キネマトグラフ 初恋の森 作者: 水上 遥 掲載日:2014/06/17 星を取ろうと梯子をかけて、 月まで昇ったツグミは鳴いた。 キキンキキンと空気が震え、 口実の出来た夜更け過ぎ。 時速30キロで走り抜けて、 逆立ちネコはやってくる。 「嘘つきはビー玉の目をしている」 それでも目を逸らしてはいけないよ。 樹の上に立っているんだね。 切られる前に飛び移る。 倒された樹のことは、 思い出せない瑠璃色模様。 銀色の風がケヤキを揺らし。 黄金色のメトロノーム。 急ぐ必要はないけれど、 心臓がわがままです。