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回想

我はイオラの恰好で上空600メートル推定の高度で飛んでいる

本日はやや曇りの為、地上も少し見ずらい


なぜ空を飛んでいるのかというと昨晩の宴のあとグランツからギルド長が会いたがっている事を聞いたので朝一でギルドまで行ったのだ

他の奴ら?知らん。今頃は二日酔いにでもなっているのではないか?






受付に話してギルド長室に行ってみれば、他に二人の男が居た

この地域の領主、メンシン=カンプファン。

それに天神教大司教、ライヒ=グロヴィカイト。

ここにギルド長であるトゥレライトが一つのテーブルを囲み顔を突き合わせている

正直むさくるしいのだが・・・・


「きたかエクス」

ギルド長が声を掛けたので領主と大司教もこちらを見てきた

「グランツから話を聞いたのだが、何かあったのかな?」


苦虫をかみつぶした顔をしたギルド長が言うには、教会から支払われた額が大きすぎたので確認をしたところ使徒の話につながったと。

これは領だけでなく国にも関係することではないかと思い、領主も呼んで大司教から詳しく話を聞いていたそうだ

そこに我が登場したと


「ライヒ大司教様も人が悪い。そういった大事業であればギルドに声を掛けて頂ければ対応しましたものを」愚痴るギルド長

「いやいや、神託があったとはいえ一教会に肩入れするわけにはいかないでしょうから」信用するかボケという教会

「どうして俺が呼ばれたのかが解らんな。三文芝居を見せるだけに呼ばれたのか?」

少し殺気を込めて言ってみる


「いやいや、そうではない。儂らギルドも協力できないかと言っておるのだ。君も一人ではカバーしきれまい?」

日頃けち臭い教会が高額の報酬をだしたので、調べてみたら自分たちでも出来るんじゃないかと欲を出してきたんだな

「ふーん・・・・何が出来ると?金をせびるだけか?金魚のフンのように後ろを付いてくるだけか?あれこれ教えろと強請るのか?」

これにはギルド長も顔をしかめる

大司教は御満悦の顔だ。こいつら仲悪いのか?


「まず重要なのは依頼人である教会の意向を確認したのか?断られたから俺に協力体制を取れなど言うつもりではなかろうな?まぁそのような事を言うのは、クズで寄生虫以下の糞な汚物だろうからギルド長になった人間が言うはずないだろうがな」

男三人が黙ってしまう


「で、用件は?話がないなら、森へ行きたいのだがね」

再度、殺気を込めて言ってやる


「・・・アフェットゥオーソでは、教会の僧兵はハーピーに手も足も出なかったと聞いている!だが狩人ギルドなら・・・・・」

「依頼が来るまで動きもしなかったな。商人の護衛で雇われていた者たちも逃げ帰っていたが?」

ぐうと唸るギルド長。本当にぐぅの音が出たよ


「しかし君は倒して見せたし、報酬も払われたハズだ!」

「さんざん準備したからな。それと報酬はカーツが交渉した結果だし狩人ギルドの負担は1/4だったな」

それを聞いた大司教が怒り始めた


「なんですと?トゥレライト!あなたの話では狩人ギルドは相当な負担を担ったと言っていたではないか!エクス殿。失礼だが当時の報酬額を聞いても宜しいでしょうか」

ギルド長は言う必要は無いなど喚いているが正直に話してやろう

「領主カンプファン卿から金貨10枚、商業ギルドから金貨5枚、狩人ギルドから金貨5枚。ただし職員のラディッツに言われてから動いたがな」

これには領主も大司教も呆れ顔だ


「それで用件は何だと聞いたんだがな」

「ぐぅ・・・それは・・・・その使徒対策にギルドも咬ませて貰えたらと・・・・」

もごもごと言い始めた


「だから何が出来るのかと聞いているだろう?出来ることを言えよ」

「そ!そういえば、アフェットゥオーソから君についていったパーティが未帰還だったぞ!彼らの行方を知らんか?」

何か、ひらめいた!って顔してる


「誰のことだ?狩人の未帰還がどうかしたのか?」

「・・・彼らは『金の鳥』というパーティで剣士2名、弓士、盾士、罠士各1名の5人パーティじゃ。君を追って街を出てそれきり戻っておらん。実は彼らがハーピーを倒したんじゃないのか?むしろ一人で魔物狩りが出来るのかのう?」

なにを言ってるんだ、この爺


「そこ迄言うなら証拠があるんだろうな。死体でも見つかったか?俺がそいつらを斬るところを見た奴でもいたか?狩人ギルドは意に添わぬ者を貶めるのかね?」

「そ・・・それは・・・これから見つかるかもしれんではないか・・・」

しどろもどろで答えるギルド長


「つまり証拠がないにも関わらず俺を貶めようとしたのだな?俺がハーピーだけでなくタリバー、ラングシュワートティーガー、ド―ナーヘルシュもソロで狩っていることを忘れていないか?」

ギルド長は今気づいた様である。ボケボケであるな


「非常に遺憾だな。オークション予定にしていた素材を全て返していただこう。また預金は全額下させてもらう」

我はドアを開け、受付嬢に声が聞こえるよう大声で呼び寄せた

飛んでくるように駆けてきたのは銀髪のエトゥーディー

オークションに出す予定だった物全てと預金全てを直ぐに持ってくるように指示した

我の剣幕に驚いたのか顔を青くして立ち去っていく


次に飛んできたのはグランツであった

ギルド長に何やら耳打ちしている

「あー・・・エクス君・・・スマンが預金を下ろすのは止めてもらえんか?その・・ギルドの予算がな?」

もごもごと言い訳する爺

「断る!すぐに全額用意してもらおうか!銭貨1枚の不足も認めない」

この態度に話を聞いていなかったグランツが慌てる


「ギルド長!あんた、一体なにしたんですか!」

グランツに大まかな流れを教えてやると顔を青くした

「この大馬鹿野郎が!てめぇ、欲を出してギルドを潰す気か!!そもそも未帰還パーティなんざ他にも居るだろうが!それを寄りによってエクスが殺人で手柄を横取りしただと?ふざけるのも大概にしろよ!」

