宴
ぶっちゃけ、餃子は大盛況であった
そもそも手間がかかる料理であるし『蒸す』料理を知らなかったようなのである
ニンニク擬きが入っているので好みが解れるかと思ったが、女性陣からも好評であった
むしろエールに合うとのことで全員、杯が進んでいる様だ
メッツ、テスタルド、アイネに至っては泣きながら飲んでいる
アメリー、ウィレンスターク、グランツのギルド組は話もせずに食べている。ある意味たくましい
筋肉親父、不〇子ちゃん、グランツの妹っ子の宿屋組はあーでもないこーでもないと言いながら料理の分析をしている
我は親父の作ってくれた料理を食べながらワインを飲んでいる
骨付きの豚肉。塩漬けの肉とセロリやニンジン、玉ねぎ、ニンニクを一緒に時間をかけて煮込み、覚ました物
アイスバインみたいな物であるな
それにキャベツの塩漬け、ぶっといソーセージが入った野菜ゴロゴロスープ、グリルされた鶏肉、カットされた果物類
自家製の野菜を使ったサラダも実に美味い
食事が美味いのは人型となったメリットであるな
この形状であれば味が解るのだ
舌があるから?
「エクス。お前は何処でこの料理を覚えたのだ?もし他に知っていれば教えてもらえないだろうか。出来る限り金を払わせてもらうが」
「まぁ昔な。料理はいくつか知っているが、新しいかどうかは解らんぞ?」
我は席を立ってキッチンへ親父と共に入る
「今日の宿泊客はエクスだけだからな。キッチンは使ってもらって構わない」
客はいなくてもギルド職員は泊まるんであろうな・・・
「芋が多いな。これで作るか?」
「カトフェか。年に3回くらい収穫できる作物だからな。この国の主食だな。小麦も買えない者たちでもカトフェなら買えるからな」
そうか、小麦も買えない者もいるのか
いつの、どこの世界でもそういったことは無くならんのであろうな
「どんなものでも腹いっぱい食べる事ができたら幸せになるだろ?腹が減ってたら悪い考えばっかりして不幸になっていくからな」
「・・・・そうだな、エクスの言う通りだ。人間、腹いっぱい食べれたら笑顔になるからな」
「そういうこと。さらに美味ければ言うことなしだろ?」
会話をしながら準備を始める
親父は竈の火を強め深めの鍋を用意する
我は魔法で水球を作り、ジャガイモ(カトフォ)を放り込んでいく
水球の中は水流があるのでドンドン芋が洗われていく。洗濯機に芋を入れたようなもんであるな
親父はストックしてあった肉脂を鍋に入れて溶かしてもらっている
何を作るか、もうわかったであろ?
みんな大好きフライドポテトである
3回ほど水を入れ替えて洗った芋を火魔法と風魔法で乾かす
後は半分ほど、くし形にカットしていくとボウルに山のようになった
親父は油の温度を160~170にするよう指示をしていたので火加減を調整していた
小麦粉を芋にまぶしながら鍋にドンドンと投入していく
浮かび上がったら鍋から上げ塩を満遍なく振っていく
フォークを出し親父に食べさせてみる
匂いをたどったのか不〇子ちゃんもキッチンを覗いていたので手招きし味見してもらった
残りの芋であるが、薄くスライスしていく
我は魔法でスライスできるが親父は手作業でスライスしていく
ボウルに塩水を用意しスライスした芋を放り込んでいく
5分くらい経過したので水を入れ替え芋の滑りを取っていく
汚れた水はどんどん交換していく
水のよごれがなくなったので火魔法と風魔法で乾燥
それを親父に渡して揚げさせる
しばらく放置して固くなってきたら脂の温度を上げ、色の濃い者を取り出し油切網に乗せていく
揚がった物へ塩をふり、味見である
これも好評
揚がった物をテーブルに運んでもらう
「凄いなエクス、同じ工程なのに食べた感じが全然違う。カトフォがこんだけ美味くなれば皆よろこぶ」
親父は口角を上げ笑ったのであろうが、顔が厳ついので笑っているように見えない
後は塩味唐揚げは出来そうであるが、てんぷらは動物脂ではクドクなりそうであるな
ただ方法は教えてもよかろう
鳥肉のストックがあるとのことで唐揚げも作ってしまう
ニンニク、生姜をすり潰し塩をまぶした肉にも見込む。醤油や味噌がほしい
肉に小麦粉をまぶして油で揚げる
焦がさないよう、中まで火が通る様にするだけであるので親父も直ぐに調理できた
ある程度作ったのでテーブルに戻り料理を楽しんだ
集まった者たちは全員笑顔になっている
メッツ達3人は泣きながら食べているが、コレは嬉し泣きなので問題ない。むしろ飢えたことがあるから一層笑顔になれるだろう
「エクス。皆、笑顔になるのは良いものだな・・・・」
「親父さんなら街中、笑顔にできるさ。でかい息子もいるからな」
この日は全員、遅くまで飲み続けていた




