空銃
「エクスさん!いた!!」
我がギルドで朝食を食べていたらメッツが飛び込んできた
「おはよう、メッツ。一緒に朝食でも食べるかい?」
「お早うございます。ご依頼いただいたものが出来ましたので確認いただきたいと思いまして」
圧縮ポンプが完成したとな?
「それはいいね。確認させてもらうよ」
「では二人を呼んできますので、こちらでお待ちください」
いそいでメッツは駆け出して行った
元気なことである
我は食事を頂いたあと個室を借りて待つことに
ノックがあり入室を許可する
「お待たせしましたエクスさん!これがご依頼の品です!」
出されたのは上下に円柱のタンクを付け中心を固定した部品からパイプが伸びており
上部タンクの後ろ側に円盤型の部品が左右に並んで付いている
パイプが付いている反対側は魔力伝達用部品が付いている
うーむ・・・良いのではないか?
ギラ・〇ーガのバックパックみたいである
「タンクを二つに分け圧力低下を防ぎます。その分重量が増しますが・・・」
「それと此方をご確認ください。エクスさんから渡された物を研究して作ってみました」
「空気充填率、連射速度など考えて作りました」
ほう
あのライフル擬きを発展したであるか?
やるであるな
我は(仮称)エアライフルを手に取り細部の確認をする
ホースの接手部分、グリップ、トリガー、ロック機構
弾倉部分に魔法陣が刻まれているのは弾丸生成するのか?
「メッツ、この魔法陣での生成速度はどのくらいなんだ?」
「一目でわかりますか。普通の者でしたら10分で1発出来ればよいでしょうね。もっとも2発目を作る魔力もなくなるでしょうが」
「すいません。そちらは専門外でして如何しても改善できませんでした」
「いや、不良品の出来損ないと思わせる方が良いだろう。下手に武器商人に流れでもしたら大ごとになりそうだ」
「「「では・・・・」」」
「よくやってくれた。圧縮ポンプ開発は以上をもって終了。資料は破棄する。これはお前たちの命を守るためにも必要な処置であるから、厳守してくれ」
「「「わかりました」」」
彼らは直ぐに自宅へ帰ろうとしたので『猫の手亭』で打ち上げするから来るように伝えておく
一人になった我は(仮称)エアライフルを魔法鞄に入れ受付へ依頼完了報告の処理をする
これであの3人も報酬をうけれるだろう
さて『猫の手亭』である
『パーティやろうぜ‼』などとガン〇ッドに乗ったブルッ〇リンのように親父に告げる
親父は黙って親指を立て了承
前回教えた餃子とフライドポテトは定番メニューとなり好評らしい
不〇子ちゃんは表に『本日貸し切り』の看板を出している
「今日は何か作るか?この前のギョーザとフライカトフェが好評だからな。ほかにもあれば是非教えてほしい」
うーん・・・酒のツマミ・・・
唐揚げ、枝豆・・・チヂミもいいであるな
アンチョビポテトにナムル・・・豚足も捨てがたい
「そうだな。少し市場を覗いてくるよ」
我はそう言って宿を出て市場へ向かった
市場へ来た者の南の漁村から鮮魚は日数的に厳しい
魚介なら干した物になるか
肉はわりかし豊富。狼、兎、鳥。量もある
そういえばタリバーの肉残ってたっけ・・・あー足取っとけばよかったであるな
野菜もいろいろあるが猫の手亭の裏でも育てているだろう
悩んだ末、購入したのは
干し川海老、魚の干物数枚、鶏肉、兎肉
こんなもんであるな
飛べば新しく捕ってこれるが親父は店のレシピを増やしたいだろうからな
この街で手に入るもので考えねば
『猫の手亭』へ戻り料理の準備をする
脂はフライドポテトが定番のため十分にあるのでフライ系は大丈夫であろ?
裏の畑からピーマンを用意してもらう。日本に比べ調味料が少ないので満足いくものができるかどうか・・・・
干し川海老を戻してからピーマンと混ぜて炒める
戻し汁だけでは味が足らないので塩で調整
これで一品
鳥と兎肉を一口大にカットして酒と塩に漬け込み良く揉み込む
小麦粉を塗したら脂へ入れて泡が出なくなったら肉を上げて余熱で火を通す
これで二品
魚の干物を軽く戻し手ごろな大きさにカット
卵を付けてから砕いたパン粉を塗して脂へ投入
揚がったらこれで三品
芋があるので洗って皮のまま薄切りに
流石に親父は上手いな、包丁を横にしてアッと言い間にスライスになった
それも脂へ入れる
ポテトチップスで四品目
後は親父がいろいろと作ってくれているので料理は十分揃ったであろ
レシピ?
好きに使っていいである
厨房から出ると既に三人とも集まっていた
何故かアメリーとウィレンスタークもいたが・・・君たちシフトは大丈夫なのか?
