アイラとリリィの復活(後編)
アイラとリリィ――元は一つのアンドロイドであった二人の関係。
その秘密が明かされ、明日香たちの次の行動が決まる。希望と再会の光が、再び歩みを促す章。
リリィが姿を整えると、すぐ横でアイラが腕を組んでニヤリと笑った。
「いや〜、にしてもだべ。リリィ、相変わらずホログラムのくせに、登場が派手だべさ」
リリィはムッとしながら反論する。
「ちょっと!“ホログラムのくせに”って何? 私の方が通信安定率も演算速度も上よ?」
「けっ、スペックだけで姉ぶるなだべ! そもそも、“アイラ”って名前は私のもんだべ!」
「でも博士は、私のことを“娘みたい”って言ってくれたの。ねぇ、明日香?」
「ちょ、ちょっと待って! なんで私に振るの!?」
アイラは胸を張って言う。
「明日香がヨチヨチだった頃から面倒見てたのは、私だべ! おねしょのシーツとか洗ったべ」
明日香
「アイラそれは、もういいから!!」
リリィがふふんと笑う。
「でも加奈子博士、夜遅くまで一緒に研究してたのは私よ?」
「そりゃホログラムだから眠らねぇだけだべ!!」
二人の言い合いは次第にヒートアップし、ついには「どっちがお姉ちゃんか」論争に発展。
「初号機を先に完成させたのは私だべ!」
「いや、知識や意志を提供したのは私よ!初号機がなければ私は形にならなかったわ!」
アイラ初号機の開発時期やAIの立ち位置まで議論は飛び、結局どちらがお姉ちゃんか決着は付かない。
明日香はため息混じりに手を振った。
「……二人とも、私はどっちも大好きだよ」
二人は一瞬ぽかんとし、視線を交わす。やがて頬を赤らめ、微笑んだ。
「ま、まぁ……そう言われたら悪い気はしねぇべ」
「……ふふ、明日香ったら、ずるいわね」
場の空気が一気に和み、達也がぼそりと呟く。
「やれやれ……姉妹ってのはどこの世界でも騒がしいもんだな」
リリィが苦笑しながら言う。
「そうね。でも……私たち、本当の意味で“姉妹”かもしれない」
アイラが頷き、声のトーンを落とす。
「んだ。今のうちに話しておくべ――私とリリィの関係を」
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アイラは明日香と達也をまっすぐ見た。
少し間を置き、静かに語り出す。
「私とリリィは、もともと一緒のアンドロイド――“アイラ”だっただ。
けどな、クロノスリリィを完成させる時間が足りなかった波川博士は、私の中から“波川博士の記憶と意志”の部分を切り離して、別のAIに分けたんだべ。
それが――リリィだべさ」
明日香と達也が息をのむ。
アイラは微笑みながら、指先で自分の胸をとんと叩いた。
「リリィのデータは、私からクロノスリリィに転送された。
だから、私とリリィは“元は同じアイラだった”というわけだべさ」
にっこり笑うアイラに、リリィも小さく頷いた。
「そう、私たちは――ツインリンク(姉妹AI)なんだよ」
アイラもにっこり笑い胸を張りながら言った。
「そう、私たちはツインリンクだべさ………」
「ところで、リリィ…ツインリンクって何だべ?」
リリィ「もぉ、アイラったら相変わらずなんだから」
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達也が腕を組みながら、笑う。
「やれやれ、賑やかになったな」
明日香は笑いながら頷く。
「本当に。でも……まだ、情報は集まってないね」
達也は優しく微笑み、明日香の背中にそっと手を当てる。
明日香は深く息を吸い込み、周りを見渡す。
リリィもアイラも、その視線を感じていた。
> 「さあ、みんなで、力を合わせて、次に進みましょう」
その声に、全員の心が一つになった。
その時、ホームの奥で、封鎖されていたゲートがわずかに開く。
風が吹き抜け、夕日の光が舞った。
明日香たちは顔を見合わせ、歩き出した。
希望と再会の光を背に――。
後編では、ツインリンクの秘密が明かされ、チームとしての結束が固まりました。
物語はここから新たな局面へ――光と希望を胸に、次の冒険へ進みます。




