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吸血鬼はなぜ日常の謎を探し求めてしまうのか?  作者: 笹帽子
第2話 吸血鬼はなぜ目玉の謎を白日の下にさらすのか?
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2-1

 あの、これは、私が、学校の中を歩いていて見つけたものなのですけれど。

 見つけたというか、かなり目立つものなので、きっと部長さんも、霧島さんもご存じだろうと思います。

 そう、目の話です。

 目玉の話。


 3棟3階の、美術室の前の廊下の天井に、目があるという話です。


 やはりご存じですよね。

 そうであれば、あれは、うちの学校の生徒にとっては当たり前の存在なのかもしれませんが、けれど、私にとっては珍しく見えました。特別かもしれないな、と。謎だな、と、思ったのです。


 黄色と、黒と、赤で描かれた大きな目玉。あれは、ベニヤ板みたいなものに、ペンキか何かで描かれているんでしょうか。

 田んぼや畑で、鳥を追い払うために、ああいう目玉模様をひらひらとさせるものがありますね。けれど、あの目玉が設置されているのは学校の廊下、それも天井です。そこで鳥を避けるというのは、違うと思いました。

 そうでなければ、あの色合いは、歌舞伎の隈取りを連想させます。隈取りのようなキリッとした目ではなくて、まん丸ではありますが、黄色と、黒と、赤の色で目玉を描けば、似たような印象になります。隈取りの目を描いた防犯ステッカーなら、街で見かけることもあります。けれど、あの目玉が設置されているのは、やはり学校の廊下、それも天井です。あの廊下で、生徒が何か悪いことでもするのでしょうか。そんなに危ない場所には思えません。

 そうすると、あれが一体何なのか、私にはわかりませんでした。

 あの目玉が、何を見ているのか。何のためのものなのか。

 それは特別かもしれない、きっと、謎に違いないと思いました。

 だから、今日はその話をしようと、決めてきたのです。


 あの、そういうことでは、なかったのでしょうか?


※本作品はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

※今回の第二話には、過去の豪雨災害に関する記述が含まれます。直接的な被災の描写はありません。なお、作品世界の時代設定としては、平成26年8月豪雨(広島土砂災害)および平成30年7月豪雨(西日本豪雨)以前を設定しています。上記を含む豪雨災害によって亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。


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