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灯りのあるこの街で (短編集)

無慈悲なAI

作者: 新垣 電燈

俺にはどうしても死んでほしいやつがいる。同僚のSだ。

あいつはとにかく自分勝手だ。「金がない」と空っぽの財布を見せつけ、飲み代をおごってもらおうとしたり、俺の家のソファにハンカチを敷いてから座ったり、職場でもやたら自慢話ばかりしてきた。

あいつのせいで、会社に行く気が滅入る。あいつがいなければ、もっと楽に仕事が出来るのに…


そして俺はSを殺す方法を考えた。だが、殺しの素人の俺が下手に殺人なんかしたら。ほいほいと証拠を見つけられ、崖の上で説教されるハメになる。殺し屋も考えたが、ただ一人殺すだけに何百万も消えるのは惜しい。

考えに考えて、ある方法を思いついた。

「そうだ…ロボットだ…」

今巷で流行ってるあの家庭用ロボットだ。あのロボットは命令をすればどんな家事でもこなす。さらに高度なAIと知識により、最適な具材と調理で料理を作ったり、留守中の電話の受け答えをする。

こいつを使えばSを殺せるかもしれない。しかもこいつはロボットだ。感情なんてものは微塵もない。無慈悲に人を殺すだろう。Sを殺す上に、家事もしてくれるのだから、殺し屋を雇うより効率がいい。


早速俺はそのロボットを購入し、初期設定を済ませ、Sの写真を見せながら要件を伝えた。

「青坂町に住んでいるこのSという人を殺してきてくれ」

ロボットは冷たい流暢な声で答えた。

「ご主人様の役に立ちたいのはやまやまですが、私はロボットです。関節を動かしたときにモーターの音がでてしまいます。またこの見た目です。人間に紛れこんで任務を遂行することは不可能です。体も大きいので狭い場所に入れません。以上のことより、より繊細に隠密行動ができる人間の殺し屋を雇うことをお勧めします」


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