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まじょさまは本日も退屈

作者: 金狐 秋水

まじょさまシリーズ二作目(一応)。

よろしくお願いします。気が向いたら続きます。

 日々とは、実に退屈である。

それはきっと私のような長命を得た者ならば誰しもが感じる事であろう。

長命の者にとっては日々とは特に変化のないものであり、趣味と呼べる趣味もとっくにやりつくしているし一時期の魔女狩りだの人権革命だのなんだののせいでただの人間を嗜虐するような趣味は禁止されている。

昔はそれはもう悪逆の限りを尽くした私たち魔女であるが、最近では肩身が狭くおとなしく過ごさなければならないというのも世の流れなのであろう。

そもそも、科学とかいうものがおかしい。なんなのだあれは。私たち魔法使いの専売特許を軽々しく奪っていく事も今は昔であり、最近では私たちでも出来ないことすら簡単に成し遂げてしまう。なんやあれおかしいやろ、と出てきたばかりの頃は叫んでいたし当時篭絡していた教会のやつらにいう事聞かせて弾圧と化していたが、いまは当然そんな権力もなくただの人間として日々過ごしている。たまに姿を変え、名前を変え、そうして生きている。そんな日々はとても退屈で私には何ももたらさない。



 「はぁ!!!???なんこいつ!!!絶対ぼこぼこにしてやる!!!」

とパソコンに向き合ってカタカタと音を鳴らしながらキレ散らかしているのはかの高名な(昔は)魔女の一人である「虚詐の魔女」ことラヴェリール・ミスグラシア、またの名を城間左京という一人の人間(?)である。さらにいえば某匿名掲示板に張り付いているニートである。

そんな風に叫んでいると

「うるせえぞボケ!!!」

というような声が聞こえてくる。隣の部屋に住むDQNである。

「すんません!!!!!!!!」

と叫び返すとレスバに戻る左京。

魔法が使えればいつでもあんな馬鹿ぼこぼこにできるのに~~~~!!!!!

と今では叶いもしない願いを思いながらレスバをするが、彼女の残念な頭では

「ぐぅ」

このようにいつもぐうの音しかでないくらいぼこぼこにされてしまうのである。

少し泣きながら冷蔵庫を覗きに行くと

「な、なにもない・・・・・」

もちろん魔女的なサムシングのパワーで腹が減っても死ぬことは直接的な要因としてはないのだが、それでも腹は減るし、それを間接的要因として死ぬことはある。行き倒れて騙される、とか(1敗)。

そして財布の中身を見ると

「な、なにもない・・・・・」

またしても同じ反応である。これでは今月の家賃も払えないのではないだろうか。

「こ、今月も滞納したらさすがに追い出される・・・・まずいぞ、これは・・・・」

5か月すでに滞納している人間があと一週間で今月の振込日を迎える人間とは思えない発言であるが、これが彼女が友人の魔女たちから残念の魔女に改名したら?とか言われてしまう所以である。



さすがにまずい。そう感じた左京は家を出て悩むことにした。ギャンブルをしようにも元手がない。千円くらい残ってれば彼女の目を用いた目押しでスロットくらい全勝ちできる(本人はそう思っている)。

そんな元手も今はないが、一週間後には支払期限である。そうすると彼女の生活を支える便利アイテムであるパソコンを失うことになるだろう。それだけは避けなければならない。最悪大家の爺さんと寝ればいいかとは考えているが、爺さんとやるのは昔懲りたので少し忌避感がある。

とても、とてつもなく、ありえないぐらいいやであるが昔の友人の家に行かざるを得ないか・・・・と考えていると

「あの・・・虚詐の魔女様ですか?ミスグラシア本家の旦那様よりの伝言です。」

「あ?」

「金いくらでもくれてやるから力貸せ、と。」

「は?」

そう答えると光と共に左京と隣の男の体はかき消えた。


「・・・・・・・・・・・。」

「久しぶりだなぁ、ラヴェリール。」

「・・・・・・・・・・・。」

「おいおい挨拶もなしか?金に困ってるっつーからせっかく読んでやったってのに。」

そう親し気に声をかけてくる男に彼女は見覚えがあるが。それがゆえにとても不機嫌になる。

「要件って、なに。」

「おいおいそう急ぐなよ積もる話だってあるだろ?」

「私にはない。だから本題を早くして。」

「ああそうかいそうかい。じゃあ本題だ。この子を育てろ。その間の費用に10億やる。好きに使え。ただしきちんと成人まで育てきれ。そうしたら成功報酬でさらに10億やる。どうだ、やるか?」

「やるしかないってわかって言ってるんでしょ、ランぺ。」

「まあ、そうだなぁ。」

と言いカカカッと笑うランペという男に向かって聞く。

「で、どんな子。吸血鬼?獣人?妖精族?」

「いや、人間。地獄の魔王のカケラを持つ人間だ。」

なんという厄ネタだ、と頭を抱えるがしかし金のことでいっぱいだったのである。

「受けよう。」

「お、そういってくれると思ったぜ。ほんじゃ、頼むわ。」

すると隣にいつの間にかいた執事がポンと一人の赤子を渡してくる。

それを受け取ると送還魔法陣の起動が始まり、光に包まれる。

「あ、忘れてた。その子、魔王のカケラって言ったけど『脳髄』を持ってるから」

そういうのは早く言えーーーー!!!!!と思いながらも時すでに遅く、最初にいた家の中に戻ってきていた。しばらくボーっとしているとオギャーオギャーと抱えている赤子から泣き声が聞こえる。

その声に少し遠くを見つめる左京であった。



レスバは楽しいです。

今回の城間左京さんは今後メインで使うかもしれません。

現在の見た目は某V企業のやまださんのイメージです。昔は変成魔法とかでおじさんになったり美女になったりしてました。そういうのが得意なので虚詐と呼ばれています。

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