人鳥
あれから暫く立ったのでギルドへ顔を出した
受付嬢にギルドマスターのカーツが居るか確認し、情報の収集状況を確認しに来た旨を伝える
直ぐに会えるとのことなので、2階のギルド長室へ
ノックを3回
「あいてるぞ。入ってくれ」
我は無言で部屋に入る
「待たせたな。わかる限りの情報だが・・・その前に、そっちにでも座ってくれ」
前回のソファーを指されたので大人しく座る
「まず渓谷のハーピー共だが、ちょうど中央辺りに縄張りを作っているようで10匹ほど確認されている。交易商たちの被害も増えてきている様だ。これは領主のカンプファン様と向こうの領主との協議次第で出兵されるかが決まるだろう。」
ほむ
渓谷の先は別の領主であるから勝手に兵を出すわけにはいかないらしい
もし討伐できずに逃がして、隣の領に被害が出たら問題になるとのこと
「それと沼地の蛇だがな、数人の斥候を送ったんだが本体の発見は出来なかった。ただ何匹か生息していたようで、食い散らかした跡があったそうだ」
どこかに隠れでもしたであるか?
これは足取りを追っておくべきではなかろうか
「わかった。引き続き情報を集めてくれ」
「そりゃギルドの仕事でもあるから集めるけどよ、おまえさんに利益はあるのか?」
「正直、現物を見ないと何とも言えんな」
我は肩をすくめて部屋を出る
時刻は昼くらいである
序でなので、酒場で昼飯を食べることにする
カウンターに居るのは、恰幅の良い50代であろう女中さん
「昼飯と果実水を頼む」
「ランチは銅貨18枚だよ」
我は銅貨を30枚、女中に渡す
出てきた料理は、肉の煮込み。豚の角煮というより塩で煮たものであるか?
それにサラダに黒パン
肉体労働者向けでなおかつ、酒のツマミになるので塩気が効いているのであろう
塩辛い肉をパンと果実水で流し込む
昼の酒場は飲み客もおらず静かなもんで、女中がグラスを吹いている音が聞こえる位である
「いくつか聞きたいことがあるんだが、構わないか?」
我は女中に銀貨1枚を弾き声を掛ける
女中はこちらを見ずに銀貨を片手で受け取った。こいつノールックで取れるって、やっぱしヤリ手じゃね?
「なんでもは答えられないよ?」
手の中の銀貨を確かめながら答える
「簡単なことさ。渓谷のハーピーの事を噂してるやつらが居るだろ?その話を聞きたいのさ」
女中が聞いていた話を教えてもらう。
酒の入った狩人は口が軽くなっているだろうから、ギルド長よりこの女中の方が詳しいかもしれん
聞いた内容をまとめると
・ハーピーは10匹程度で襲ってくる
・ちょうど領境辺りで巣を作っているため、どちらからも衛兵を出すのに躊躇している
・糞尿をまき散らしながら襲ってくるため、追い返しても積み荷の食料などは使い物にならない
・糞尿は異常に臭く、匂いも取れないため積み荷に当たれば売り物にならない
・領間の交易に支障がでており、交易停止もありうる
・商業組合から討伐依頼が出されるかもしれない
・1匹だけ倍以上大きいハーピーが居る。やつがリーダーではないかと思われる
・弓矢などの飛び道具も一切効かなかった
などなど
この女中、優秀である
「ありがとよ。ついでに沼地の蛇も噂を集めといてくれ」
我は銀貨をもう一枚、女中に弾いておく
「まかせな。金払いの良い奴にはサービスしてやるよ」
カーツより頼りになるかもしれんな
我は宿に戻り部屋にこもることにする
うーん
何か手を考えねばなー




