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悪名

我、南に向かうことにしたのだけど

人の往来が多いである


このままでは男型の形態から変化できないである

なので街道から外れて森の中へ移動


また、洞窟でもあればよいのであるがな~

飛び出してくる森林狼や一角兎を切りながら森の奥へ進む




鬱蒼とした森の中

現在ちょうど昼くらいであるが、まったく日が入らず薄暗い


善き善き

ここまでくれば人目もなかろう

我は次元潜宙で別空間に入り、女型へ形状を変化させる


腰まで伸ばした薄茶色の髪に茶色の眼

顔の作りは男型と同じく死体からの平均で。

年齢は18歳くらいに調整

160センチくらいの身長にして貧乳にする。

以前に設定した通りの形状である


衣類も女物へ着替えておくである

むう

この世界の女性下着に乳バンドはないのであるな

ほむほむ。さらし巻くのであるか


男型と変化を付けるために武器は槍にするである

ほむ

こんなもんであろ


我は次元潜宙から外へ出て南の街へ向かうことにする

ダミーの荷物も忘れておらんぞ?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ぶっちゃけ、飽きた。

幾ら街道があるとはいえ、馬車で2日かかる距離である

歩きだと4日かかる


幸い此処は人気のない森の奥

もう飛んでいくことにする

出来るだけ高く浮かべば見つかることも少なかろう




ふははは、人がゴミのようだ!

前世で結構、地元の有名タワーに上ったことがあるので高い所は平気である

この程度の高さなら、見られても鳥と誤認されるであろ


高度を維持しながら南へ

街がうっすらと確認できる


その向こうがキラキラしているが・・・

海であるか?


この程度の距離であれば数分で着くのである!

着くのである・・・

あるが・・・・


海風の影響か前に進めなくなったである

くぅ!

しょんないので高度を落として森に降りる


この辺りは開拓が進んでおらんのか森が多い

つまり、いくらでも隠れられるということである





面倒であるが、あるいて森を抜け街道に出る

まだ昼過ぎであるが、南の街・デセインテレットの壁が見えてきた


この街の壁も石を積み上げて作った物である

堀は無し。高さは10メートルほど


流石に昼なので門は開いており行列もできていない

衛兵が数人、立っているのが解るくらい

とっとと街に入るである


若い衛兵が呆けてこちらを見ている

「・・・・証明書がないのだけど、通行税はいるのかしら?」

仕事をしろと言いたい


「はっ!・・・も・申し訳ない!!・・証明書・・は無いんだったな・・通行税は銀貨1枚だ」

我は銀貨1枚を渡し通ろうとする


「あ・・あの・・良ければ、名前を教えてもらえないか?」

ナンパであるか?

そういえば平均顔が美人顔っていうのを聞いた気がするのである

しかし我が取り込んだのが18体分だけなのであるがなぁ


「・・・テスタロッサ・・・・」

咄嗟に出た名前を告げる

後ろで「テスタロッサさん・・・」などと呟いているようであるが、聞こえない。




街のつくりはケンプファーと似たようなもんである

ここもカンプファンの領地であろうしな


門の前の道を歩いていくと広場に出た

此処も同じであるな


我は盾の後ろで剣と槍が交差しているマークを見つけたので建物へ入る

作りはほぼ一緒である。規模は此方のほうが小さいが・・・


奥にカウンターがあり筋肉親父が座っている

左奥には扉のない大き目の通路。

ギルド併設酒場では既に飲んでいる者もいる


この建物はギルドと酒場の間の壁がなく見通しが良いようである

我は迷わず奥のカウンターへ向かう


此方をチラリとみる筋肉親父

酒場から口笛や歓声が聞こえてくるがどーでもよい


「狩人登録をお願い。それと買取を」

筋肉親父がジロリと睨んできたあと、『ふん』と鼻を鳴らす


「ここは女子供の遊び場じゃねぇ。とっとと帰んな!」

またである。


我は大げさにため息をつき

「見た目でしか判断できないなら目はいらないわね。声が聞こえないなら耳も要らないわね。」

そういいつつジト目で見る


「あぁ!?」などと凄んでくるが、ただのチンピラである

我は片手で襟首をつかみ持ち上げると、顔を青ざめる辺り小物感がすごい


我はそのまま筋肉親父を出入り口に向かい放り投げる

手加減はしたので問題なかろ?


親父はそのままギルドの外まで飛んでいき広場で転がっている

我は奥にいた細い男に声をかける

「狩人登録をお願い、それと買取を。」


細い男は顔を蒼白にしコクコクとすごい勢いで頭を上下に揺らす

あーその動き、福島の赤べこを思い出すのである


渡された用紙に名前、年齢、職業を記載し返す

名前 テスタロッサ

年齢 18

職業 槍使い


今回は魔法なしである

前回で学習した。我天才!


