学園探求部 ”二つ名”
短編のつもりが長くなりました。久しぶりの短編です。
この作品ジャンルは、推理ものです。でもコメディーのように笑ってもらえたり、感心してもらえたら幸いです。
"二つ名”それは……別の言い方を挙げるなら、別名、異名、通称、コードネーム。二つ名をつけられた人々は、その事に歓喜するのだろうか? それとも涙を流すのだろうか? その涙の雫は、たかがH2OされどH2O……その涙は少しほろ苦い。(アニメ デート・ア・●イブ OPナレーション風)
今はなんの取り柄もない一般の男子高校生である僕だが、そんな僕にも昔は二つ名があった。
とある大人気オンラインRPGゲームでの僕は日本中で数少ない有名プレーヤーだった。
無名だった頃の僕を一気に有名にしたのは、ある時に僕とパーティを組んでいたプレーヤーが僕のプレイの凄さに感動してプレイ動画をネットにアップした事が始まりだった。
その動画はあまりに衝撃的だったらしく、瞬く間に再生数を伸ばし、……それを見たプレーヤーが、僕の実力を試すかのように始めの頃は色々なパーティに引っ張りだこだったが、そのうちあの動画のプレイは本物だと気づき、僕の才能に恐れたのだろうか? そのうち僕はそのゲームをプレイしているほぼ全プレーヤーから僕は恐れられ、いつしか……”ゲーム王 死神”と呼ばれる名プレーヤーとなった。
あるときは、負け知らずと名高いパーティーを全滅に追い込んだ。あるときは僕のアシストで勝負が決まった。 そんなこんなで、死神や、ゲーム王などと呼ばれることになった。
今やその、ゲーム王 死神 の二つ名を知らないネットゲーマーはいない。と言われるほどの有名になった。
そもそも当時の僕は色々なオンラインゲームに手を出していたのだが、しばらくプレイすると、全く別のゲームをプレイしているにも関わらず僕の正体がバレてしまう。なぜバレるのか尋ねるとゲーム王らしいオーラが出ていたと返答された。
そんなオンラインゲームに嫌気がさしてヤクに溺れたこともあった。それも凄く効果があるやつだ。 そうして僕はいつしか引退して、平和なライトノベルや恋愛アドベンチャーゲームにハマッていき、現在にいたる。
まぁ、僕の過去の話はここまでとして、なぜ”二つ名”の話を言ったかというと、話は部活の時に逆のぼる。
真っ赤な夕日が沈みかけている時間の放課後に、白崎高校のとある教室で僕ともう一人の生徒が椅子に座ってそれぞれ本を読んでいた。
一応、本を読むだけだったがこれは部活で、その場所は元は空き教室でとても狭い所だったが、それでもそこは立派な部室だった。
この部室では学園探求部という部活が活動していた。部員はたったの2人だったが……。
「そういえば少年。新しい知的好奇心が生まれたのだが、調査してくれないか?」
本を一時的に読むのを止めてこちらをジッと見つめてくる。僕にそう発言したのは黒髪ロングの美少女であった。
彼女こそがこの珍妙な部活の部長であり、このようなクールな話し方や、綺麗な黒髪、整った顔立ちでスタイル抜群の美少女。
それだけでも十分目立つというのに、それだけでは留まらずに彼女は自分の知的好奇心を満たすために実験と称して頻繁にとんでもない事をしでかすので、変人というレッテルを貼られている事もあって、この学園で有名人だった。
彼女は変人でも立派な美少女だ。
彼女目当てにこの部活に入部しようとする人は多くいた。なんせファンクラブが出来るくらいだ。それでもこの部活がなぜ、部長と僕の二人かというと……。
「この部活の部員は私が決める!!」
そういう信念だったらしく、彼女目当てでやってきた人達はことごとく部長の課す試験を突破できなかったらしい。
なぜ、”らしい”と付けたかというと、僕はその試験を受けずにこの部活に入部した。……いや、正確には入部させられたが正しいだろう。
そもそも僕はこんな得体の知れない部活に入る気はなかった。そもそも部長が学園での有名人であった事や、顔さえも知らなかった。そんな僕がなぜ入部させられたかと言うと……一言でいうと脅迫だ。
あの時の事は今でも鮮明に覚えている。
それは入学式から数ヶ月経った頃だ。
色々と部活見学をしていた翌日の昼休みに僕は自分の席で、グデーっとだらけていたときに上級生の美少女が突然、僕の教室の僕の席までやってきた。
「少し話がしたいんだけど。付いてきてくれないか?」
クラス中の好奇心の視線が僕達を包みこむ。
だってそうだろう? いきなり上級生の美少女が顔を赤らめながらも僕の所に来て、話があるって言うんだ。
僕はこの時知らなかったのだが、彼女は学園でも数本の指に入る美少女で有名人だったらしい。
今思うと、僕はこの時からすでに彼女の罠に嵌まっていたのかもしれない。
後に部長に聞いたのだが、僕の教室に入る直前まで息を止めて廊下を歩いて、ワザと顔を赤くしただけだと自慢げに答えていた。
そうとも知らないピュアな心を持つ僕は、ほいほいと着いていった。
その翌日から僕の座右の銘が、”知らぬ人、声かけられたら、まず用心”になるとはこの時は微塵にも思っていなかった。
人気がない所まで行くと、彼女は僕に一言だけ言った。
「なぁキミ。ゲーム王 死神だろ?」
……!?
