表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/81

黒い翼と出合いと別れ 30

「そっか。それじゃあ標君は、こう言うのもなんだけど、もう大丈夫なんだね」


 琉哉は笑みを浮かべて言った。


 ――上手く笑えているといい。


 そう思っていると、標が真剣な表情をした。


「大丈夫、って言うとなんか変な感じだけど、うん。死に急ぐのは止めた。……だからお姉さんも、一緒に生きよう?」

「……え?」


 何を言われたのか分からず、琉哉は戸惑った。


「お姉さんの時間は友達が死んだ時のまま止まってる。だからさ、お姉さんも一緒に前に進もう? 僕がそう思えたんだから、お姉さんも大丈夫だよ」

「でも」

「でも?」

「私は――」


 言い掛け、何を言うべきか言葉に詰まった。


 ……今、自分を否定すると、標の決意を否定してしまう。


 しかし、ただ惰性に生きてきた時間を変える事は難しい。


 自分で死ぬ事ができないまま、三年前の罪を抱えて停滞しているだけの日々を。


「……ごめん。気持ちは嬉しいけれど、今更私は変えられない」


 考えたが、きっぱりと琉哉は首を振った。


「お姉さん」

「やっぱり原八木先生の言う通りだ。私は標君の邪魔になる」


 言って、琉哉は椅子から立ち上がった。


「お姉さん!!」

「標君が暁と同じ思いをしない様に、掟君が私と同じ思いをしない様に、私はもう君達には関わらない」


 標の声を無視して告げ、笑みを浮かべた。


「短い間だったけど、会えて良かったよ。これは本当」


 今度は、素直に微笑む事ができた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