよ。足りないときは作るからね、たっぷり食べな。アルカもね。あとコレ」

醤油とマヨネーズを渡す

「醤油!マヨネーズ!ご飯だけじゃなかったんだ!」

いただきまーすと元気よく言ってから、次々と口に放り込んでいく

泣きながら食べている

我と違って転生してから味覚があったのであろうな


アルカも席に着いた坊主マッチョも食べて目を剝いている

「イオラちゃん・・・・・これ、本当にあなたが作ったの?」

「この目で見てても信じられん・・・見たこともない作り方だった・・・」


「イオラ!とんかつおかわり!」

「はいはい、ちょっと待ってねー」

我は追加のとんかつを出してやる


「ご飯はどうする?カツオの漬けを作ってるから漬け丼にする?」

「する―!」

キヨネに漬け丼を出してやり、アルカと坊主マッチョにも出してやる

この二人も結構食べているはずだが、まだ食べれるようである





たっぷり時間をかけて食事をするキヨネ

「おいしかったー」

「うん、お粗末様」

「いやほんとにイオラちゃんって何者?女として完敗だわ・・・・」

アルカが打ちひしがれている横でキヨネが泣いている


「どうかしたのキヨネ?」

「イオラいなくなったら、美味しいごはんが食べれない・・・」

相当食事でつらい思いをしたのであろう


「あなたもやることがあるんでしょ?ケンプファーからこっちに来る間に開拓村があるのだけど、そこのエクスかテスタロッサに声を掛けなさい。悪いようにはしないわ」

「うん。うん・・・わかった」


「嬢ちゃん、その開拓村ってのは・・・・」

「カンプファン卿が作っている村よ」

「その村って、イオラちゃんの料理が食べれるの?」

「どーかしらね、今後次第かしら?」


「私も拠点にするつもりだから、会える確率は増えるわよ?」

「わかった!絶対行く!」

「まあ死なない程度に頑張りなさい」

「絶対行くから、ごはんまた食べさせて!」

そのお願いに了承してやるとニコニコして宿を出ていった


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