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猫と天使と二重存在 10

 琉哉と巡と話し合った翌日。


 登校した掟は教室に入り自分の席へ着くと、ぐるりと教室内を見回した。

 いつもより早く来たので、生徒の数はまだ少ない。


 病欠しているクラスメイトは、今日も欠席だろうか。


「……」


 視線を机に向け、そのまま頭を乗せた。


 今掟が使っている机と椅子は、かつて標が使っていた。


 標が亡くなって暫くは机に花が飾られた花瓶が乗っていたが、転校生が来る事が決まった時に少々問題が発生した。


 話は聞いているのかもしれないが、亡くなった生徒のいる教室に転校生が入る事で何か不用意に騒ぎ立てる生徒が出ないだろうかと担任の教師は悩んでいた。


 そして机の問題もある。


 花瓶の乗った、亡くなった生徒の机。


 それに気付いた掟は、担任に自分から標の席を自分が使用する事を提案した。


 気まずそうに自分に接してくるクラスメイトもうざかったから丁度良い。


 標の両親には自分から説得し、転校生が来るまでには納得して貰った。


 ――酷い友人だと思われただろうか。


 掟は軽く自己嫌悪に陥り掛けたが、


『掟にしては珍しく他人を思いやった行動ですね』


 と、巡にフォローにならない言葉を掛けられた。


 それを思い出し、掟は再度憂鬱になる。


 巡と会話をすると、何故か精神的に疲れる気がする。


 女子中学生にプレッシャーを加えられている様な自分の現状にげんなりした。

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