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黒い翼と出合いと別れ 21

 琉哉が走り去った後。


 人気のなくなった標の病室の扉を開け、掟は中に入った。


「あ、掟」


 気付いた標は笑って掟を見た。

 普段通りに振る舞おうとしてはいるが、顔色は悪い。


 起き上がろうとした標に「黙って寝てろ」と言い、掟はベッド横のパイプ椅子に腰をかけた。


「お前、何であの女の所になんか行ったんだ。しかも一人で」


 先程の原八木と琉哉の会話を思い出し、掟は標に聞いた。


「…………」

 標は黙り込んだ。


「……何なんだよ。お前だけじゃない、あの女も、医者も訳分かんない話ばっかしやがって」


 自分にだけ知らせない様にしているとしか思えない。


「医者? 医者って原八木先生? 先生がどうかしたの?」

 黙っていた標が口を開いた。


「……知らないのか」


 掟は言おうか悩んだが。


「いや。やっぱお前には教えない」

「えー!? 気になるじゃん!! 教えてよ!!」


 標は口を尖らせて言う。


「じゃあ交換条件を出そう」


 掟は予想通りに食いついてきた標に対しても言った。


「お前が隠している事を話せ」

「それは……」

「もしかしたら、関係があるかも知れない」


 確証は無かったが、それぞれが何か自分に隠しているのは間違いない。


「……言ったら、きっと掟は怒るから」

「言わなくても怒るぞ。というかむしろ今怒ってる」


 掟が睨むと、標はベッドの反対側に身を寄せた。


「ふざけんなよお前。勝手に自分だけ納得してんじゃねえよ」

「だって、掟には関係無いじゃない」

「『関係無い』? ここまで巻き込んどいてどの口が言うんだコラ」


 椅子に座ったまま、掟は標のベッドの端を蹴った。


「俺には全てを知る権利がある。だから話せ」


 暫く睨み合った後。


「……それ、もう交換条件じゃなくて脅しだよ」


 諦めた様に標は笑った。

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