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閑話 とある衛兵隊長の心境

草原を追われるが如く走る男達

息も絶え絶えとなり、ついに足を止める


「た・・・隊長・・・・あの子・・・置いてきちゃいましたよ!!」

「・・・・わかっとる!!言われなくとも、解っとるわ・・・」

俺は苦虫を噛みしめた顔をし、後ろを振り返ると

魔法が飛び交う漁村を見た


「俺は・・・・無力だ・・・・」

「隊長・・・それは、我々もです・・・」

一人だけ衛兵の恰好をしていない男、サンパシーが言う


「村に着いた時の違和感・・・村人は明らかに異常でした・・・」

後ろで吐いている若い兵士を見、あぁ村長の家にあるものを思い出したのだろうと思う


「本当に・・・あれは、人か?あのような所業を、人がするのか!」

怒りが込み上げてくるし、乱入してきた子供も気になる

隊長まで腕一本でのし上がってきた俺をの自信も、衛兵としての矜持も打ち砕かれた


あの魔法攻撃で上がる煙をみていると、確かに”邪魔”・・・足手纏いであったろう

俺にできる事・・・


「良し!皆、十分休んだな!!一刻も早くベレーナに戻り救援に駆けつけるのだ!!総員駆け足!」

一刻でも早く・・・




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「それを信用しろというのかね、ジーア隊長」

太り気味でちょび髭をはやした男、コンストン衛兵所長から問われる


「はっ!狩人ギルドのサンパシー殿に確認いただいても問題ありません!」

「しかしだね、漁村が反乱?戦力もなしに?どうして?」

この男は理屈ばかりで、まったく動こうとしない


「理由など!鎮圧してからでも宜しかろう!!今は一刻も早く兵を出すべきです!!!」

俺の言い方が気に障ったのか、顔を真っ赤にさせて怒鳴ってくる


「気に入らない!気に入らないよジーア隊長!兵の派遣を決めるのはこの私だ!!意見など不要!!」

まったくこの男は・・・このようなことをしている場合ではないと言いうのに・・・


「大体、衛兵が10人もいて子供一人に殿を任せて逃走だと?貴様は恥ずかしくないのか?あぁん?」

そんなもの、恥に決まっている!!

衛兵としての素養も疑われよう。

しかし恥と謗られようとも、町を!村を!そして足止めしてくれた、あの子の為にも兵を出させる!!


「私の恥など些細なことに過ぎません!!今は!一刻も早く!!兵を出し!!!鎮圧するべきです!!!」

俺の剣幕に押されているのか、一歩づつ後退していく衛兵所長


その時、扉が勢いよく開いた!

「ジーア隊長!」

飛び込んできたのは狩人ギルドのサンパシーである


俺らのやり取りが聞こえていたらしい(どうも声が大きかったようで丸聞こえだったらしい)」

「やっぱり、そうなってたか・・・御領主様から許可が出た。1個小隊を率いて討伐せよとの勅だ!」

やっぱり?

あぁ、サンパシーもこいつには辟易しているからな


「な・・・な、何を言ってるんだ!私は認めんぞ!!大体、早馬でも1日以上かかるのに返事が来るわけなかろう!!」

何を焦っているのだ?この男は


「コンストン衛兵所長・・狩人ギルドには緊急連絡手段がギルド長の権限で使用できます。今回は緊急と判断し使用したまで」

「な・・・・なにぃぃぃぃ!!そんな事聞いておらんぞ!!それがあれば早馬など要らぬではないか!!なぜ報告せん!!!」

この男は、アホなのか・・・

狩人ギルドは国のを超えた独立組織だぞ?

御領主どころか国王の命令も聞かないのに、何故お前に報告する必要がある?


「これは国に対する裏切りであるぞ!!領主に報告されたくなければ、その方法を私に教えろ!!」

あぁ・・・これはダメだ


「・・・コンストン衛兵所長・・・それは、個人の考えか。それともカンプファン領としての意見か。しっかりと確認してから発言せよ!!!」

あぁ、サンパシーを怒らせたか


「そんなもの!!決まっておるわ!!!カn「もちろん!コンスタン個人の考えです!!カンプファン領はギルドの意見を尊重し権利を保護しております!!!」

アホがしゃべるな!!!


「キサマ!!上官の言葉を遮るな!!ええぃ!誰か!!すぐに来い!!」

その声が聞こえたのか4人の衛兵が部屋に来た


「良し!貴様ら!!このジーアt「4人とも!コンストンを捕らえよ!!」

「「「「はっ!!!」」」」

コンストンを簀巻きにする4人


「馬鹿者!!貴様ら俺を捕まえてどうする!!」

「煩い!黙れ!!」

頭を床に叩きつけられ、痛みで声が出なくなったようだ


「馬鹿は貴様であろう!ギルドは国の命令すら聞く必要のない独立組織だ!貴様のしていることは領主並びに国家への反逆である!」

「・・・は?」

「これはアウグスティン王国法にもカンプファン領法にも記載されていることである!」

「な・・・え・・・ちが・・・」


ギルドが領内から撤退すれば、どれだけの被害が出るのか考えていないのか

取り押さえた衛兵たちも解っているから、あの馬鹿をしゃべらせないようにしていたというのに


「サンパシー殿、お見苦しい所をお見せした。改めて謝罪を」

「了承しました。ではジーア所長代理、急ぎ救援に戻りましょう!」

そうであった!!

俺は急ぎ小隊を編成しすぐに出発した


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これは・・どうしたことか・・・・

東の漁村に戻った俺たちが見たものは、倒れた家屋などの戦闘痕

それは理解できる


しかし、村人たちの死体が一つもないのはどういうことだ?

村長の家も見に行ったが、何も・・骨一つ残っていない


あの子がすべてを片付けていったとでもいうのか・・・・

俺はしばし呆然とするしかなかった













~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「・・・という報告ですな。で、どうされます?」

ふむと私は頷いては見たものの、にわかには信じられない


「東の漁村が無人となったのは事実なのであろうな。原因も不明か・・・」

「調査させてみますかな?」

「ふむ。あのエクス君を送ってみるかね?」

彼は5属性持ちだ。大抵のことに対応できるだろう


しかしトゥレライトは首を軽く横に振る

「ん?難しいのか?指名依頼にするぞ?」

「いえ内容でなく、彼は別の仕事で外へ出ており戻りは不明です」


そうか・・・それは残念

「では適当な者を派遣してくれ。それと、こんな短時間で多属性持ちが二人も出るものなのか?」

「私はこの年になるまで多属性持ちはエクスが初めてでしてな・・・」


「だろうな。・・・もし、この少女が見つかったら是非、礼がしたいと狩人たちに伝えてくれるか?」

衛兵たちは此方から言えばいいだろう


私は机の上にあるベルを鳴らす

「お呼びでしょうか」

すぐに家令のセバスがやってくる


「この任命書をベルーナへ届けさせてくれ」

書類を受け取るとセバスは退室する


詳しくは後日、本人たちから聞くがジーアは昇進でいいが、コンストンはクビにするか・・・・

あとは奴らの報告しだいだな


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