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我は今、ギルドの酒場にいる。大体昼くらい

昨晩の内に羊皮紙に部品の図面を書いておいたのだ

計算上は上手くいくと思われるのであるが、あとは精度の問題であろうな


そこに数人が酒場に入って来て、我のいるテーブルに近寄ってきた

「エクスさん!お待たせして申し訳ない!」

メッツである。

先日の回転魔道具?魔輪といったか?の製作者

一緒に居るのが、先日のメッツと同じような薄汚れた男女

「先に紹介させていただきます。彼がテスタルド、魔力伝道パイプを研究・作成してくれました。それと彼女がアイネ・フィファー。金属加工全般を任せています」


テスタルドという人間種はやせ型で目がでかいため、一層弱そうに見える

「初めまして、エクスという。魔力を伝道させる部品は良いな。弾力があって取り回しがしやすいし耐久力もありそうだ」

テスタルドと握手をし、次にアイネを見る


アイネ・フィファーは人間の子供かと思ったが、ハーフドワーフとのことで見た目が小中学生くらいの娘である

「初めまして、エクスという。あの回転部分の研磨は美しい仕上がりだった。可動部も実に精緻に作られていたな」

アイネとも握手をする


「とりあえず食事にしようじゃないか。みんな好きなのを注文してくれ」

テスタルドとアイネはメッツを横目でみて、頷いたので注文を始めた

「酒も飲めるなら注文してくれよ?」

笑いながら伝えてやると、アイネがエールを注文していた。やはりドワーフの習性なのだろうか


メッツに話を聞くと、この3人で依頼された物作りをしたいとのことだった

それならばと、テスタルドとアイネにも狩人ギルドの登録をしてもらおう


受付にはアスシオンとエトゥーディーが座っており二人の登録をしてもらった

アスシオンは大きくXと書かれた布で口を覆われているし、すこし涙目になっている。

コレは突っ込んだらいけないパターンであるな

見ない振りしておくである



二人の登録も無事終了したので、エトゥーディーに行って個室を貸してもらう

狩人ギルドは外部に聞かれたくない依頼などがあるため個室の準備もしているとギルマスのトゥレライトが言っていた

使用料は1回、銅貨20枚


個室の大きさは12畳くらいである。まぁ1パーティが使うなら、こんなもんであろ

我は中央に置いてある机に羊皮紙を置き、3人に見てもらう

「こういった物なのだが、どうだろうか?」

3人は食い入る様に図面を見ている


「いや、コレは凄いですよエクスさん。此処まで細かく書かれていれば形にしやすい」

「そうですね。どこになにを付けるのかが一目瞭然です」

「それに3方向から書いているのかい?作ったときの想像が付くのはいいね!」

3人とも好評の様である


「どれくらいの期間があれば出来るだろうか。あと必要な費用を言ってくれ」

3人は互いに顔を見合わせ打ち合わせに入った


「3・・いや2日ください。あと費用は銀貨50枚かかると思っていただければ・・・」

メッツが代表して言う

「では4日で。無理をすることではないよ。制作費用込みで金貨2枚で3人に指名依頼を出させてもらう」

「いいのですか?」

メッツだけでなく他の二人も不安そうな顔をしている

「そうですよ。私たちの研究はムダ金使いって揶揄されてたものですよ?それを金貨2枚?」

「そんな大金で宜しいんですか?」

あーこの二人も低い評価で自信を無くしてたのだな


「昨日メッツにも言ったんだがな”君たちのしてきた研究は文明を進歩させるだけの力がある”。私はそれを感じたので投資をするのだよ」

その言葉で滂沱の涙を流す3人。

ちとチョロすぎんか?


