14 帝都騎士団
現在、ギルド長と共に帝都騎士団の闘技場に向かっている。帝都騎士団長は負けず嫌いで、きっと試合を申し込まれるだろうとの事。
たぶん練習相手にもならないのだろう。剣を持てば強いかもしれないが、素手だと素人なのだ。
闘技場が見えて来た。でかい!! 観客も入れる事が出来る仕様になっているのだろう。外からでは中は見えないドーム形になっており5万人が収容できると言う。
ギルド長はすたすたと歩いて行く、大通路では帝都騎士副団長が待っていて合流した。帝都騎士団は5000人程いるとの事。まぁ、戦争するからその位はいてもおかしくはない。
闘技場の中に入ると、帝都騎士団は剣術の練習をしていた。裂帛の掛け声と共に剣を打ち出している。闘技場の大きさは縦1キロ程、横700メートルと言う感じか。
帝都騎士団長が私達に気付き、近寄って来る。歩き方1つで分かるのは達人の領域に到達しそうだと言う事だ。
帝都騎士団長はマイクを持っていた。そりゃ5000人に聞こえる為には毎回大声を出すのもしんどいだろう。
「整列!!!」
わらわらと、自分の立ち位置に並んだ。
「今回から体術の師範を向かい入れた」
どうぞとマイクを渡された。
「え~! セーラと申します。これから体術のなんたるかを体に染みつかせ、剣が折れても体術で敵を倒す方法を伝授したと思います。宜しくお願い致します」
帝都騎士団長にマイクを返すと。そのマイクをギルド長に渡した。何を喋るのだろう。
「え~! 私は冒険者ギルド長のレースだ。セーラは天才だ。上級サタン、リッチ、ギガバジリスクを1人で素手で倒す事が出来る。しっかり身に付けて国の為に役立てて貰いたい。以上だ」
ギルド長の名前を初めて知った。レースか……。
帝都騎士団のセーラに対する印象は大男で2メートルある帝都騎士団長の横にチョコンといる華奢な女の子と言う印象であり、組み伏せるのは簡単だと思っている。聞けば12歳だと言う。帝都騎士団の誇りに掛けて負ける訳にはいかないのだ。
帝都騎士団長にカリキュラムを任せているのだ。私でさえ知らない……どんな事をさせられるのだろうかとヒヤヒヤしている。
「それでは、体術とはなんなのか知って貰う為、セーラと戦う相手を今から指名する。1番、帝都騎士副団長ギース。来い」
「ははっ」
帝都騎士団は観客席で試合を見るようだ。そんな遠くからでは分からないでしょ。遠くでは何をやっているのか分からないのだ。しかし、近くでも分からないのだが。
ギースは素手で、組み伏せる気満々にタックルの構えをしている。
セーラはこのタックルはどれ程の物か鋼発勁を発動し、タックルを待ち受けた。
「はじめ!!!」
「うりゃーっ」
もう突進してタックルをしてきた。ドスーン……。セーラは微動だにせず、立ったままだ。ギースはキョトンとして、セーラを見ている。
「降参です」
渾身のタックルをまともに喰らわせて微動だにしない。失敗は戦場では死を意味するのだ。それを分かっているので即座にギースは降参を宣言した。
「2番、帝都騎士副団長トーラニ。来い」
トーラニは闘技場の真ん中に来ると、直ぐに天地の構えになった、空手か?
トーラニは上段回し蹴りを放つ。セーラは回し蹴りを潜り抜け太ももに発勁を打ち出した。トーラニは吹っ飛び、転げまわっている。戦闘不能だ。
「3番、帝都騎士副団長ラーキス。来い」
ラーキスは連続パンチをするようだ。鋼発勁で耐えて見よう。
ラーキスはセーラの顔面に向かって、パンチの連撃を喰らわせた。
ラーキスの拳は血だらけ、骨まで見えている。片膝になって拳を抑えている。
「うっう! 降参です」
「どうした? セーラは1割も力を出していないぞ」
ここで、団長コールが始まった。だーんちょ!だーんちょ!だーんちょ!
「よし、私が手本をみせてやろう」
だーんちょ!だーんちょ!だーんちょ!
団長は拳を構える。私はノーガードだ。
団長はパンチと見せかけて、上段踵落としを放つ。私は懐に入り、肋骨に発勁を喰らわせた。ボキっ!! 肋骨が粉々になったようだ。団長は肋骨部分を抑えて、悶絶している。
負傷した帝都騎士団に回復の指輪をはめて4人共、全回復した。中には古傷が治ったぞと喜んでいる人もいる。
団長は今迄の事は無かった事にして、
「それでは、セーラを体術師範代にする。異論あるものはいるか?」
シーン。
「今週から頼むな。セーラ」




