黒い翼と出合いと別れ 36
――標が亡くなったのは、琉哉が病室へ行った、約一週間後だった。
琉哉は原八木経由で連絡を貰ったが、葬儀には参列しなかった。
そもそもが赤の他人である。
親族に怪訝な顔をされるだろうし、そうなったら説明に困る。
病室で最後に会ったその日から、琉哉は標に会う事はなかった。
――考える、と約束した。
だが、再び標に会ったらきっと、逆にその決意を消してしまいかねない。
弱った標に、友人を重ねてしまうかもしれない。
それだけは、嫌だった。
彼は彼のまま、『縞朔標』として、自分の中に遺さねばならない。
それが琉哉なりの標に対する弔いだった。
いつか、自分自身を本当に許せる様になったら、標の墓へ行こう。
――琉哉はそう、考えていた。
これにて『黒い翼と出合いと別れ』、完結となります。
ちなみに『出会い』ではなく『出合い』としたのは単なる変換ミスです(今更)
途中で気付いて変更しようかと思いましたが、何となくこっちの方がしっくりきたので変更はしませんでした。
色々と読みづらい点はあったかと思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
この後は標視点の話を一本入れまして、もう一つ事件を挟んで最終章となります。
お付き合いいただける方は、もう暫く宜しくお願い致します。




