エピローグ
きっと好きのかたちなんて人それぞれなんだと思う。
友達としての好き、異性としてのすき、よく分からないすき。色々あると思うけど私のすきはどの好きなのかな?
でももう忘れないと...
そう心の中で自問自答していると、
遠くから誰か私を読んでいるかのような声が聞こえてきた。
「おーい!そらー!」
そう言いながら幼なじみの北乃雷鳥が元気に走ってきた。彼とは小学生からの親友で高校が別になった今でもいつも一緒にいる。
高校2年生の春...今年の5月1日、令和に変わったその日に私は彼に告白をした。
返事は濁された。でも泣けはしなかった。彼には前々から誰にも恋愛感情がないことを知っていたから。いつかこっちに来てくれると信じていたから。
その後も2回ほど告白をしたが今度ははっきりと断られてしまった。恋愛感情を持てない、でも距離を置くつもりは無いと。
そんなこと言われたらもう何も言えない。
だから私は今も泣きたい気持ちを抑え込んで彼の隣で「幼なじみ」として一緒にいる。
そう考え事をしているといつの間にか私に追いついていた彼が私を覗き込んで、
「そらー?空閑そらさーん?起きてますかー?」と言いながら心配そうにこちらを見てきた。人の気も知らないで。
「雷鳥うるさーい!」
この気持ちを忘れるために大きな声で叫びながら彼のことを持っていた鞄で叩いた。
「いってぇぇよ!何すんだそら!」
そう彼が言って、いつもの様に笑いながら彼の家に行きゲームを始めた。
これが私の日常、辛いけど楽しい幸せな。きっといつか崩れちゃう日常。
これから君への気持ちはどんなふうに変わっていくのかな。




