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発勁の達人とは私の事です  作者: もろこし
7/24

07 帝都


「面白い。買うのか? ハハハッ!」


「転移の指輪が欲しいですね。いくらで売ってくれますか」


「奪いに来る者はいるが、買いたいと言う者は初めてじゃ」


「そうだのう。大白金貨10枚で売ろう」


「では、ここに」


「ほう、金持ちだな」


「私を楽しませてくれた礼に、ただじゃ」


「魔界ではおもちゃみたいな物だからな」


「では、たまには遊びに来ますので。ここに魔法陣を付けて行きます」


「面白い、わらわも、そちの元に遊びに行かせてもらおう」


 女性だったんだ! そりゃ卵を産んでいるからそうか。


「では、失礼しますわ」


「うむ」


 洞窟を出た。あぁ~、転移って魔法陣が書いてない場所には、行けないのかい。


 セーラは仙術の重力盤に乗り、帝都を目指す。はっきり言いますが、私は方向音痴ですので、あちこちと迷い地図も読めないのです、あるはずの都市がなかったりして大変です。よって人がいれば聞きます。


 商人の御者、衛兵の人がいれば聞くのが1番だ。

「ランド帝都って、こっちでいいんですか?」


「あぁ、そうだよ」


 迷いながら、やっとランド帝都に着きました。


 さすが帝都、城壁が100メートルはあります。

 城門前の列の並びも、凄いです。300名はいますかね。殆どが馬車で来ていて、道沿い迄続いている。

 私も最後尾に並び、今迄の旅を整理する。

 旅に出る事になった私は、師匠から、あかねさんを紹介された。冒険者になり、冒険者パーティーからクビにされ、森で盗賊、山賊を討伐して、金銀財宝をかき集め、エンシェントドラゴンロードに会い、3つの指輪を貰った。そして、今、ランド帝都で冒険者生活する為、ランド帝都の城門前で列に並んでいる。


 う~ん、いい旅なのだろうか?

 分かった事は、目的を持った方がいいと言う事だわ。

 今の目的とは……。ない。最初の頃はお金を稼ぐのが目的だったが、それもなくなった。冒険者のランクSSSを目指してみれば? はないな。ランクSSSは英雄クラスだと聞いたことがある。そんな物になりたい訳ではない。道場を開くのはどうだろうか? まだ10歳だからな~。先の話だわ。


 私は、このまま流されて生きて行くのね。


 と、考えている間に衛兵の前迄、来ていた。

 冒険者ギルドカードを見せ、門を通過する。


 前の町の倍の大通りがそこにあった。左右に店が立ち並び、そして、真ん中あたりに噴水があり、地平線の向こうには屋敷があり、その向こうの丘に城がある。


 大通りを歩きながら、剣と盾の看板を探す。多分、大通り沿いにあるはずだわ、裏手通りにあるほど、冒険者ギルドは落ちぶれてないはずだわ。


 大通りの突当りに来てしまった。無かったのだ。


 通り沿いの人に聞いた。裏手の通りにあると……。

 裏手に行ってみた。あった……。


 中には大勢の人で賑わっているはず。中に入ると、静寂さが漂っている。誰もいない、帝都の冒険者ギルドは潰れているの?


 依頼掲示板には、何も張られていない。こ、これは本当か。


 受付には誰も立っていない。


「すみませ~ん、すみませ~ん」

 大声で呼んでみた。


 誰かが。『はい』と言っている。人はいるんだ。


「すみません、本日は休館日です」

「冒険者ギルドが休日ですか?」

「はい、コンプライアンスに引っかかるので週1は休みです」


 帝都、恐るべし。


「神殿の方から、休日を取るように言われていますので」


「わ、分かりました、明日にまた来ます。では、お薦めの宿屋はありますか?」


「このから出て左の通り沿いに『トン汁』と言う宿屋がお勧めです」


「わかりました。休みのところ、ありがとうございます」


 『トン汁』はすぐ分かった。ブタの看板だ。中にはいると、猫族が受付をしていた。そして、いかにも、宿屋って感じだ、左側は食事をする丸テーブルが並んでいる。受付の横は階段になっており、宿泊の部屋があるのだろう。


「泊まるかにゃ」


「泊まりますにゃ」


「馬鹿にするにゃ」


「2泊するにゃ」


「金貨2枚だにゃ」


「嘘つくにゃ」


「大銅貨2枚にゃ。306だにゃ」


 大銅貨2枚を払い、鍵を貰った。

 

「食事がしたいにゃ」


「そこのテーブルに座るにゃ」


 テーブルに座ると、先程の猫族がメニューを持って来た。

「決まったら、そこのベルを鳴らすにゃ」


「お薦めは何だにゃ」


「オークのステーキ定食だにゃ」


「それでいいにゃ」

 食事を済ませ。大銅貨1枚を払い、受付横の階段を上がる。


 部屋はベッドと小さい椅子とテーブルがあるだけだ。大銅貨1枚は格安だからしょうがないか。



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