表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Chronos Lily ― クロノスリリィ 時空との戦い  作者: 猫田笑吉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/34

託された未来

嵐の前の静けさ。

母・加奈子の視点から描かれるこの章は、物語の中でも重要な「始まりの真実」。

“クロノス”という名の装置、そして“未来を託す”という決断。

彼女の覚悟が、明日香の運命を動かす――そんな瞬間を感じながら読んでみてください。

明日香が眠った後、加奈子はリビングで仕事を片付けていた。

資料の山を整理しながら、机の上には走り書きのメモがちらほら散らばる。

「……まだまだやることいっぱいね」


娘には、この準備のことはまだ知らせられない。でも、いずれわかる日が来る――。

静かに深呼吸し、加奈子は心を落ち着ける。心の奥で、胸が高鳴るのを感じながら――。


そのとき、スマホが鳴った。

研究員からの緊急連絡だ。

「博士、クロノスの制御が不安定になってます!」


加奈子は一瞬固まる。

――クロノ因子。

時間と生命の情報を操る未知の粒子。

それを制御する為に開発されたのがクロノス…

そのクロノスが暴走すれば、世界そのものの「時間軸」が崩壊する。


彼女はすぐに頭を切り替えた。

「直ぐに行く!」


加奈子は慌てて準備を整えると、研究所へ向かった。

到着した研究室は相変わらず重い空気に包まれている。

金属の匂いと電子機器の微かな振動が混じり合い、モニターの赤い点滅は無秩序に光を放っていた。

クロノ因子の暴走は、すぐそこまで迫っている。


研究員たちの間に緊張が走る。

「波川博士! もう限界です! クロノ因子の暴走は、計測器の限界を超えています!」

「止める方法は……?」

「止めるのではない。未来を託すのよ。明日香ならできるわ。」


研究員たちは戸惑いの色を隠せない。

「でも、あの子に……危険すぎます!」

「他に方法があるの?」

加奈子は声を震わせず、しかし確かな意思で答えた。

「ないの。彼女しかいない。」


クロノ因子の波動が部屋の空気を震わせ、電子機器の画面を揺らす。

赤い警告音は絶え間なく鳴り、計器の針は危険領域で振り切れている。

「……わかりました、博士。全力でサポートします」

研究員たちは覚悟を決め、最後の準備に取りかかる。


加奈子は社員証の裏のプリクラを見つめた。そこには親子3人の笑顔が咲いていた。

「明日香……お願い……未来を守って。」

写真をそっと撫でた瞬間、重く歪んだ空気が震え、部屋中の電子機器が警告音を鳴らした。

時間が、世界が、まさに崩れようとしている。


だが、加奈子の目には恐怖よりも確信が宿っていた。

未来を託す者――それは、明日香しかいないのだから。



この章では、「母の愛」と「科学者の決断」が交錯します。

加奈子が感じていたのは、恐れではなく希望。

それが“未来を託す”という選択につながりました。

次章では、いよいよ明日香自身がその“託された未来”と向き合い始めます。

時間が動き出す音を、どうか見逃さないでください――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