会敵
あれから大分経って、もうすぐ日も暮れようとしておる。
ここに来るまでの間に色々と試した結果、
どうやら我は体の形状を変化させることができるようである
『浮遊』スキルだけでは進みが遅いので、クリオネ擬きの形をまねてヒレのようなものを側面に出し
波打たせるように動かすことによって移動が可能となった。
マンタやオニイトマキエイのようなものであるな。
アノマロカリスでもいいかもしれない
これで移動速度も大幅スピードアップ。
ヒャッハー!
木々がまばらになってきた。そろそろ森を出れるのかも。
森を抜けるとそこには大きめの湖があり、崖の上から滝となって水が落ちている
湖の向こうは、また森となっているようだ
ちょうどよい
ここで休憩としよう
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さて、良い感じの水場に着いたわけだが。
落ち着いて周りを見渡す
目の前には高さ10メートルはありそうな崖から滝が流れ出ている。
水量も十分にあり青々とした滝壺は広く、下流への流れも穏やかで
水際まで草が茂り日当たりも良さそうだ。
なにより湿気が多いのが良い。
ほむ。
この辺りを拠点としても良いかもしれん。
ひとまず寝床を探すとしよう。
できれば岩の隙間とか穴があればよいな。
ずどーん!!
辺りに爆発音が響き渡る
近くで誰かが戦っているようだ。びりびりとした振動が地面に伝わってくる
これは・・・向こう岸か!
ずどーん!!!!!!
違った!崖の上だった!!
上から砕けた石とともに燻りながら大きなものが落ちてきて巨大な水しぶきをまき散らす。
我すこし離れてたので被害なし。
崖の上を『索敵』
なにやら長い物がいる。
長い物は崖の上から下を覗いている様である
蛇か?いや。頭の部分に手みたいなのが付いている
ほーん。
人の上半身に蛇の下半身としたら、
ファンタジーの番でナーガ・ラミア・エキドナ。
マイナーなとこでメリュジーヌ・・・あれは翼があったか。
その様な個体なのであろう。
さっき落ちた奴を探しているのか、しばらく頭を左右に揺らすと崖上に戻っていく
蛇がベースなら、熱感知を持っているかも。
我は基本が水だから体温無いから問題なし!!
こちらに降りてくる気配はない。
ならば崖上の奴はしばらく放置で良かろう。
それよりも落ちてきた奴だが・・・・
滝の落ちるところでは泡が絶えず白くなっている。
ということは水面下の対流がひどくて上がってこれないのか?
いや。反対側の岸にデカいのが上がってきたわ。
底の流れに乗って出てこれたらしい。
その姿は、でっかい八本足の物。おそらく蜘蛛がベースなのであろう
崖上の奴と戦ったのか右前脚がなく左後脚も折れ曲がってプラプラしている。
ほむ。上の奴はなかなか強いようである
奴とは正面からでは倒せんかもしれんな
それより今は蜘蛛の方である
クリオネ擬きはついていないのなら、普通の魔物か?・・・
いや、いた。
どうやら蜘蛛にへばりついているようである
んむ?どうやら蜘蛛を治療しているみたいだ
あ。後脚を切り離した。
再生をあきらめたのか。
蜘蛛は弱った体を引きずりながら対岸の岩山へ移動していく
うーん。弱っている今がチャンスだろうか。
下手に襲って返り討ちにあってもつまらんからの。
ふと目に着いたのが切り離された奴の足。
取り込むのは全身が必要なのか?
ひょっとしたら、遺伝子情報を吸収できれば侵奪が可能となるのではないか?
よろしい。ならば試してみようではないか。
駄目で元々。
我は奴の脚を飲み込んだ。