先ほどまでの、ほわわ~んとした僕の脳内が一斉に警報を鳴らした。
まさか、リアルで僕の二つ名がバレるとは思っていなかった。それにもう引退してしばらく経っている。いまだに僕を知っているとは……。
そんな僕の動揺している姿を楽しむように、彼女は顎を手で支えて腕を組んで見ていた。
「まぁ気にするな。あの二つ名はキミに相応しいと私は思うぞ? 話は変わるが、キミ。学園探求部に入らないか?」
……それが僕と部長の出会いだった。
その後、僕は入部を断るのだが、あの手この手で僕が違う部活に入るのを拒まれた。中には、学園探求部という名前を出すだけで門前払いされるケースもある。
しまいには、その二つ名をばらされたくなかったら……という脅迫だった。
さて、話を戻そう。
そもそもこの学園探求部という部活の活動内容は学園の色々を探求する。
自分の知的好奇心を思う存分解消する という趣味全開の部活だった。
ちなみにこんな趣味全開の部活が数多く存在しているので心配は無用だ。
この高校はとても生徒数が多く、校長の方針が自主性を重んじる主義らしく、このような珍妙な部活が認可されているのが現状である。
「そういえば少年。新しい知的好奇心が生まれたのだが、調査してくれないか?」
少年と呼ばれた男子生徒……つまり僕はいつもの部長の気まぐれに、またか。とため息をつくことしかできなかった。
「部長。今度はなんです?」
「うむ。この学園には、”二つ名”を持つ生徒が多く存在している。まぁ生徒数が多いので色々いるのだろう。そこでこのリストにある”二つ名”を持つ生徒を探してほしい」
「二つ名ってまさか」
「そうだ少年。キミの仲間みたいなもんだ。そもそも”二つ名”とは特別な人にしかつかない。呉の武将の小覇王こと孫策や、蜀の軍神こと関羽。緋弾のアリ●、幻想殺し、名前を言ってはいけない例のあの人、黒の剣士、プリンセス、黒猫、フカヒレ、愛すべきバカ、無垢なる魔性、そのコーチのロリコン野郎などだ」
……ん!? 最後に変なのが混ざっていたような。でも彼はロリコンじゃない。ただバスケが好きなだけなんだ!! せめて桐原中の知将って呼んであげて。そう声を大にして言いたい。
部長はそうだけ言ってリストを僕に渡してきた。そしてすぐに読書を再開した。僕は呆然と立ち尽くした。
本を読む黒髪の美少女。背景は夕日に照らされた教室だ。
本来なら絵になるのだろうが、彼女が読んでいるのはラノベだった。
もともとは僕が読んでいたラノベを取り上げて読み始め、ダダ嵌まりした。
「あ~あ、まったく小学生は最高だぜ」
いまので、部長がなんの本を読んでいるのかすぐに分かった。どおりで二つ名に興味を持つわけだ。
まぁそれはともかく、とりあえずリストを見てみよう。
・不可能を可能にした男
・時の魔術師
・時空を越えし者
・遠方の姫君
・魔法使いの体育教師(独身)
・騎士
・空間転移を使う者達
・勇者
ん~ なかなか凄いネーミングセンスというか、こんな二つ名の人が学園にいるんだ~。
でも、魔法使いの体育教師か。これが一番捜しやすそうだな。
体育教師にそれっぽい人っていたっけ?? …………一人は女性だろ。でもあの人は最近結婚したし、一人は年配の人だろ? あの人も前に家族旅行がどうたらとか言ってたし、離婚してないと思うけど……あと一人は……。
あっ!! 冬でもランニング一枚の体力バカな先生がいた。あの人は独身って言ってたはず。常に彼女募集中だとか。確か年齢は32くらいかな。
……ん?? 32歳? ……まさか魔法使いって……いや、そんな……ネタじゃないよね?
