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暁に消える翼 2

『私の事、覚えててくれたんだ』


 自分の名前を呼んで貰えて嬉しかったのか、電話の向こうではしゃぐような声がした。


「……忘れる訳、ないじゃない」


 ――落ち着け。


 今は三年前じゃない。


 何とかうるさい心臓の音を抑えようと、琉哉は自分に言い聞かせた。


『だって、最後に会ったのは入院前だし、会話をしたのは『あの時』が最後だったし』


 思い出す様に暁が言う。


『それに――私の事、死んだと思っていたでしょう……?』

「っ、それはっ」

『別に琉哉の事を恨んでなんかいないわよ? ただ、そうまでして私の事を隠そうとした病院を……いいえ、父親を憎んではいるけれど』


 暁の口調が暗さを纏う。


『意識を取り戻した時には既に死人扱いで、身内以外誰にも会えなくて。ただでさえ重傷だったから八つ当たりで屋敷の中でリハビリしまくったのよ』

「……それは……何というか……が、頑張ったね……?」


 何と言って良いか分からず、琉哉はとりあえずそう言った。


『頑張ったよ。お陰さまで全力疾走はできないけど普通に歩いたり手を動かしたり出来るようにはなったかな。でも感謝はしないけどねあのクソ親父!!』


 三年前より感情の起伏が激しくなっている様で、今度は憤慨し始めた。


『家から出られないから屋敷にはほぼ監禁状態だし。なのにヒト兄は仕事の無い日は見張ってくるし琉哉に会わせてくれないし抜け出そうとしたらタイミング良く現れて捕まるし!!』

「あ、ああ、うん……うん?」

 そこで琉哉は疑問に思った。


「でも暁、暁が使ってる携帯って原八木先生のだよね?」

『あんなのに畏まって『先生』なんて付けなくていいのに……携帯は無理矢理奪った』

「え」

『心配しなくても電話が終わったらちゃんと返すって』


 何でもない事の様に、暁は言った。

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