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王太子殿下はお亡くなりになりました。

作者: みあみあ

「昨日、王太子殿下が亡くなったよ」

「左様でございますか」




シャングリラ王国の王太子殿下は、控えめに言ってクズ野郎でした。


確かに出来の良い子とは言えないが、大人になれば王太子として相応しく成長するだろう。


王太子殿下が幼い頃には、そう考えておられた国王陛下や王妃殿下も、気質が変わらないまま17歳になった王太子殿下を、先月とうとう幽閉なさいました。


もちろん表向きの理由はご病気ですが、実際には次期国王としての資質無しとして処分されたのでございます。




それは両陛下にとってどれだけ辛いご決断だったことでしょう。


10年間子宝に恵まれなかった王妃殿下がようやくお産みになった、唯一のお子です。


5代前に廃止された側室制度を復活させるべきと主張する貴族の声にも負けなかった国王陛下と王妃殿下の愛の結晶。


王太子殿下がお生まれになったとき、王都では一週間に渡り祭りが催され、どんな田舎でも王太子殿下のお名前にあやかった名前がつけられるベビーブームを生むほど、国中が歓喜に湧いたのです。



そんな待望の王太子殿下ですが、決して甘やかされた訳ではありません。


次期国王となるべく、厳選された教師陣を両陛下と重臣たちが厳選し、最高の教育が与えられたはずでした。


いったい何故こんなことになったのか、両陛下は大層お心を痛めておいででした。


婚約者であったわたくしには謝罪を述べてくださいました。


公の場で国王陛下から謝罪をいただくことで、わたくしの次の婚約に差し支えることのないよう、ご配慮くださったのです。




「でも、私的な場だからといって、両陛下から何度も頭を下げられるのはとても心苦しかったわ」


「すまないね。君にはなるべく苦労をかけたくなかったのだが」


秋風が薔薇のアーチを通り抜け、わたくしの髪を揺らします。


「いいえ、苦労だなんて思わないわ」


だってこれからのわたくしは、揺れるわたくしの髪に送られるあなたの熱い眼差しを、見つめ返すことができるのですもの。





初投稿です。

お読みいただきありがとうございました。


みあみあ

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― 新着の感想 ―
[一言] もう少しこうなった経緯を肉付けした方がいいかな?と思いました。
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