表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

五話

囚われの身となったジュンに道行く人々はヒソヒソと話し


「あんな子供のくせに悪いやつなのね」


と、言って、冷たい目で見たり、人によっては小石を投げたり、唾を吐きかけたりします。


そのようにして警察に着きました。


警察についたジュンは、自分の無実を訴えましたが無駄でした。


作り話だと言って相手にさえしてくれません。


警官達は


「現場に居たのが何よりの証拠だ」


と、言い張り、ジュンを殺人犯として、大きな岩戸の牢屋に入れました。


殺人犯といっても、あれほどたくさんの人を殺した極悪非道の人間と、警察では思っていますので、誤解が晴れないと確実に死刑になります。


まだ、若く幼い顔の残った、子供のようにあどけないジュンが、誤解の上で殺人犯として死刑になるには、あまりにも哀れすぎます。


ジュンは自分の身の不運を嘆き悲しみました。


(僕は何でこんなにもついていないのだ、母さんさえ生きていてくれていたら、こんな事にはならなかったのに、母さんが生きているときは、貧しかったけど幸せだったのに)


命がかかっているので愚痴っぽくなるジュンでした。


母さんの事を考えると悲しくなり、涙が自然と頬を伝わり流れます。


頬に涙の感触を感じるとなおさら悲しくなり、声をあげて男泣きしました。


幼い頃も


「貧乏の子、泣き虫、きたない」


と、言われたり、つつかれたり、からかわれたり、馬鹿にされたりしました。


貧乏ゆえの苦しみでした。


貧乏の家庭に生まれ、母の細腕で育てられたジュンはいじめられてばかりで、友達もいない寂しい子供でした。


しかし、ジュンは優しい子供でしたので、父や人を恨んだりはしません。


優しく純情で正直ものでした。


ジュンの母さんは、いつもジュンに言いました。


「ねえ、ジュンや、うちみたいな貧乏な子は、辛い事がいっぱいあると思うけど、この地球は太陽様がお作りになられたところです。


私たち人間も神々がお作りになられたのですよ。


神様から授かった命です。


だから、何か困った事に出合った時には、どのようにすれば神様がお喜びになられるかをよーく考えて、自分の生き方を決めるのですよ。


天道を歩けば必ず御手が延び、助けてくださいます。


人間は神様がお作りになられました、しかし、時として、サタンの爪にかけられた人間がいます。


だから、真面目な人間が苦労する事があります。


しかし、必ず道は開けます。


神様を中心とした考えで生きていれば、例えどのような罠、陰謀、策略、どのようにもつれた糸でもほどけます。


行き詰まるという事はないのです。


神の真理とはそのようなものです。


神様は何もかもお見通しだから、そのようになるのです。」


と、耳にたこができるほど何回も聞かされました。


「ジュンや神様がいらっしゃる証拠に、空気、水、食物を与えてくださっているでしょう。


そのような神様に人間は愚痴ばかり言って、何一つお返しもしないのに、神様は次から次へと、必要なものを与えてくださっているでしょう。


神様に感謝し、神様の愛を信じる事です。


神様の存在を信じる事です。」


と、言っていた、その優しい母の笑顔が目の前に浮かんでは消え、消えては浮かんでくるのです。


「母さん、母さん、僕はどうすればいいのですか」


ジュンの目に再び涙が光りました。


ジュンに見える母さんの微笑みは


「神様におすがりするのよ」


と、言っていました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