でもこのままじゃ先生に「先生って魔法使いなんですか?」って聞くのか??
いや、無理無理無理。そんなことしたらあの筋肉で一発KOだ。
まさか部長。こんな恐ろしい罠を仕掛けていたとは……恐るべし。
僕はそんな罠を仕掛けてきた部長を盗み見ると、相変わらずラノベを読んでいた。
あの、魔王め~!! のんきにラノベ読んでやがる。
ちなみに魔王というのが、なにを隠そうこの部活の部長様の二つ名なのだ。
つ~か、こんな二つ名付けられるってこの魔王はどんな事をやらかしたんだよ。確かにいつもぶっ飛んでるからな~。
僕は部長の二つ名が付けられた経緯を知らない。いや、むしろ知りたくない。
それよりもまず、この僕の持っている爆弾を適切に処理しなくては……。爆弾処理班に連絡したいが誰に言えばいいんだ?
……さて、現実逃避は終了しよう。
よし、これは断ろう!! うん。それが良い。みんなの為だ。
「あの……部長。このリストなんですけど。人の二つ名の探るのは止めませんか?」
僕は精一杯の営業スマイルで説得にかかった。
「止めたいなら止めはしない」
なんと魔王様。もとい部長様は僕の拒否権発動に賛同してくれる……のかと思ったら。
「代わりにキミの正体。つまり二つ名の意味を全校生徒にばらされるだけだ。まぁ気にするな。私のように理解してくれる人も大勢いるよ。そうだろ? ゲーム王 死神?」
一瞬でどん底に叩き落された。
そんな僕の絶望した顔が面白かったのか……部長は救いの手をのばした。
「大丈夫さ。このリストの連中は由来を聞いても危険ではない。多少照れるくらいだ。……体育教師以外はな」
部長の最後の台詞は引きつった笑いだった。
この反応は……やっぱり、魔法使いの体育教師って……あれなのか!?
「部長!! 体育教師は怖いので止めましょう!! どうせ30歳過ぎたらってやつでしょ?」
僕がそこまで強気に言うと、部長は 正解。と言ってやっと諦めてくれた。……体育教師だけ。
仕方なく僕は、新たに体育教師の所にバッテンが書かれたリストを持って、戦地(校舎)に向かった。
まずは、”不可能を可能にした男”から行こう。
まずこの二つ名を聞くと、単純になにか立派なことをした人だよな?
普通に聞き込みするべきか? しかし先ほどのような体育教師の罠があるかも知れない。慎重に行こう。
いきなり本人に尋ねないようにするには、まず女性から聞き込みしよう。
なぜかって? ターゲットは”不可能を可能にした男”つまり男なのだよ。ワトスン君。
ちなみに、ワトソンでもワトスンでもどっちでも良いらしい。僕は断然ワトスン派だけどね?
そんなこんなしている内に近くを通りかかった女子生徒が居たので、さっそく聞き込みを開始した。
僕が”不可能を可能にした男”について尋ねると、どうやらその生徒は彼を知っているらしい。
ふ~む。この二つ名は結構知れ渡ってるみたいだな。 なら、いまさら僕が捜しても、彼は怒らないだろう……多分。
まずはターゲットの顔とクラスを知るべきだ。もし怖そうだったら撤退すれば良いだろう。
「その彼の特徴とか、クラスとか教えてもらえます?」
「ええっと、クラスは2年E組だったかな。特徴は……髪型はさっぱりして短く爽やかな感じで平凡? どこにでもいるような大人しい子よ」
大人しい子だと!? どういうことだ。 不可能を可能にしたのだから絶対に、やんちゃな暴れん坊だと思っていたのに。 まさか……普段は温厚だがキレるとヤバイとか?
