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黒い翼と出合いと別れ 10

 少年は自分達の名前も名乗ったが、それどころではない。


「不法侵入」


 ようやく、流哉はそれだけを言った。


 免許証が抜き取られていたという事は、彼等が最初から自分を見逃す気は無かったという事だ。


 昨夜の態度は演技だったのかと考えると、自分の迂闊さに嫌気がさした。


「訴える? 警察を呼ぶとか?」

 笑顔で標が言った。


「お姉さんがそうしたいなら僕は別に構わないけど」


 何気に頭が良い、と流哉は舌打ちをしそうになった。


 警察を呼ぶならば、昨日の段階でそうしている。


「おい、話してないでこっち手伝え」

 遮るように、居間と台所を繋ぐドアから掟が顔を出して標に言った。


「えー」

「えーじゃない。手伝わないなら食わせない」


 ちぇー、と言いつつ立ち上がった標に、流哉は今更ながら疑問を口にした。


「……ところで、人の家で何してんのあんたたち」

「あ、そうだ忘れてた」


 標は笑顔で言った。


「一緒に朝ごはん食べようと思って」

「…………は?」

「掟ってば意外と料理上手いんだよ」


 言って、標はそのまま台所へと向かった。


「……いや、待って。何、何なの」


 標の言葉に唖然としたが、流哉は慌ててその背中を追った。


「ちょっと、何勝手な事してんの」

「文句ならこいつに――」


 台所に入ってきた流哉に対し掟が何か言おうとしたが、途中で切ると何故か溜息を吐いた。


「文句言う前に着替えてくれ」

「………………」


 パジャマ姿のままだった。


 掟の言葉は尤もだとは思ったが、納得するのも何か癪なので、流哉は無言でドアを思い切り閉めた。

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