「これでいいかしら?」

「は・・・はい!これで・結構です!!」

今度は顔を赤くしている


後ろからすごい勢いで迫る者がいる

肩をつかまれたので思わず握った手を振りぬく。いわゆる回転裏拳であるな

予想通りというか筋肉親父の顎にうまくヒットしたようで筋肉親父は脳を揺らされでその場で倒れる

「了承もなしに女性に触れるものではなくてよ?あぁ、この男を痴漢として衛兵に突き出してくださらない?」

あとの言葉は手続きをした細い男に言ったものである


「えっと・・・申し訳ありません・・・本人には厳重に注意いたしますので・・なにとぞ衛兵には・・・」

「まぁ、ギルドから犯罪者を出すわけにはいかないのでしょうけど。」

「ご理解いただき恐縮です」

「だが断る!」


我はサッサと出入口に向かい隣の庁舎へ駆け込む

庁舎であれば衛兵も何人か詰めているであろうからな

「どうしました?お嬢さん」

やはり衛兵が詰めていたのである。にやり


「実は・・ギルドのカウンターで話をしていたところ、急に後ろから肩をつかまれまして・・・」

嘘は言ってない


「なっ!!痴漢ですか!おい、手が空いているものは狩人ギルドへ迎え!!」

若い衛兵が4人ほど駆け出していく


しばらくするとロープをグルグル巻きにされた筋肉親父と細い男が庁舎へやってくる

筋肉親父は何で濡れてるの?


細い男は此方を見つけるなり「黙っててくださいと言ったじゃないですか!」と言ってきた。

おいおい、庁舎でそんな発言は不味いであろ?