「あの~ その彼の二つ名の由来ってなんです?」
ここはイチかバチかの賭けだ。この答えによっては僕の撤退が決まる。
「知らないわ」
返ってきたのは予想外だった。むしろ彼女もその”二つ名”を不思議がっていた。
これ以上情報は無いと分かると、僕は彼女にお礼を言って立ち去った。
去り際に彼女はなにかを思い出した様子で僕の方に戻ってきた。
「そういえば、去年あたりに彼の親が再婚したらしいよ。……その時くらいからかそんな”二つ名”で呼ばれていたみたいね」
そう言い残して今度こそ去っていった。
まったく由来が分からん。とりあえずターゲットのクラスに偵察に行こう。顔と名前くらいは分かるかもしれない。
僕はターゲットのクラスに向かうと、教室の中でターゲットらしき人物と他の生徒が会話している所を見かけた。
「次は歴史か~ またあの凄い先生かよ。そういえば叶~ まったく、お前も先生に負けない凄い異名を持ってるよな~」
「あぁ、”不可能を可能にした男”ってやつでしょ? 僕もあれ恥ずかしいんだよね~。そんな対した事してないのに。おかげで中学の妹も学校で”不可能を可能にした女”って呼ばれたらしく怒ってたし」
「ハハッ 仕方ないよ。兄妹揃ってそう呼ばれるとはな。まぁがんばれよ。叶達也君。そういえば、今日の部活行くのか?」
「まだ怪我が治ってないから休むよ。グローブもバットもこないだ暴れたせいでボロボロだしな」
「あれな~ 結果的に逆転して勝ったからいいじゃないか。お前の暴れが無かったらこっちがやられてたよ」
僕は彼らの会話をさりげなく聞いていた。ターゲットは確かに大人しそうな生徒みたいだが……この間暴れたか……やはりキレると凶変する可能性がある。ここは撤退しよう。
僕は彼の教室を離れようすると、教室に意識が行き過ぎて前に居た人に気づかずにぶつかってしまった。
ふにゃ
「あっ すみません」
僕はすぐさま謝ると、ぶつかった相手は教師だった。おそらく次の授業の歴史の教師だろう。
「ちゃんと前を向いて歩くように」
少しだけ注意されてしまった。ネチネチ言う教師では無かったのが幸いし、それだけで教師は教室に入っていった。
でも僕は、その教師の後ろ姿をずっと見ていた。
別に、美人な女教師ってわけではない。今のだってよくラノベであるようなラッキースケベ的な展開ではない。だって今の教師は男の30才台の教師だし。
でも彼から目を離すことが出来ない。
なんでかって?
だって今の人……
今の教師の服が……………………………………………………………………
コスプレしてるんだもん。
不幸中の幸いは女装しているわけでは無い所だ。 むしろ女装してたらクビだろう……いや、この学園はどこかノリ良いから分からん。
いや……待て。
なぜこの人は鎧を着ている? 命の危険が迫っている? 教室なのに? これから授業やるのに?
あっ!! 兜まである。ダンボールとかで作ってるみたいだな。スゲー完成度だな。どおりで ふにゃ ってしているわけだ。
あの格好は、これじゃあまるで……中世ヨーロッパから兵隊みたいじゃないか~ アハハハハ。 いや、鎧着てるからもっと身分が高そうだ。まるで女王を守る……き……し……?
僕はとっさに、あのリストを開いた。
・不可能を可能にした男
・時の魔術師
・時空を越えし者
・遠方の姫君
・騎士
・空間転移を使う者達
・勇者
あっ、居た~~~~~~~~~~~~~~~~。
多分彼で間違えない。ここでまさかの収穫だ。まさか教師だったとは……
休み時間になったら、あの格好の理由を聞いてみよう。
僕は疲れてトボトボと自分の教室に帰っていった。授業中もずっとターゲット達の事を考えていた。
いつしか僕は夢中になっていた。 部長の思惑通りになっていたのに気づかなかったのだが……。
情報を整理しよう。
”騎士”に関してはもう疑いようも無いから除外する。あれは職員室で聞けば任務完了だ。
次に、”不可能を可能にした男”についてだ。
・名前:叶 達也
・髪型はさっぱりして短く爽やかな感じで平凡
・どこにでもいるような大人しい雰囲気
・クラスは2年E組
・中学に妹がいる
・兄妹そろって同じ異名
・去年、親が再婚
・今怪我している。部活を休む
・最近暴れた
・お前のおかげで逆転
・そのせいでグローブとバットがボロボロ
ん~ やはり、兄妹そろってどこかで暴れたのか? バットを使って??……いや、暴れるのにグローブは使わないだろう。
グローブを被って防具にするとか? 弱そ~。
お前のおかげで逆転……逆転……野球部?
