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暁に消える翼 13

 屋敷から離れていつもの公園に辿り着くと、整が「様子を見てくる」と言いだした。


「私も――」


 と琉哉は言い掛けたが。


「ルカ姉は燃えてる中に飛び込んで行きそうだから却下」


 きっぱりと言い返されてしまった。


「掟君、ルカ姉が変な事しないように見張ってて」

「変な事って」

「しないって言える?」

「…………」


 畳み掛ける様に言われ、琉哉は不服そうに整を見る。


「ルカ姉、気になるのは分かるけどさ。現場に親戚の僕がいるのと、三年前に死んだ娘の友達のルカ姉がいるのとじゃ周りの反応は違うでしょ?」

「それは……そうだけど」

「もし警察に事情を聞かれたら上手く誤魔化せる自信ある? 三年前に死んだ友人が生きていて家を放火しました、なんて言ったら逆にルカ姉が疑われるんだよ? ――それに」


 反論できずにいた琉哉に、


「ヒト兄の最後の言葉を、約束を守らなきゃ」


 かつての愛称で原八木の名を呼び、整は苦笑した。


「有真院長殺害と放火の犯人は原八木匡仁。動機は院長の不正行為の糾弾。……そういう事に、しなくちゃならないから」


 暁の存在を知っている人間は親族の中では整だけになってしまった。

 だからこそ、暁は『三年前に病気を苦に飛び降りた娘』としておかなければならない。

 有真院長の罪を増やしてはいけない、原八木の決意を無駄にしてはいけない。


「たかが高校生が言う言葉を信用してもらえるかは分からないけど物証もあるし。事情を知る人間(身内)としては、何とかしてあげないとね」


 琉哉はその言葉に、何も言い返す事はできなかった。

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