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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

召しませ!邪神様!

作者: 零余子

我は邪神である。

元々邪神だったわけではないが、まあ時代の流れ的なアレソレで邪神になった邪神である。

人の世を破滅させるほどの力はないが、願われれば一族末代まで呪うくらいのことはできる邪神である。

ので、信者もいるにはいるし、定期的に供物やら祈願やらもある邪神である。

そして今日も供物が来たのだが……。

「どうぞ、お召し上がりください!」

挨拶も元気に全裸で目の前に横になっているのは妙齢の女だった。

良くある「供物はわ・た・し♡」ってやつである。

本当にごくまれにいるのだが、嬉々として食われようとしてくる人間が、ほんっとーに極々稀に居る。

別段、人間を食わないわけではないが、正直美味しくはない。

酒とかなんならコンビニおにぎりの方が美味しい。

「そして世界を滅ぼす一助にお使いください!」

うん。世界を滅ぼすだけの力はないから。精々、一部地域を穢れ地にできるくらいだから。それも時間かければある程度清められる程度だし。

「あ! もしかして味をお疑いですか!?」

疑ってないよ。美味しくないのは知ってるからね。

「邪神様の為に! わたくし、幼い頃より毒を身体に馴染ませ、また各種呪いをこの身に受けてまいりました!」

え。こわ。なにそれ。呪物じゃん。生きる呪物じゃん。

「そうして蓄えた負の力、必ずや貴方様の糧になりましょう!」

なると思うけど不味いんだよ。んでなんでそんな嬉々として呪われてんの、君。妙な気配するなと思ったらもう人の枠外れかけてんじゃん。

余計美味しくないんだよ、そういう子。下手するとこっちにまで浸蝕かけてくるんだよ。やだよ。食べたくないよ。

「さあ! さあ!! 一思いにいっちゃってください!!」

ええー。面倒くさい。美味しくないもの食べたくない。

「もしかしてまだ毒が足りませんか!? それとも呪いが!?」

どっちも盛らなくていいから帰って欲しい。でも多分これ帰すと厄介なヤツだよなぁ……。だって歩く呪物だし、この女。我は別にいいんだけど、このまま帰して面倒な正義の祈祷師とか来ると死ぬほど疲れるんだよなぁ。

「では一度帰って、げぶぅッ!」

あ、血吐いて倒れた。うわぁ。呪いと毒が妙に影響し合って内臓もうずたぼろじゃん。良く生きてるね、君。

とりあえず外に出すのはアレなので、神隠し的なあれそれで隔離しとこう。そうしよう。


そんな感じで、ぽいっと異空間的な場所に入れた女が今日も何故か目の前にいる件。

「邪神様は! わたくしを非常食になさる心づもりなのですね! わかりました! 誠心誠意、食べられる日まで精進したします!」

しなくていいから大人しくしてて欲しい。まじで。

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