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最終話

〜ジュンの就職〜


署長は、みんなの前でジュンに言いました。


「ジュンさん、お詫びと言えば、実に、、、うーん、、、なんと言ったらいいか、そのー、私の罪の償いをさせて欲しいのです」


「罪の償いですか?」


「そうです、死刑台に乗せた事です」


「署長さん、その事については、お忘れください。悪気があったわけではないのですから。僕は、さっき言ったように、ヘンリー農園の人々を救ってくださった、ご立派なお方だと思っていますから」


「そう思って頂くと本当にありがたいです。ジュンさん、いや、あの実は、さっき、私の友人に電話をしました。貴方がお婆さんとお話なさっていらっしゃる時にです。その友人は、アメリカで自動車会社を経営しています。その友人に貴方の事を話しました。すると『我が社に来て欲しい。ぜひ来てくださる事を望みます』と言っています。その友人は熱心な信者さんで、神様の存在を心から信じている人です。だから、貴方にとって働きやすいでしょうし、又、働きがいがあるのでは、と思いまして。行く行かないは貴方のご自由ですが、一応、考えてみてください」


ジュンは、署長さんのように偉い人に、敬語を使われたのは生まれて初めてですので、すごく自分が偉くなったような錯覚を覚え、夢を見ているようにぼんやりしていました。


すると、お婆さんが


「ジュンや、署長さんがあんなに言ってくださっているからお受けしたら。お婆さんは良いお話だと思うわ」


お婆さんの声でジュンは我に帰りました。


「は、はい。喜んでお受けいたします」


その言い方がすごく滑稽だったので、船長さんも、署長さんもお婆さんも、ヘンリー農園の人達みんな大声で笑いました。


そして、みんなで


「ジュン、よかったね」


「ジュン、よかったね」


みんな大喜びしました。


ジュンは自動車会社の社員になりました。


そして、初めて給料をもらった時、ヘンリー農園へと急ぎました。


お婆さんをはじめ、農園の人達に沢山のお土産を持って訪ねました。


ヘンリー農園の人達は


「あら、ジュンや立派になったね。背広など着ちゃってさあ、すっかり見違えちゃったわ」


みんなからからかわれました。


そして歓迎されました。


ジュンはみんなの前で言いました。


「お婆さんを入院させたいのです。立派な病院へ入ってもらって、適切な治療をしてもらいたいのです。そして、少しでも早く病気を治して欲しいと思います

ヘンリー農園の皆さんは優しい人ばかりで、お婆さんのお世話も十分過ぎるほどして頂いています。だから、お婆さんはここを離れたくないかもしれません。しかし、病気は病院で高度な治療を受けなければいけないと思います。皆さん、私からのお願いです。病院へ連れて行く事をお許しください」


「ジュン、貴方は優しい子なのね」


「ジュンは、子供じゃないよ。その証拠に背広を着ているよ」


「そう聞けばそうだ」


又、みんなで大笑いしました。


ジュンも照れくさそうに頭をかいています。


暖かい笑いに包まれていると、幸せがひしひしと身を包みます。


「ジュン、お婆さんと別れるのは辛いけど、病気が良くなれば、又、一緒に働けるから。お婆さんだってきっと喜ぶわ」


みんなの賛成を受けてお婆さんは、大学病院へ入院する事になりました。


二ヶ月もすると、お婆さんの病気はすっかり良くなり、ヘンリー農園でみんなと一緒に、働く事ができるようになりました。


ジュンは、自動車会社で一生懸命で働きました。


勉強もしました。


仕事に行き詰まりくじけそうになると、死刑台の事を思い出し、冷たい銃口の先から、いつ弾が飛び出し自分の体にいつ蜂の巣を作るかと、恐ろしく苦しんで冷や汗を流したその瞬間の事を思えば、どのような辛い行き詰まりも、乗り越える事ができました。


ジュンは、仕事に勉強に我武者羅に打ち込みました。


その努力が実って、宇宙遊泳自家用車を開発しました。


宇宙遊泳自家用車とは、宇宙を自家用車で道路を走るように走る事ができる車なのです。


その車は、普通の自動車、飛行機、宇宙ロケットを合体させたものです。


百メートルの距離を滑走すると、自動的に両翼が出てきます。


すると、飛行機となって空をとびます。


短距離の滑走路で簡単に、離着陸できるという利点があります。


地球と宇宙の空間に達すると、自動的に両翼ははいりこみ、尾部が開き噴射口となり勢い良く火を噴き出し、ロケットとなり、宇宙へと飛びます。


火が消え自動車となり、宇宙遊泳としゃれ込むことが出来るのです。


宇宙の流石を、コンピューターによってキャッチしますので、流石と衝突することはないのですが、自動車と自動車の衝突を避けるために、宇宙の道路が必要だとジュンは言いだしました。


ジュンは、宇宙コントロールタワーを作りました。


又、どのような事故が起こるかわかりませんので、その時に備えて宇宙服も作りました。


その宇宙服とは、宇宙遊泳自動車が大破した時、宇宙をふわふわと飛ぶことができます。


胸にボタンが付いていて、そのボタンを押すと、自分の思うところへ飛んでいける仕組みになっています。


愛する我が家のボタンを押すと、自分の家の玄関に辿り着く事ができます。


子供でもできるような簡単な操作です。


ジュンは、このような素晴らしい自動車と宇宙服を作り出したので、人々から高い評価を受けました。


宇宙開発の先駆者として、世界に名を高めました。


こうなると、ジュンを追い出した父さんが


「ジュン、ジュン」


と言って来ました。


優しいジュンは、父さんを許し、父さんと結婚した女の人も一緒に生活しました。


お婆さんも大事にして一緒に暮らし、みんなで宇宙遊泳しました。


ジュンの成功について人々は噂しました。


「ジュンは母の姿を宇宙に求めたのだろう。亡くなった母が宇宙にいるように思えて、母さんに会いたいがために、狂気したようになって、宇宙遊泳自動車開発に打ち込んだのだろう。ジュンの母を思う気持ち、母が子を思う気持ちが、愛通じ合って宇宙遊泳自動車を作り出したのだ」


と、人々は、ささやきあいました。


本当にこのような自動車、宇宙服ができるといいですね。

ジュンは、哀れな星の下に生まれましたが、神の愛が光りました。

誠の愛に生きるのが人生最良の知恵のようです。


宇宙遊泳自動車


一、僕は宇宙遊泳自動車

宇宙を飛べば星の妖精たちが迎えるよ

妖精たちが迎えるよ

妖精たちは

オーロラをまとい

ダンスする

美しい光景だ


二、僕は宇宙遊泳自動車

お月様は一人

光の子がキラキラ見守っている

光の子たちは

光の歌を歌って

舞を舞う

素晴らしい光の舞

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