なるほど。
彼は野球部で試合で頑張って暴れたら逆転したと。そして怪我して部活を休む。彼は大人しい性格。
これで繋がった。簡単なことだよ。ワトスン君。
僕はだれもいない空間に向かって自慢げに微笑む。まるで横にワトスン君がいるかのように……実際にいたのは教師だったが……。
案の定僕は怒られた。
幸いノートは没収されなかったが、一発ゲンコツを頂いた。
昼休みに僕は早速行動した。
まずは彼が本当に野球部か確かめるために図書室で部活の写真を見ることにした。
野球部の写真にはきちんと彼が写っていた。
去年も今もほとんど変わらない姿だった。 唯一危惧していた去年は不良でヤバく、今年は更正したという案はなくなった。
「えっ~と、これが叶君で、こっちがさっき彼と話していた人か……」
写真に違和感が無く、そのまま閉じようとすると名簿欄にある奇妙な事が書いてあった。
「こ、これは……」
そうか。ガス管が古いんだ。(名探偵コ●ン風)
……全て解けましたよ。ワトスン君。 実に面白い。
真実はいつもひとつ。じっちゃんの名に懸けて。……じっちゃんは農家だけどね。
僕はその本を手に持って彼の元に向かう。……つもりが、図書館を出ようとした時に。
「その本は貸し出しできないので持ち出さないでください」
怒られてしまった。
この1ページをコピーは? 撮影は? と粘ってみたがダメだった。
ターゲットの教室に着き僕は彼を呼び出して、二つ名の由来を聞いた。
「あぁあれね。なんか話が大きくなってるみたいだけど、僕はなにもしてないんだよね。実際に、”ふかのぅをかのうにした男”は僕の新しいの父親だし。 僕たちは言ってみれば”ふかのぅが、かのうになった”だけだし」
なるほど。やはりそうだったか。 彼の二つ名”不可能を可能にした男”とは……
「うん。想像どおりで、僕は去年までは深野達也だったんだ。親が再婚して苗字が、叶に変わっただけ。 深野から叶へ を 不可能を可能へ って変化していったんだ」
ミッションコンプリート!
僕は放課後の部活の時間に部長に報告しにいった。
「なるほど。彼は苗字が変わったからそういう二つ名を持ったわけだな」
そんなお言葉を頂いた。
「でも、まさかそんなオチとは思わなかったですよ。まったく紛らわしいですよ」
「現実はそんなものだよ。次は誰の二つ名だ?」
「えっと、とりあえず”騎士”っぽい教師を見かけたので、今から職員室で聞き込みを」
そこまで言うと、部長はなにやら考えていた。 やがて考えがまとまったようで僕にアドバイスしてくれた。
「学園探求部の名前や私の事は、奴には言うな。発狂するぞ」
そうクールに告げて読書に戻った。相変わらずラノベだった。
え……? この魔王様がなにかあの人にしたの??
僕は恐る恐る部室を出て、職員室に向かった。
職員室に入ると目当ての教師がいたのでさっそく聞いてみた。
「あぁ……あれは授業を覚えやすくするためだよ。黒板に書いた文字だけじゃ印象に残らない。なら、動きや再現することで印象付けようとすると、とたんに生徒の成績が伸びた。だから今もそれを続けている」
なぁ~んだ。生徒想いの良い先生じゃないか。部長が忠告するから妙にビビッてしまったよ。
「それで、なんでそんな事を思いついたんです? きっかけは?」
僕はその質問したのは話の流れからして当然だ。誰だってそこを聞くだろう? まさか……これが地雷だったとは、誰が予想つくだろうか。
「理由ね……奴だよ。」
なんか不穏な空気をかもし出す”騎士”。
語尾がだんだん強くなってきている。思い出し笑い もとい、思い出し怒りだろうか。
「あの3年の生意気な生徒だ!! 学園探求部とかいう訳分からん部活の部長だ!!」
”騎士”の声は怒りに満ち、どんどん大声になっていく。先ほどまでの温厚さはもう消えていた。
ひぇ~ ここで部長が出てくるの? なに? あの人なにしたの?
