決着
どーしたもんかー
どのみち奴らを倒さねばならんのだが、せめて分断できないものかー
日も登ってきて辺りも明るくなってきた。
不意打ちしようにも厳しいかなぁ・・・
ほむ?
何やら言い合いをしておる?
人型が座り込んで・・・休憩するのか?
羽根つきがそれに対して文句を言っているのか
ほーむ・・・・・
地面のヒビを伝って近くまで寄れるか?
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「だから、昨日もさんざん歩いて一晩中戦闘してたんだから休憩くらいいいだろ!俺も眠いんだよ!」
「ですから他の候補者を殲滅してしまいなさいと言っているのです」
「その候補者ってのが何処にいるかわかってないんだろ?なら休憩くらいさせろよ!それがダメなら候補者を連れて来いよ!」
ほむ。
一晩中彷徨っていたのであるか?
うむ。スペックが良くても精神的に疲れが出ているのやもしれぬな。
人間、寝ないと体調崩すしな
「・・・・・・・わかりました。では、あなたは此処で睡眠をとってください。わたしは周辺の探索をしてきます。」
「あぁ、そうしてくれ。候補者を見つけたら倒すからよ」
「では、一応あなたの周りに結界を張っておきます」
善き善き。
羽根つきが離れるようである
人型は手ごろな石を枕に横になると、すぐに寝息を立てる
それを見た羽根つきは辺りに結界を張ると飛び立っていった
ちゃ~んす
問題は結界が何処まで覆っているか・・・
にやり。
結界は地面すれすれまで広がっている。
そう。ヒビの中まで届いていないのである
人型が寝ている間にヒビを伝い、体内へ侵入。
体内から喰らってくれるわ
しかし我の魔核の大きさは大人の指先程度である
喉を詰まらせる大きさは3センチというから、そのまま侵入できるであろうが念のため毒スキルを使い麻痺毒を生成する
後はそのままスルリと胃まで移動し中から心臓を一突き。
ほむ。
羽根つきが離れてくれたから出来た事である
あとは侵奪で成り代わるのである
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「・・・さい・・・・起きてください」
気持ちよく寝ていたところを揺り起こされる
うっすらと目を開けると、天使を模したものが俺を揺さぶっている
「ようやく目を覚ましましたか。」
「あぁ・・・」
俺は欠伸を噛み殺し返事する
「付近を捜してみましたが、少し先の洞くつで戦闘痕がありましたが候補者は残っていませんでした。」
男か女か不明な天使・・・
薄く緑色に発光しているのも意味が分からん
この不思議生物、名前などないとのことで便宜上【アイン】と呼んでいる
「そっか・・・戦闘痕はそこだけかな?さっきの蜘蛛の巣辺りで殆ど倒されていたということかな。」
俺は立ち上がりながらアインに話しかける
「おそらくは。ただ、死体も残っていないのが気になりますが。」
「そうだね。猿も蟲も恐竜も全部死体残ってたもんね・・・・相打ちならいいけど逃げてたら厄介だよね」
ふむ、と納得顔の【アイン】
「確かに逃亡していたら厄介ですね・・・空から一帯を確認した限り近くに候補者はいないのですが。」
「うん、そうだね。さっきの霊体が死体を如何こうしたのかもね。」
「かもしれません。まぁあの霊体が最後の候補者だったのでしょう。」
俺が消し去った霊体がいたであろう場所を眺めるアイン
「一応、倒した奴らの死体を確認に行こうか。ひょっとしたら時間経過で消えるのかもしれないし」
「その可能性はありますが・・・この世界のモデルとなったのが候補者がいた世界の『げえむ』というものらしいので・・」
なるほど。
ゲームのような世界を作ろうとしたからステータスがあったのか
「それなら、アイテムやお金を落としてもよさそうだけどね」
おそらく、途中で面倒になって適当に作ったのだろう
「では、来た道を戻りますか?」
「こちらと反対方向に残っているかもしれないしね」
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道を戻ると巨大な肉塊が地面に横たわっている
見た目はトリケラトプスの角をなくした感じ。
頭を真っ二つに割られ息絶えいている
「うん。恐竜は残っているね。」
「猿も残っているようですが・・・蟲は見えませんね」
少し離れた場所に大猿の体が横たわっている。
その数メートル先には丸い物体
「首ものこってるね。ってことは時間経過でなくなるわけじゃない?まぁ蟲は潰した感じだからシミになっているしね」
「では、先ほどの霊体が最後の候補者だったのでしょうか」
「ようやくだね・・・・二日間とはいえ、とても疲れたよ。」
「そうですね。お疲れ様でした。」
アインも肩の荷が下りたのか緊張がゆるんでいる
俺はアインに近づきながら
「これで元の世界に帰れるのかな?早く、君の主に御会いしたいものだね」
空の下のほうが暗く染まっていく。
「この空間を閉じようとされているようです。」
彼方の空を見ながらアインが感慨深げに言う
「なら、これで終わりだ・・・・な」
剣を一閃
信じられないものを見た顔でアインの頭が飛んでいく
「擬きも候補者であったのであろ?我が最後の一人であるな。」
アインの頭と体を魔法鞄に収納し一人ごちる
おっと。忘れるところだった
恐竜と猿の死体を魔法鞄に入れる
天から神々しい光が差し込み辺りを照らして行く
ようやく此処から出れるようであるな