「費用が足りなければ言ってくれ。良いものを期待しているよ?」

我は受付に指名依頼を出しに退出した


指名依頼費用が別途に銅貨10枚必要だったので、金貨10枚、銀貨150枚を預金に入れておく

ハーピーの討伐報酬の残りであるな

アスシオンがまた何か言いたそうだったが無視するのである






依頼したものが出来るまでの間は魔物を狩ることに

北に行って最初に出たあたりの魔物を狙ってみることにする


ゆるゆると門に向かって歩んでいると教会の緑の人、グランに会った

コイツも名乗りは恥ずかしいとのことで、普通に挨拶してきた

「これはエクス殿、ちょうど良い所で会いました。しばし御時間を頂いて宜しいでしょうか」

急ぎの様は無いので了承する


何でもブラウに伝えていた内容(ハーピーが倒されたという内容)を天神教の使徒に問い合わせしたらしい

後日、神託があり”獣”の一体は滅びたとの事。”蛇”と”亜人”は健在であることが分かったそうだ


「それではロートは未だ戻ってきておらんのか。」

「いえ、それがですね・・・」

なんでもアフェットゥオーソの大司教達の不正が見つかったとかで大半の者が破門されたらしい

そこで今回、功績のあったロート司教がアフェットゥオーソの大司教に就任したのだと

代わりにブラウがペールデンテに向かい”蛇”と”亜人”に対処することになった

我への依頼はそのまま継続するらしい

「エクス殿には”獣”討伐の報酬を教会から支払わせていただきます。後ほどギルドでお受け取りください。では」


教会からも報奨金が出たようである

まぁ、もらえるもんはもらうのである




門を出て森へ向かう

周りに人の気配なし

我は”イオラ”に体を変化させ魔女の箒で移動する

ある程度は森の中を飛んで、完全に人目につかない場所に行ってから上空に上がる

このまま北へ飛べば、この世界に来た時に隠れていた洞穴にいける


本日の天候は晴天とはいかず、ところどころに綿のような雲が点在している

雲の上を飛ぶ用にしているのであるが、少し冷えてきたのである

我の体は水分が豊富なので凍らないか?少し衣類も購入した方が良いかもしれん

最初に回収した死体が持っていた袋から使えそうなマントを出して羽織る

穴が開いてるが、気にしない気にしない


雲の隙間から小山が見えるのだが、あれ動いてないか?

進行方向から右手にある池?の少し北側

少し気になったので旋回して小山に向かう


まさか、あの小山がハイドラであるか?

近づくことで全体の形が解ってきた。

一つの体に7つの頭。尻尾は1本の魔物

胴体は太く、日の光を反射して鱗がてらてらと光っているのである


うーん・・・一当てしてみるか?

よし!一撃入れて離脱してみるとしよう

我はハイドラの直上まで移動して急降下攻撃を試みるのである


魔法の具体的なイメージをしていく

初速度が遅いボール系ではなく貫通力も期待できるアロー系

火魔法を細く高温になるよう回転させ圧力を高めたものを左右に2本


我を挟んで青白く燃える槍が、左右に浮いて維持できている

現在の高度からハイドラに向け、ほぼ垂直に降下を始める

狙うは一番大きな胴体!大きすぎて遠近感が狂うわ!!


体感だが時速300キロくらい出ているのではなかろうか

視界が奴の体でいっぱいになったとき維持していた魔法を打ち出し、箒の先端を引き上げる

!!!!!ヤバ!!

ギリギリ奴の背中を躱し地面と水平飛行とすることができた。

その速度を維持しながら離脱する。結果の確認などしてる余裕はない

後ろの方で咆哮が上がったようなので当りはしたのであろう


速度も落とし始められたので、また高度を上げながら旋回しハイドラを視認する

奴の背から二本の煙が上がっているのが解る

見える範囲での戦果はゼロ

鱗の表面が焦げた程度である

魔法耐性が強いのかもしれんであるな


あ・・・こっちに気が付きやがった

口の中にエネルギーが溜まっていく・・・ブレスが此処まで届くのであるか?

7本同時にブレスを打ち出してきた!!

エネルギーが収束され射程が伸びてきている!!!

我は全速力で降下、地面すれすれを高速で離脱する

ブレスは雲を散らしながらも更に伸びていき空の彼方へ消えていった


我は近くの森に隠れて様子を見ていたのであるが

ハイドラはその場に蹲ってしまった

案外ダメージがあったのか?