「奴はな。まだ一年だったときに、私の授業のときに、いきなり「お前の授業は分かりにくい。教師失格だ。まだ私の方が上手い」なんて言ったんだぞ」
似たようなこと言ったラノベのヒロインが居たな~ なにやってんだよ部長~。
僕はさりげなく現実逃避していたのだが、”騎士”はドンドンとヒートアップしていった。
「どうせできっこないとおもって、一週間準備期間を与えて授業させてみたら。こんなダンボールや布で作った衣装を作ってきやがった。 奴が授業を進めながら作った鎧を出して、それを私に着せて重要な場面を再現させた。成績が上がったらお前はこれを着ろとぬかしやがった」
なんて滅茶苦茶したんだ~。 まだ一年なのにその度胸はありえないだろ。
「私もそれくらいじゃなにも変わらない と思っていたさ。 だが、あの衝撃的な授業で生徒達は面白がって進んで衣装を作ったり、鎧の細かい紋章の意味や伝承、その時代の人々の暮らしや考え方などを勉強し始め、テストではクラス全員がほぼ満点だった。 難易度を高く設定したのにもかかわらずだ。 その後に奴は言った。「お前は賭けに負けた。これからはこれを着て授業しろ」ってな。完全に敗北したよ」
はぁはぁと息を切らしながらもそこまで言い切ると”騎士”がどんどん元の温厚さに戻っていった。
……部長はかなりヤバイって事しか分からなかった。ここで部活名聞かれて答えたら殺されるぞ。
「それから彼女は、生徒たちに”魔王”って呼ばれたらしいな」
ん~ 知りたくなかった由来を知っちゃったよ。 やっぱりとんでもないことしでかしたんだな。これは逆らえないわ。
そこで、僕たちの会話を聞いていた教師が横から口出ししてきた。先ほどまで大声で話していたからみんなに丸聞えだった。
「でも、悪いことだけじゃないでしょう? 先生は衣装を作る際に、家庭科の先生にいつも相談して、手伝ってもらって、仲良くなっていつしか結婚したんだから。あれだって、最初に家庭科の先生に協力してもらうような提案したのは、例の彼女ですよね?」
「ん……まぁ、それはそうだが」
あれ? まだ部長の武勇伝の続きあるの? 誰か助けて~ ワトスン君~。
「結局、彼女がお二人を繋いだキューピットみたいなもんじゃないですか? それに、彼女が結婚式でスピーチをするとは思いませんでしたよ。しかもあんなに立派な。彼女の前にスピーチをやった校長が冷や汗かいていたんですから。あの凛とした態度がとても生徒とは思えずに、”魔王”って教師内でも評判になったんですよね」
あの部長、教師同士の結婚式出たんだ~ もう次元が違いすぎて突っ込めないよ。
「あれは、家内が勝手にやったことだし」
それからも、いかに部長が結婚式を立派にこなした武勇伝を聞いた。
僕は夕日の中、疲れ果てて部室に戻った。
部室内には部長はいなかった。先ほどまでいた気配が残っていたのですぐに戻ってくるだろう。
今回はハードだったな~。
でも、なんだかんだで本人が照れるたり、嫌がってたりする二つ名が多いんだな~。
第一、僕の”二つ名”だって嫌なものだし。
ゲーム王 死神。 それは全ゲームプレーヤーから恐れられている僕の二つ名。
決して何の自慢にもならない。僕はゲーム内であまりに弱すぎで、すぐにゲームオーバーになってしまう。
アクションゲームなんて、ベリーイージー でもクリアできない。
格闘ゲームなんてすぐにやられる。 一生懸命練習して対戦に望んでも、そのゲームを持ってない人にもすぐに負ける。逆にコツを学ぶくらいだ。
一時期は、裏技という強力なヤクに溺れた。あれは最高だ。あれがあれば負けない……だが、ヤクが効くの一部のゲームだけだ。
つまり……僕はゲームの才能が無く、死に方が神懸かっている事から……死神だった。
僕を目撃した者が死ぬんじゃない。 僕と同じチームの人が死ぬんだ。 ここ重要。テストに出るよ!!