本気で怒っている

コイツも前は決めつけて掛ってきたのだがな。丸くなったものである


「グランツ!貴様、上司である儂に向かって・・・」

「馬鹿を馬鹿と言って何が悪い!!耄碌ジジイはとっとと隠居してしまえ!!」

この二人、結構声がでかいんだよな

むしろグランツは態と言ってないか?ドアの前で聞き耳立ててる職員がいるし


「二人とも止めんか!御領主の前であるぞ!!」

大司教が二人を止める

「エクス殿も少し鉾を納めてほしい」

こっちにも飛び火した

「ふむ。大司教の顔を立てましょう。グランツ、預金は後でいい。素材を揃えてくれ」

グランツは解ったと一言いって部屋を出て行ってしまった


「トゥレライトよ、今の発言は看過できんぞ?証拠、証人、証言。何もないのに殺人し手柄を横取りしたと言われれば怒りもしよう。エクス君は本当にそのパーティを知らんのか?」

「『金の鳥』だったか?知らんが、一度5人組についてこられたことが合ったな。すぐに振り切ったけど』

「5人組に会ったのだね?その者たちは名乗らなかったのかな」

「何時まで付いてくる気か聞いたら、ハーピー退治のオコボレが欲しいと言ったので足手纏いは要らないと断ったぞ?それでもついて来ようとしたから、面倒になって振り切った」

「だそうだよ、トゥレライト。むしろ寄生しようとしていたパーティだったようだね」

領主の声が冷たくなっていく


ギルド長も大司教も何も言わない

暫くするとドアからノックの音がしたので領主が返事をする

失礼しますと入ってきたのはグランツであった

「お話し中失礼します。エクス、素材の準備は出来たが此方に運んでも良いか?」

了承し部屋内に運んでもらう

領主や大司教の目の前で返却されればグランツが疑われることが無いであろう

「オークション予定だった品、ラングシュワートティーガーの犬歯二本、毛皮、骨各位、爪20本、目2個、魔石1個。ド―ナーヘルシュの角一対、毛皮、骨各位、目2個。別途預かっていた魔石4個。以上です。骨に関しては一揃いにして専用の入れ物で封印しています。ご確認ください」

「了解した。帰りに荷車に乗せてもらいたいので職員に通達を頼む。それと持ってきた職員と箱に出す職員を控えておいてくれ」

まあ察しのいいグランツの事だ上手いことやってくれるだろう


「すごいな・・・コレをソロで倒したのか・・・・」

「それで領主様?何がしたかったんですか?」

我、ここにきて罵倒されてから荷物引き取っただけであるよ?

「ふむ。トゥレライトは業務過多で疲れが出たのか長期療養が「御領主!!私は!!」長期療養が必要でな?天神教教会から聞いた話の確認をしたかったのだよ。使徒についての話をね。民の命に関わることだから迅速に動かないといけないからね」

漁村では村人全員助からなかったしな

ハーピーはたまたま被害が出る前に倒したようなもんである


場所を変え庁舎の会議室である

領主、大司教と我の3人で話を進める

「つまり何か?神々同士の戦いがあり、地上が戦場となると。はぁ、そういうのは天上界でしてくれれば良いものを・・・・」

「そこで一早く神託を下されたコーカフィエル様により我々天神教が情報を集め、うまくすれば使徒の足止めをする予定でした。しかし我々も荒事は苦手です。そこで信用でき、腕も経つ者を現地の判断で協力していただけるようお願いしている次第です」

「ふむ、それでエクス君何だね?しかし報酬額が相当高いようだが・・・」


「なにをおしゃるんですか、命がけで使徒を倒したのに金でしか感謝を伝えられない。せめてこれ位はしなければ!本来ならば”南の亜人”を討伐したイオラという少女も探しているのですが一向に見つかりません。相打ちになったのではなど言われておりますが・・・」

「イオラという少女は報告で見ておるな。ベレーナの捕物でも報告が上がっておったから、相打ちでは無いであろうな。」

イオラちゃんは有名であるな


「今回の”渓谷の獣”が討伐され判明しているのが”北の沼の蛇”と”ペールデンテの亜人”」

「残るは”人形””獣”そして”人”ですな」

「天神教は美しい黄金龍が使徒でしたね。ペールデンテには司祭のロート殿が行っているとか」

天神教のドラゴンも標的である


「うむ、コレは天神教の恥になるのですがアフェットゥオーソの大司教の収賄が発覚しまして破門されたのです。ロートにはその後釜として推薦したためペールデンテには別の者を送る予定なのです」

ほう、ロートが出世するのであるな


「では”蛇”ですが、現在は沼から上陸しペールデンテに向かっています。ただ動きが遅いため、ほぼ進んでいない状況ですね」

その情報は知らなかったらしい

二人とも目を向いて吃驚している


「エクス殿・・・その情報は何処から・・・」

「ん?北の森で虎と鹿を狩ったときだけど?」


それからはバタバタと話が決まり、”蛇”の偵察を交代で行うこととなった

最初に偵察に行くのは我で、そのあと教会、衛兵と続くらしい

1往復に5日かかるので大変であろうなー

我、飛べるから問題ないしー







そういう訳で長い回想は終わりである

いつの間にやら森を飛び越えている

眼下には小山が見えた。

前回から動いていないんじゃないだろうか


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