奴からは3キロは離れているから、こちらには気づかないと思うが警戒して箒からは下りない


うーん失敗であったな

これで奴は上からの攻撃に警戒するだろう

さらに高高度からの攻撃をするか別の方法を考えねばいかんであるな

足止めできたと思えば良いか

気分を変えて、最初の洞窟辺りで狩をするのである






戦争後の残る草原を抜け森の中に入る

この辺りは街からも離れているので魔物も多いのではなかろうか

索敵を行いながらうろついてみる


見たことがない魔物の気配があるので、そちらへ行くことにする

お?こちらに気付いた様だ。こっちに向かっている

このままいくと直ぐに会敵しそうである


ガサリと草をかき分け出てきたのは薄茶色の虎。

大きさはエクスの身長を軽く超えているので見上げねばならない

しかも上の犬歯が伸びていて剣?刀みたいである・・・サーベルタイガー?


グルグルと唸りながら対峙する虎。我もすでに剣を抜いて構えている

奴の体が一瞬沈んだと思ったら、吹き飛ばされていた

どうやら体当たりをされたらしい

まぁ、我の魔核は次元潜宙で隔離しているのでダメージは無いのであるが


直ぐに立ち上がったが、奴はもう目の前で飛び掛かって来ていた

咄嗟にしゃがむ様に後ろへ転がり、上を飛び越える虎の腹をけり上げる

上手く跳ね上がり距離が取れたが、猫科特有のしなやかさで難なく着地


この虎、ハヤブサやハーピーより強いかもしれん。

というか戦いにくいだけであるか?


また沈むアクション

今度は横に飛び躱す!

虎はそのまま通り過ぎると距離を取ってこちらを向く


唸りながら間合いを詰めてくる虎

来た!沈むアクション!!

我は半身をずらし下から剣を振り切る

手に衝撃があったので切れたのだと思う


後ろを向くと数歩走り抜けた虎の首が飛んでいくのが見えた

使徒ではない普通の魔物であったが、この虎は強かった

我も危うく切られるところであったからな・・・

倒れた虎を魔法鞄に入れ後で吸収することにする



一息入れた後、もう一度索敵をかける

虎の反応のほか別の反応がある

次は別の奴に向かうことにする


気配を消しながら慎重に近づく

遠視のスキルで確認できた。どうやら鹿の様である


これも遠近感が狂うほどの大きさであるな

枝分かれした巨大な角をもち、ガタイもがっしりとしている

バ〇ビをみて『貧弱!貧弱ゥ!』とか煽りそうである


大体全高が4メートル近いとは、どうなっているのか。

鹿肉が大量にとれるではないか!

御馳走さまです!!


逃さないように慎重に近づく

あと100m・・・・・50m・・・・・・30m・・・・・

こっちを見た!

我は動くのをやめジッと待つ


鹿は体を完全にこっちに向けている。これは気づかれたであるな

我は出来るだけゆっくりと立ち上がる

あれ?鹿の角が何かスパークしてないか?


角の光が増しバチバチと音を立てているのが此処まで聞こえる

左右の角の間に稲光みたいなのが走っているのであるが・・・・不味くない?

鹿が頭をこちらに向け、四肢を広げて踏ん張っている

我は急ぎ横へ飛んだ


次の一瞬に轟音を立てながら光が走った!!

周りはぶすぶすと焦げ臭いにおいが立ち込めている

これは・・・・雷魔法?


我は急ぎ、鹿の周りに土魔法で槍を立ち上げる

臨時の檻変わりである

密着されていては身動きもとれまい!


鹿の真下から土槍を作り串刺しにした

しばらく暴れていたが段々おとなしくなり、動かなくなったので土槍を崩して死体を魔法鞄に入れた

この辺りの魔物はレベルが高いのか非常に苦戦したので集中力が切れてきた

我は最初に隠れていた洞穴へ一旦戻ることにした


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