負け知らずと名高いパーティーに僕が参加したことによって全滅した。あるときは僕のアシストで勝負が負けた。
僕の実力を都市伝説としか疑わない人は、僕をパーティに誘うがすぐに全滅した。
僕が恋愛アドべンチャーに嵌まった理由は文章を読むだけでクリアできるからだ。 シュミレーションのような育成機能でと僕は破滅する。
理解していただけただろうか? 僕の”二つ名”を隠す理由を。
すると、部長が戻ってきた。
「”騎士”は終わったか?」
部長は平然として言う。 こっちは色々と大変だったのに。
「えぇ、まさか”魔王”の由来を聞くとは思ってなかったですよ」
”魔王”の所で一瞬、部長の指先がピクッと反応した。
「私なんてまだまださ。死神のほうがもっと凄いさ。日本中いや世界じゅうで指名手配されるくらい有名だ」
うっ 言い返せない。
「相応しい二つ名を持つのはキミと……いや、キミくらいかもな」
部長が更に追い討ちをかける。
もうこれ以上は僕の心が持たない。
「明日からも調査を開始します」
僕はそれだけ告げて今日は帰った。
翌日からの僕は、尊敬できる二つ名を持つ人物を求めて調査を開始した。
・時の魔術師
・時空を越えし者
・遠方の姫君
・空間転移を使う者達
・勇者
あと5人だ。
だが、昨日同様なオチがある”二つ名”がほとんどだった。
時空を越えし者とは……高校生とはとても思えない老け顔の生徒だった。 彼の特技はなんと、作業服を着て蛍光灯を持っていたら間違えなく業者の人と勘違いする。 というショボイものだった。
遠方の姫君とは…… まず僕は遠方と聞いて海外からきた人だと思い探したのだったが、留学生などいなかった。 王族の親戚か? と思ったがそんな事もないらしい。
本人を紹介されるとすぐに由来が判明した。
別に日本人離れした顔立ちというわけではない。だが確かに”遠方の姫君”だった。
30Mほど離れて彼女を見てみると、どこの姫君だ? と言うくらい美人なのだが……近づいて見てみると…………結構なお手並みで…………としか言えない。
遠方から見ると姫君。近くから見ると……ノーコメント。
まさに”遠方の姫君”だった。恐るべし。
空間転移を使う者達。
それは簡単に言えば自販機のミスによって与えられる称号だ。
どういう事かと言うと、紙コップの自販機でジュースを買う際に、本来なら紙カップが出てからジュースが出るのだが、たまに、カップが詰まったせいなのかジュースが出てから、紙コップが遅れて出てきて、出来上がり って事がある。
自販機から取り出して見ると、なにも入っていない紙コップがあるだけだ。
つまり紙コップがどこかに空間転移しているのでは? という学園伝説だった。
その現象を詳しく調べている部活があるらしいのだが、そこは置いておこう。
その中でまだ、まともだったのは、”時の魔術師”だ。
てっきりカードゲームのモンスターに似ているのかと思っていたら、本当に僕の目の前で時を止めてみせた。
”時の魔術師”という二つ名を持つ生徒は、柔道部の主将だった。
その主将は決勝戦でその能力を使って個人で全国優勝した凄い人だった。
とても顔が厳つい人でカッコイイ。身体つきも全身が筋肉の塊のように体格が良く、身長も190くらいあるであろう。声も低く、一人称は自分。
イメージは、魔法科高校の●等生の十文字会長みたいな?
僕はどのようにして時を止めたのか気になった。 すると彼は一言呟いた。
「自分、ちょっとだけ声を大きくしてある呪文を言っただけなんだ」
呪文? 言葉だけで相手が止まるだと? ファランクスか? いやあれは防御なはず。まさかコキュートス?
これなら、多少危険だがその呪文を聞くしかない。
「あの~ その呪文をお願いしてもいいですか?」
すると、すぐに了承してくれた。 どうやら危険なものではないらしい。
主将は構えた。僕もヒョロヒョロ人間ながらもとりあえず構えた。
このいかにも、男の中の男って人がどんな呪文を繰り出すのだろう。見ものだ……。
すると主将は両手を胸に、いや心臓に当てた。そこまでは理解できた。 だが次の瞬間に本気で時が止まった。
なんと主将は心臓に当てた手で……ハートマークを作り出した。
呪文って……ま……まさか……
とっさに僕が呪文を中断させようとしたが、間に合わなかった。
今思うと……反応が遅れたのも、呪文をちょっとだけ見たかったのかもしれないな……。
「萌え♥ 萌え♥ きゅるるる~ん☆」
……
……
……
……
……
あの巨体の厳つい顔の青年が、極上の笑顔で……裏声を使ってまでの呪文だった。
ウ、ウソだろ……。というか理解できない。……えっと僕は今なにしていたんだっけ? そうそう……主将に話があって……
僕が混乱していると、主将が僕の肩を叩いて正気に戻してくれた。
「すまない。あの呪文は禁忌らしい。決勝戦で使ったら相手は止まって簡単に勝てるし。審判も客席も決着がついてからも10秒ほど停止したままだった」
そして恥ずかしそうに照れながら謝った。
この人こそ、本物の”時の魔術師”だ。
そう思った瞬間だった。
”勇者”捜し残して僕は部室に戻ると部長の他に珍しく、お客さんが来ていた。
お客と言っても、彼も立派なこの学園の生徒であり、二次元美少女部っていう変な部活の部長だ。眼鏡にオカッパ頭といういかにもって感じだ。
実は、部長が読むラノベは彼の部活から定期的に調達している。
彼は僕に気づくと気さくに話しかけてくる良い先輩だ。……学校の評判はともかく。
文房具を全て萌えグッズをそろえて使用するのは、おそらく彼くらいなものではないだろうか?
