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憧れの美少女に告白したら、男の娘としてお付き合いすることになりました。  作者: 暦海


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咲宮鷹斗

「――ねえ、どうだった?」

「ん、何が?」

「いや、タイミング的に分かるでしょ。テストの順位に決まってるじゃん」

「……ああ、それもそっか」



 それから、三週間ほど経た放課後のこと。

 一年D組の教室にて、ホームルームを終えた後ほどなく僕の席に来て尋ねる端麗な少女。クラスメイトで僕の親友でもある美少女、海月みづき。一瞬、何の話かほんとに分からなかったけど……うん、それもそっか、タイミング的に。

 ちなみに、先ほどのホームルームにて先生から皆に期末テストの成績表が渡されたのだけど、そこにはそれぞれの学年順位も記されていて。なので、


「……うわぁ、やっぱすごいね。今回も1位って」

「……ありがと、海月」


 僕の手から成績表を受け取ると、ほどなく称賛の言葉をくれる海月。一応、結果が結果なだけに自分の口から言うのも少し憚られたので成績表そちらを渡したんだけど……うん、どっちでも一緒かな?


 

 ともあれ、その後も他愛もない会話に花を咲かせていると、俄に教室の雰囲気が変わる。具体的には、主に女子の皆さんが色めき立っているご様子で……まあ、お馴染みなので確認せずとも理由は分かる。皆さんの視線の先――開いた扉の前には、鮮やかな茶色のマッシュヘアを纏う、もう見慣れているはずなのに思わず見蕩れてしまうほどの見目麗き男子生徒の姿があって。そして――



「――よう海月、陽奈ような。遅くなって悪かったな」

「ううん、気にしないで鷹斗たかと

「こんにちは、鷹斗くん」


 ややあって、教室中からの視線を気にした様子もなく悠然と僕の席へと到着。そして、晴天の空のごとく爽やかな笑顔で海月と僕に挨拶と謝罪を……うん、今日もほんとカッコいい。


 さて、改めてだけど彼は咲宮さきみや鷹斗くん――海月の恋人であり、ホームルームが終わった後ここD組の教室にて彼女と合流しているわけで。とはいえ、僕自身ここ最近はなるべく早く教室を出ていたのでほとんどこの状況にいなかったんだけども。



 その後も、しばし他愛もない会話に花を咲かせる僕ら三人。そして、今は海月がお手洗いでいったん席を外しているため鷹斗くんと二人になっていて。

 ちなみに、知乃ちの先輩は今日ご用事があるとのことでお会いする予定はなく。もちろん、それ自体はとても残念ではあるけれど……でも、こうして二人とのんびり話すのもやっぱり楽し――

 


「……なあ、陽奈。最近、なにかあったのか?」

「……へっ? ……ああ、えっと……」


 そんな感慨かんがいの最中、ふとそう問いかける鷹斗くん。突然の問いに少し驚いたものの、流石に何の話かは理解できて。ここ最近、ホームルームが終わったら僕がすぐに帰ってしまっていることに関してで間違ないかなと。鷹斗くんと心配してくれていたと、三週間ほど前に海月も言っていたし。


 とはいえ……さて、どう答えたものか。海月に聞かれた時もそうだけど、二人には申し訳ないけど少し特殊な事情ゆえ本当のことを話すわけにもいかなくて。……うん、やっぱりここは――



「……その、やっぱり邪魔しちゃ悪いかなって……」


 そう、たどたどしく口にする。まあ、海月にもそう伝えたからこう言わなきゃ不自然だし……それに、実際のところこれはこれで本音で――



(……まあ、そう上手くはいかねえよな)

「……へっ?」

「……いや、何でもねえよ」


 すると、柔らかに微笑みそう口にする鷹斗くん。だけど、その前に何を言ったのかは聞き取れず……うん、まあいっか。また言いたくなったらその時に言ってくれるだろうし。


 





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