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24時間テレビ

作者: 葛糸 胡瓜
掲載日:2018/08/25

前書きだあーーー!

「24時間テレビってさー」と話しかける山本は人の家だというのに横になって携帯をいじっている。暇だからという理由で押しかけてきてもう二、三時間はこうしている。こうしている間にも現在進行形で大学生の夏休みは終わっていることに僕らは気づかない。

ちょうどテレビでは24時間テレビがマラソンのスタートを中継している。この人は誰に求められて走るのだろう。みんなの期待とそれにかかる労力がつりあっていないんじゃないかと思ってしまう。

「24時間テレビってさー」

「なんだよ、帰れよもう」

「24時間テレビってさ、24時間やってるかわかんないよな」

「は?24時間テレビなんだから24時間やってるに決まってんじゃねーかよ」

「だけどさお前24時間テレビ24時間見ないだろ?」

「まあそうだけど」

「だろ、ってことはさ俺らがテレビ消してる間は24時間テレビやってないかも知んないじゃん」

「なんだよそのくだらねー理論」

そういうと山本は落ちてたリモコンを拾ってテレビの電源を消した。

「はい、やってない」

もう一度テレビの電源を入れる。

「やってる、やってない、やってる、やってない」

山本によって点いたり消えたりするテレビはパラパラマンガのように場面が展開する。今ちょうどマラソンがスタートした。マラソンランナーは常にテレビに映っているわけではないだろうがきっと見えないところでも走っているのだろう。そんなことを考えていると、テレビの電源がついているのに画面はつかない。真っ黒な画面が僕ら二人の顔をただ映し出す。

「おい!お前のせいでテレビ点かないじゃねーかよ」

その返事を待つ前に、いかにも仕事を忘れていましたと言わんばかりに、慌ててテレビが点く。

「そもそもさ、見てなかったらテレビやってないかもっていうんだったらさ、俺が今見えてない街の景色とかブラジルとかだって存在してるかわからないじゃねーかよ」

「そうだよな」

自分から振ってきた話題の割に山本は興味なさげだ。

「じゃあ俺帰るわ」

来るのも急だが帰るのも急だ。山本は立ち上がると玄関に向かった。俺がいる場所から玄関の扉までは約5メートルぐらいで、動かなくても直接見える位置に僕はいる。

山本は扉を出たかと思うと、何度も開けたり閉めたりをする。

「存在する、存在しない、存在する!」

たぶん山本は、僕が見ていない世界が存在しているかどうか分からないと言ったから 、扉の外にいるとき自分は存在してないと言いたいのだろう。

「いいから帰るなら帰れよ!近所迷惑だろ」

「はーい」

山本のだるそうな返事が聞こえる。だるいのはこっちだ。家の中で存在していた山本は外に出る。そして扉は完全に閉められた。

僕の存在が消える。僕は山本に関わっていない間は存在しない。

後書きだだだ!!


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