我は別に構わんが
暫く飲んでいるとグランツも帰ってきたので飲ませて潰す
コイツもお疲れだからな
「それでエクスさん!次は何を作りましょうか?」
「ん-これと言ってないな―」
エアガンが出来たであるからな
「え・・・私たちお払い箱ですか?」
「いや?好きに研究していいよ?回転する魔道具ってすごく便利でね、応用が効くんだよ。そういえば特許ってあるのか?」
グランツに聞いたが既に潰れているため返事がない
「商業ギルドで取り扱っているはずです。エクスさんが後見するなら間違いなく通りますよ?」
ウィレンスタークが答えてくれた。何気にザルであるな、顔色も変わってないし
「うん。なら三人はあの回転する魔道具を特許登録してきて?ウィレンスタークさんはサポートお願いしていい?必要なら指名依頼するよ?」
「あーたーしもーする――」起きていたのかアメリー。こっちは回っているようであるが
「はいはい、じゃあ二人に指名依頼します。メッツ、テスタルド、アイネの開発した回転式魔道具と構造、魔法に関する全てと魔力伝達パイプなど部品全てをそれぞれに特許登録をしてくれ。費用はこちらで出すので請求を頼む」
「私たちの報酬は後で相談ですね。アメリーがこの調子ですので」
「あの、エクスさん・・・私たちに特許というのは?」
「ああ、これから作る魔道具に回転機能が付いたものは全て特許料が掛かるから不労所得になるよって話。あと俺が後見人てことは3人に何かあったら俺に喧嘩売ってるの?って脅しが使えるよ」
「5属性持ちに喧嘩は売りたくありませんよね、誰も」
「あのトゥレライトの複合魔法を受けても無傷だったそうですしね・・・・」
そうして夜は更けていった
朝になりギルドへ行く
受付にはアスシオンとエトゥーディーが座っている
「お早うございますエクスさん。今日は依頼を受けられますか?」
「おはようエトゥーディー、依頼って何かあるのかな?」
A級があまり安い仕事を受けてはならないらしい
下の者が出来る仕事を取るなと言うことだ
「例の観測があるぞ」
山賊顔のグランツが出てきた「昨日は馳走になった」と言っているから記憶はあるんだろう
「本来は寝るのが一番いいんだろうがな、後任がまだ決まらんのだろう?」
ケンプファーはトゥレライトが資格剥奪の為ギルマスが不在になっている
その分の仕事がサブマスのグランツに回っているようである
「観測はどうする?観測所設営の方がいいか?」
「それで思い出した。ペールデンテでも1小隊、観測に向かっているらしいぞ?」
それの報告をするの忘れてたわ
「そうなのか?あのケチ野郎が出したな、明日はドラゴンの小便でも振るんじゃないか?」
ナール騎士爵はケチらしい
「確かにケチかもな、そいつら支援も補給もできずに困ってたからな」
「・・・は?」
驚愕で動きが止まるグランツ
ワークルエ隊の現状を教えて、ペールデンテギルドがどう動くかであるな
などと話していたら5人の男女がギルドに入ってきた
「あ!エクスさん、ご依頼の件完了しました。おそらく登録されると思いますよ」
「相変わらず商業ギルドの連中は、いけ好かないわ。『こんなの登録しても金の無駄遣いですよ』ですって!」
「まぁ、以前から言われていましたからね。でも僕たちにはエクスさんがいますから」
「そうそう」
「以前言われていた事でも、気にならなくなったからな」
「お疲れ様、それじゃ登録申請が出るまでお休みだね。その間の研究も一時止めておいて。君たちの有益性に気が付いた輩が妨害するかもだからね」
「だいたい10日くらいですね」ウィレンスタークが答える
「さて、メッツ、テスタルド、アイネ。君たちに今一度確認したい」
我は背筋を伸ばし3人と正面を向いて話しかける
「この申請が通れば使用料という名目で金が入ってくるが、田舎へ引っ越す気はあるか?それとも街で再起を掛けるか。どうしたいかを教えてくれ」
3人は顔を一瞬見合わせて即答してきた
「街に「「残ります!」」」
「了解した、3人とも今後もよろしく頼む」
「「「こちらこそお願いします!」」」
我は3人と握手し、10日後に会うことにした
うーん我、こんなキャラじゃなかったんであるが・・・・
「グランツ、オークションの申し込みは未だ可能か?」
「月1で開催しているから問題ない。申し込む締め切りは・・・3日後だな。オークションは月初めにこの街で行われる。何を出すつもりだ?」
「前に回収した分全部だ」
「マジか・・・そりゃ、こちらは助かるが・・・なんせ前回、出品取り下げになったときのクレームが凄かったからな」
「そりゃトゥレライトが悪い。信用以前の問題だからな」
ラングシュワートティーガーの犬歯(2本)、毛皮、骨、爪(20本)、目(2個)
ド―ナーヘルシュの角(一対)、毛皮、骨、目(2個)
をギルドへ預ける。魔石は今回パスする
オークション自体は中央広場で行うそうだ
また支援物資でも集めてこようかね




