手段
噂されている渓谷のハーピーは、おそらく使徒であろう
商人たちに話を聞いても、おそらく数や大きさしか解らんだろうな
どーしたもんかー
念のためケンプファーのロートへ手紙を送っておくか
我は羊皮紙に内容を書き、封書にして送ることにする
書いたものは狩人ギルドで配送してくれるだろう
我は我でハーピーを倒す方法を考えるのである
そもそもハーピー・・・ハルピュイアが正しかったか?
たしか、ギリシャ神話に出てくる半人半鳥の魔物であったと思う
顔から胸までは人間の女で翼と下半身が鳥の姿をしている
食欲旺盛で常に空腹のため、目にする食べ物を全て貪り残飯の上に汚物をまき散らす
悪臭を放ち、耳障りな声で騒ぎ立てる、不快感MAXな魔物
妖怪の以津真天や陰魔羅鬼もこの仲間かもしれん
女中に聞いた噂では弓矢も行かないとか。
では魔法であるか?
うーん・・・飛んでる相手を叩き落とす方法・・・
無くは無いのであるが・・・
明日は道具集めと出来たら鍛冶で武器作りであるな・・・・
そもそも炉が借りることができるかであるが
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そういうわけで夜が明けたので狩人ギルドへ来ているのである
ケンプファーのロートに手紙を届けるよう伝えた後、併設されている酒場へ向かう
女中に銀貨1枚を渡し
「腕のいい鍛冶師か、炉を貸してくれる場所を知らん?」
女中は呆れた顔をしている
「馬鹿だねぇ。素人に炉を貸す鍛冶師がいるもんかい。そもそもアンタ鍛冶が出来るのかい?」
「そりゃそうだ。炉を素人に触らせる鍛冶師はいないだろうな。でも、心当たりあるんだろう?」
にやりと笑う女中。ほんと此奴何者であるかな
「・・・・ちょっと待ってな・・・・ほれ!これもって行ってきな!」
食べ物が入ったバスケットと地図を渡された
「ウディッツからだと言いな!それで話位は聞いてくれるだろうさ」
我は礼を言って地図の場所へ向かう
そこは街の北側に位置し、更に路地奥へ入るようだ
余りガラの良くない場所の様である
地図を頼りにたどり着いたところが、半分廃墟と化している建物であった
入口へ行きドアノッカーを叩く
暫く待っても、誰も出てこない
留守かとも思ったが、誰かいる気配がするのである
再度、ドアノッカーで叩く
「ウディッツの使いだ!誰かいないのか!」
もう、ガンガンとね
「うるさい!何回も叩くな!!」
奥から怒鳴る声が聞こえる
「うるせぇ!!一回で出てこいや!!!」
我も怒鳴り返す
ドアを開けて出てきたのは小柄な老人
筋肉は衰え、眼窩はくぼんでいるが白いひげを腹まで伸ばしている
「ひょっとかして、ドワーフか?」
「それが如何した!文句あるか!!」
「それよりウディッツからだ。あと鍛冶できる炉があるのか?」
怪訝な目で見られたが、建物の中に入ることができた
爺さんはバスケットの中のワインとパンを見て食事を始める
「で?何が目的じゃい。ウディッツまで使うて、このおいぼれに何をさせたい」
我はあたりを見回した。
打ち捨てられた鉄くず、金床、水をためておく大きな盥。
そして冷え切った炉
「爺さん、元鍛冶師か?」
「ふん!なまくらも打てねぇ耄碌ジジイよ!鍛冶師など名乗れるか!」
「なら、この炉・・・使わせてもらえるか?」
素人に炉を貸す鍛冶師はいないが、元鍛冶師なら居た訳だ
結局として炉を使わせてもらえることになった
爺は勝手にしろ!といって奥の部屋へ行ってしまった
我は以前に死体と一緒に回収していた武器で壊れている物を取り出す
折れた剣など使い物にならないので此処で金属塊にしてしまう
炉に火を入れる・・・・薪も炭もないようだが・・・・
「爺さん、薪も炭もないのだが?」
奥の部屋の爺に声を掛ける
「鍛冶師でもないのに、そんなもん買うわけなかろうが!」
納得
我は南側の商業エリアに向かい薪と炭を購入。人気のないところで魔法鞄に収納した
序でに露店で肉串やパンなども買っていく
爺さんの所へ戻り、炉に火を入れる・・・前に少し点検
レンガを組み合わせた、単純な炉で横に送風用のフイゴが付いている
土魔法でレンガの補強で済んだが、フイゴは破れてしまっているので風魔法で代用するか
改めて炉に火を入れ風を送る
炭をいれ高温になったところで、折れた剣などを放り込む
反射炉と違い熱量が足りないので、溶かすのは無理そうである
いっそのこと火魔法を炉に入れてみるか
我は火の玉を維持したまま炉の中へ入れる
善き!
一気に炉内の温度が上がり、武器だったものが溶け始めている
もともとが溶鉱炉ではないので溶けた金属をどうやって取り出そうか
とりあえず炉の前に土魔法で型を作る
細い筒と幾つかの部品
炉の下部に魔法で穴をあけ、土魔法で強化したバケツで溶けた金属を受ける
あとは金属を型に流し込んで自然冷却するまで待つ
その間に商業エリアで買ってきた木材を大まかに加工しておく
十分に冷えたであろう頃合いに型を崩すと部品が転がり出てくる
我はそれぞれの部品をチェックしながら回収。予定通りの物が出来たのである
「爺さん!邪魔したな。」
いつの間にか後ろに立っていた爺に声を掛ける
「フン!鍛造もできんのか若造が!」
バスケットに置いておいた肉串とパンを食いながら文句を言ってくる
「時間が出来たら、打ちに来るさ」
さて、部品が作れたので組み立てるのである
我は宿の部屋にこもるのであった




