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共闘

我は深夜に窓から出かける

噂できいた北地区へ向かうためである

(仮称)エアーライフルは圧縮ポンプを作動させた状態で魔法鞄に入れている

取り出して直ぐに魔力供給すれば即発砲できる


酒場で聞いた噂のうち”蛇の魔物”と”悲劇の部隊”は無視していい

内容は知っているというより関係者である


北地区・・・貧困層が多いとのことだけど・・・

低い建物、小屋?が立ち並び密集している

高い建物・・・教会の鐘が付いている箇所、鐘楼であったか?が一番高いか

我はそこに陣取って周囲を観察する


昨日は魔力で視ていたが蛇の攻撃で一瞬見えなくなったであるからな

暗視装置を付けた兵士が閃光弾で目が見えなくなるって映画なんかで見たことがあろ?

あれと同じであるな

今日は夜目で見ることにする

月も出ているので何とかなるであろ


鐘楼は四方が見渡せるので案外良いかもしれない

しばし観察

そもそも毎晩出ているとは限らないので焦らず待つのである





時刻にして午前2時くらいであろうか

小屋の屋根に立つ人影が見えたのである


小柄で長髪の人影・・・ドワーフには見えん

体はふんわりしているがアレはゆったりした服のせいであろう

どうやら蛇も老人を探しているようであるな

こちらに気づいた気配もなし・・・・


蛇にはピット器官とヤコブソン器官とかいう能力があったので熱と匂いを誤魔化したいのである

魔法を使えば魔力でバレる気がするしなー

幸い鐘楼には隠れることができる高さの柵があるので隠れながら観察であるな

髪の房の先から複眼で蛇を追う


?ヘビに動きがあった

北の方をみて、そちらに走っていく

ブラックサンタを見つけたのか?

我は極力、魔力を使わないように蛇の後を追っていくことにする




ある程度近づいたころ、剣戟の音が響いてきた

我はスピードを落とし隠れながら様子を見る


「はっはは、いい加減に観念しな!爺ぃ!」

叫びながら剣を投げつけている蛇

「ふん!ちったぁ年寄りをいたわれ!」

真っ黒な服をきたドワーフが斧で飛んできた剣を弾いている


「っち!ドワーフのくせに素早い!」

「いつからドワーフが鈍足だと勘違いしていた?」

責める蛇に、躱すブラックサンタ

一進一退の攻防であるが、蛇の動きが鈍くなってきている


「どうした、小娘。この程度か!」

一瞬の隙を疲れ殴られる蛇

我と反対側へ飛ばされ小屋を破壊して止まる


「かかっ!小娘も我が魔力の糧にしてやろう!」

なかなか動けない蛇がブラックサンタを睨んでいる


ん?息が白い?

ひょっとして辺りの気温が下がっているのか?

それで蛇の動きが遅くなった?


ブラックサンタが袋の口をひろげ、蛇の頭を持ち上げた

我は即座にエアライフルを撃ちだす

狙うはブラックサンタの頭!


しかし狙いは外れて右肩に当たる

傷口を抑えるブラックサンタ

貫通したようで赤黒い血が前後に滴り落ちている


我は急ぎ第二射を撃つが完全に躱されてしまった

此方を睨むブラックサンタ

ゆっくりとした足取りで迫ってくる


「見たこともない武器じゃな・・・・剣でもない・・・魔杖でもない・・・・それは、なんじゃ?」

目を血走らせている

「儂は、この世界最高の武器職人じゃ・・・・・儂が知らない武器は・・あってはならない・・」

「はん!発想の乏しいお爺ちゃんじゃ理解できないでしょうね!」

我は3射目を撃つ!

今度は左目に命中。凄まじい悲鳴を上げるブラックサンタ


残った右目で我を睨みさらに迫る

「その、武器を・・・・寄越せぇぇぇぇ!!」

走りだそうとしたブラックサンタの胸から赤い剣が生えた

血を吐くブラックサンタが後ろを向くと蛇が立ち上がっていた


「・・・此処までか・・・・・・今日のところは引き上げてやる・・・・・・」

そうつぶやくと闇に溶けるように消えていった

奴は本当にドワーフであるか?