「隠蔽は良くないわ。そういった体質を作ってしまうと犯罪の温床になるのよ?」


「ほう。その話、詳しく聞かせてもらおうか」

最初に声をかけた衛兵が細い男の襟首をつかむ


「いくら狩人ギルドが独自機関で国からの関与を受けないって言ってもな、犯罪を見逃すことは出来ねぇよな!」

ほんとアホである


この庁舎にいる人達としては

・狩人ギルドで痴漢行為があったらしい

・捕まったのはギルドで、よく見かける男

・ついてきた男が痴漢行為を黙っているよう強要していた

しか解っていないのである


つまり、狩人ギルドが組織的に犯罪行為を行っており、問題を隠蔽していたのではないかと疑いをかけられたのである

痴漢ダメ絶対


二人ともしょっ引かれたのでギルドへ戻る

「すいません。先ほど登録をお願いしたのですがキャンセルしてください!痴漢のいるギルドで登録はしたくないので!」

付近に聞こえるよう大きな声でハッキリと伝えましょう


ギョッとする周りの人たち

「わ・・私も移籍しようかなぁ・・・」「そうね・・別の街にも行ってみたいよねぇ」

酒場で飲んでいた数少ない女性狩人たちも目を逸らしながら呟いている

我はそのまま街を出ることにするである


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

我は更に南へ向かうのである

街の海側には森がなく平原となっているため隠れることができない

面倒であるが歩いていくしかないのである





夕方になって、ようやく町が見えてきた

町といっても石壁で回りを囲っている

まぁ3メートル位だけど

門に着き通行税を払う


中に入ると、道は舗装されておらず土が剥き出しである

ただ、人通りが多いせいか踏み固められておるようであるが


うねった道を歩きながら進んでいくと

「おねぇさん!今着いたとこ?宿決まってる?」

声をかけられた


振りむくが誰もいない

空耳か?と思ったが、下に子供が居たのである


「宿は決まってるの?」

青髪をおさげにした少女が再び聞いてきた


「宿?あなた、客引き?」

「うん。そだよ?うちは防犯がしっかりしてるから女の人からも人気だよ。1泊銅貨80枚!」

ほう。


「そう。それじゃぁお願いしようかな」

「うん!ついてきて!!」

おさげ少女について後ろを歩いていく




一つ裏道にある2階建ての建物

「虹鯨の髭亭」どうやら此処が宿らしい


「おとーさーん!おきゃくさーん!!」

扉を開けるなり父親を呼ぶ


奥からのっそり出てきたのは髭を蓄えた巨漢

太っているわけではなく骨太で筋肉質なのであろう

「泊りかい?」

想像通りの低い声

小林〇志さん並みのよい低さである


「そうね。この子のおススメらしいから」

得意満面でドヤ顔をしているおさげ少女


「すまねぇな嬢ちゃん。娘が迷惑をかけちまったようだ。」

「構わないわ。宿も決めていなかったのは本当だしね」


「ありがとよ。1泊銅貨80枚だ。朝飯は3の鐘が鳴るころには片付けるからそれまでに来てくれ。晩飯はもうしばらくかかる」

3の鐘が鳴るのが大体9時くらい

「え?ちょっと待って。1泊銅貨80枚で2食付けるの?」

食事が付いていることに驚きである


「あぁこの町に泊まらず通りぬけるだけの奴いらが多いからな。飯はサービスだ」

そんなもんであるか

まぁ人間であれば食事が必要であるからサービスとして成り立つであるな


「それじゃ3日頼むわ。」

我は銅貨240枚を渡し、宿帳にサインし部屋の鍵を貰う

「飯は食堂に鍵を見せてくれ。あと飲み物は別料金になっているから注文を頼む」



ダミーの荷物を部屋に置いたので、おさげ少女に狩人ギルドがあるか聞いてみる

「狩人ギルド?あるよ?前の道を右にずっと行ったとこ。おねーさん狩人なの?」

質問にはあいまいに笑ってごまかす


この町にも狩人ギルドがあるらしいので登録に行くである

また面倒おきなければよいであるが





あるいて10分くらい

いつもの看板、盾の後ろで剣と槍が交差しているマークのある建物に入る


今までの建物と比べ、だいぶ小さい

酒場が併設しておらず、カウンターと依頼書掲示板。あと奥に続く通路くらい


カウンターには禿頭筋肉達磨と中学生くらいの少女

「いっ・・いらっしゃい・・・・」

尻すぼみの声をかける少女


少女を横目に小さくため息をつく禿頭筋肉達磨

「いらっしゃいませ。御用をお伺いいたします」


おぉ!

いままでの脳みそ筋肉と違いきちんと対応している!!

我は猛烈に感動している!!!


「狩人ギルドに登録したいのだけど大丈夫かしら?」

少女は目をむいて驚いているが筋肉達磨は眉一つ動かさない


「はい、可能です。しかし大抵の者は大きな街で登録しますが、この町で登録してよろしいのでしょうか?」

「?どういうこと?」

どうやら、渡される証明書に登録した場所が記載されるため大きい街で登録する者が多いらしい

ようは見栄であるな


「はっ!馬鹿らしい。チンケなプライドね。それにデセインテレットのギルドで痴漢されそうになったから、あそこでは登録したくないわ」

それを聞いた筋肉達磨が「痴漢ですか?」と聞いてきたので

「そっ!それを衛兵に言わないようにも言われたわ」


「聞いたかデイジー!やはり大きい街へ行くのは止めた方が良い」

「え~マジか~。でも痴漢がいるような職場はヤだな~」

どうやら、こいつらは親子らしい


「あぁ、すいません。登録でしたね。こちらに記入をお願いいたします。代筆も可能ですが?」

渡された用紙に名前、年齢、職業を記載し返す

名前 テスタロッサ

年齢 18

職業 槍使い


「ありがとうございます。ではランク確認させていただきますので、此方へどうぞ。」

奥に続く通路へ先に入る筋肉達磨


うんうん。この筋肉達磨は見た目で判断しておらん。善き善き

通路奥の少し広めの運動場


「職業が槍使いとの事ですので、的を用意いたしました」

少し離れたところに藁人形が立っている


「左から右にかけ硬く成っています。」

「的が4つしかないようだけど?」

「申し訳ない。左からF、E、D、Cランク対応となっているのですが、それ以上はこの町で測定できないため大きい街での対応となります」

「そういうことですか。わかりました。」

我は一番右の藁人形を突いた後、左袈裟切りで槍を振りぬく


音を立てて落ちる上半身

あ・・中に鉄が仕込んである


「・・・・C以上ですね。・・・やはり大きな街で登録しては如何でしょうか?」

「人の付けるランクに興味ないわ。Cで構わないので登録お願い」

難しい顔をしながらも手続きをしてくれる筋肉達磨


2種Cクラスの証明書・タグを貰えた

前回もだが、登録だけで時間が掛かるのは考え物である



数日後には目が合った狩人らしき者から『赤頭の熊女』と叫ばれたのであるが・・・・

我のことであるか?

その名前だと犬の集団に襲われそうである



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

日が沈むころ衛兵詰所から出てくる二人の男

筋肉親父と細い男である


ようやく痴漢行為が冤罪であり、犯罪隠蔽もしていないことを信じてもらえたが

厳重注意で解放された


「あぁ・・・とんでもねぇ日だった」

首をゴキゴキ鳴らしながらいう筋肉親父

「こちらはトバッチリですけどねぇ!」

細い男も鬱憤が溜まっているようで言葉に棘がある


「まぁそう言うなって!飯くらい奢るからよ!」

「しかし、あの女何者なんでしょうね・・・ベレスティゴンさんを片手で放り投げてたし・・・」


ギルドに戻った二人が目にしたのは、ほとんどの女性狩人の移籍書と男どもの罵声。

街の人達からのクレームの嵐・・・どうしてこうなった・・・・

二人は頭を抱えていたが、数日後にはギルドの信用を損なったとの理由で田舎へ左遷されてしまうのは別の話

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