猫と天使と二重存在 18
「――なるほど。私のいない間にそんな事が起きていたのですか……」
掟のアパートのリビングで、琉哉から連絡を受けた巡は言って。
その場にいる琉哉、掟、整の順に視線を移してから、改めて整に挨拶をした。
「海浦整さん……初めまして、で宜しいですか?」
「あー……うん。初めまして巡ちゃん。昨日は傍観したみたいな形になってごめんね? 一応、危なくなったら止めに入るつもりではあったんだけど」
整は困った様に頬を掻きながら言った。
「……で。『それ』、持ってきてどうすんだよ」
掟がぼそり、と整の手元――の床に置いてある『それ』を見て嫌そうに言う。
『それ』とは高也が投げ捨てそのままにされていた『翼』である。
「これ? 原八木センセイに後で渡しとく。治療の役に立つかもだし」
「そういえば、さっき電話を掛けてたけど、それって原八木先生だったの?」
アパートへ向かう途中で、整は誰かに連絡を取っていたのを思い出し、琉哉は聞いた。
「うん、中原君を煽ったのは僕だし、何かあったらまずいから、先生に話しておこうと思って」
「……それで、なんだけど。みう君に聞きたい事があるんだけど……」
「……うん。何を聞きたいのかは分かってる」
口にするのを躊躇う琉哉に、申し訳なさそうな表情で整は告げた。
「アキ姉――有真暁は、まだ生きている」