「それで。あんたは何者?」

気温が戻ってきたので蛇も動きやすくなったのであろう

「ピンチを助けたんだからお礼ぐらい言ってほしいわね。あんたこそ何者よ」


「それもそうね、私は”清音”。いまは領主の所で厄介になってるわ」

「私はイオラ。ケンプファーを拠点としている”なんでも屋”よ」

「ふーん・・・それで、その武器はケンプファーで売ってるの?」

「いいえ、私が作ったの。それで貴女は何故あのドワーフと戦ってたの?」

「うーん・・・・命令だから?」

「領主の?」

「もっと上からよ。貴女こそ何であの爺を狙ったの?」

どうやら警戒しているようであるな


「人相悪かったから?・・・まぁ冗談として、依頼を受けたからよ。ペールデンテで行方が分からなくなった友人を捜してくれってね」

「それで噂を追って来たってこと?」


「それじゃぁね。私はあのドワーフを追うから」

我はそう言って屋根に乗り走り去る

後ろから撃たれるかと思ったがそれは無かったようでなによりである




ブラックサンタの落とした血をたどって追っていく

血は外壁に向かって続いていき、ついには外壁にたどり着いてしまった

ここを飛び越えて出たのだろうか

高さは5m位なので飛び越えることはできそうである


哨戒が居ないか確認し壁上へ飛び上がる

間隔が少し空いているが血の跡は続いている

真っすぐ北の山へ向かっているようであるな

このまま行くか・・・・追ってきている蛇をどうするか・・・・


外壁の外は10mも行くと森の中である

蟲が徘徊する森の中を夜中に行くのもなぁ


我が森の前で立っていると後ろから蛇が追い付いてきた

「もう進まないの?」

ひょっとしたら夜目がきかないのであろうか

ピット器官で我の熱をおっていた?


「この辺りの森は、蟲の巣になってるの。あまり夜中に入りたくはないわ」

それを聞いて鼻の上に皺を寄せる蛇

「うへぇ、虫かぁー・・・・ちなみにどんな奴かわかる?」

「糞でかいムカデに芋虫、バッタに蜂にトンボより選り取りみどりね」

「ムカデかぁ、尚更行きたくないね」

こいつもムカデが苦手なのか?


「キヨネはムカデが嫌いなの」

「うえっ?イオラは大丈夫なの?あれってキモいじゃん。あっライフルで狙い撃つんだ!」

決まりであるな

こやつ前世持ちである


「・・・・・キヨネ、あなた”も”前世の記憶があるの?」

我はあえて”も”を強調して伝える

「・・・・・・・・・・・・何で、そう思うの?前世ってあると思う?」

少し警戒したであるな


「私の武器を”ライフル”といったからよ。私はこの武器の名前を一回も言っていない」

どうやら自分の失言に気が付いたらしい

ため息をついて肯定した


「そう、私だけじゃなかったみたいね。キヨネ、良かったら情報交換しない?」

「え・・・・?あなたも前世の記憶があるの?」

「これも記憶をもとに試行錯誤して作った物よ」

我は(仮称)エアーライフルを指して言う


「え?これ、圧縮タンク?ってことはエアーガンなんだコレ」

蛇はしきりに感心している

警戒は解いた様であるな


「まぁ今日の所は引き上げて出直しね。貴女はどうする?」

「はぁ、私もムカデの中行きたくないから帰るわ。おなかも空いたしね」

腹に手を当てて呻く蛇

「じゃあ、少ないけどコレあげるわ」

我は魔法鞄から『兎の唐揚げ』『フライドポテト』『ポテトチップス』を皿ごと渡す


蛇は皿の料理にくぎ付けだ

「ケンプファーは唐揚げあるんだ・・・フライドポテトもチップスも・・・・」

涎をたらさんばかりの蛇に箸を渡してやる

「ないわよ。私が作ったの」


その場に座り泣きながら食べる蛇

足りなくなったらドンドン追加してやる

料理はいくつかストックしてあるので問題ない


涙を流しながらも満面の笑みで頬張る蛇をみていたら戦意が喪失するである

「ありがとう!イオラ!!前世の料理を久しぶりに食べた!イオラって料理が出来るんだな!」

「少しは満足できた?味噌も醤油も米もないから和食は無理だけどね」


蛇は少し寂しそうな顔をして頷いた

「うん。それはしょうがないと思う。この世界は多分、中世ヨーロッパっぽいから下手したら胡椒もないかもしれない」

「やっぱり?見る限りそんな時代よね。私の周辺では街くらいしか情報がなくって国や他国の情報が無いんだよね」

少し雑談を交えながら情報交換をして蛇と別れた

散々、一緒に来て料理を作ってくれって言われたけどな

次に会う時に別の料理を持ってくるってことで納得してもらったのである


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