もしかしたら、うちに部長と美少女部の部長はお互いに変人で気があうのかもしれないな。結構仲が良いみたいだし。お互いに恋愛感情が微塵もないのが面白くないけど。
それよりも部長に報告しないと……。
「部長、あとはリストにある”勇者”だけです」
「”勇者”ねぇ。それは……コイツだよ」
そう言って指差した向こうにいたのは美少女部の部長だった。
「昔の事を掘り返すのは止めろよ~ ”魔王”?」
「……そんな事ないさ。キミの武勇伝は凄いじゃないか? ”勇者”?」
なんだろう? 凄い火花が散っているのが見える。
だが、この人が”勇者”? 平凡なオタクにしか見えないのに。
そう思ったのを勘づかれたのか、部長(魔王)が話始めた。
「そもそもこの二次元美少女部とは彼が設立した部活でな。初めは却下されたんだ。勿論当たり前といえば当たり前だ。そんな部を認めるわけがない。萌え用品が見つかると即没収されるくらい厳しい現実の中……彼は、生徒総会で疑問をぶつけて賛否をとった。この学園全校生徒が居る前でだ。その頃はまだ一年だったよな?」
そうすると部長(勇者)は頭をポリポリしながらも返答した。
「そうだったな。ただ俺は、●ャ二ーズのアイドルグッズは認められて、なぜ二次元美少女は認めないんだ? って言っただけなんだがな~」
そんな大それた事を全校生徒の前で言ったんだ。マジぱねぇ~。
「ハハハッ 確かにそうだったな。だが、その後にキミはマイクを使って叫んだんだ。「みんな。自分の趣味を隠すな。恥じるな。好奇心があれば迷わず突き進め」ってな。あれによってこの学園にいろんな部活が設立されたのは分かってるんだろうな?」
これは、魔王以上にヤバいよ。 これは確かに”勇者”だ。
僕があっけにとられていると、今度は部長(勇者)が反論してきた。
「だがよ~ もともとあの生徒総会に一般生徒の俺が潜り込めないのを、なんかの魔法を使って俺の出番を作ったのは、”魔王”お前じゃないか。 あの時の生徒会長の顔が青ざめてたぞ? さては弱みでも握っていただろ」
訂正。魔王も充分ヤバイです。これって、あなたたちが1年の頃の話だよね? 生徒会長は3年でしょ?
「昔の話だ。忘れた」
うわ~ スルーした。 気になる~
部長(魔王)は話はこれで終わりだ。というようにまとめにかかった。
「その後、学校から二次元美少女部が認められて、いまや毎年20人近く新入部員が入る大手な部活になった訳だ。うちのような部員2人の部活とは違ってな」
「これでも初めは大変だったんだぜ? 顧問探すのにも、隠れオタクの教師を探したりな。クラスの女子共には、HとEROの塊のHEROなんて呼ばれるしよ~」
なんだろう? 同情できない。
「そういえば、この部活の顧問って誰なんだ? 顧問探すのも大変だったろ?」
部長(勇者)が聞いてくる。
たしかに、入部してから結構経つけど、いままで顧問の姿を見たこと無かったな。 誰なんだろう?
「ん? あぁ学園探求部の顧問か……校長だ」
え……? 校長?
僕も”勇者”も開いた口が塞がらなかった。 どうやらこの学園では、顧問になる条件は教職員である事らしく、その中には校長も入っているからお願いしたらしい。
普通に考えて了承するわけないだろうが……あの魔王の事だ。なにかしたんだろう……
ずっと後になって知ったことなのだが、”魔王”は例の教師同士の結婚式でスピーチをすることが決まった後に一人で原稿を書いた。
生徒のスピーチに不安を持った校長が、魔王の完成した原稿を事前に下見する事にした。 ところが彼女の原稿は校長の予想をはるかに上回る出来で、むしろ自分の原稿が幼稚に見えるくらいだった。
焦りを隠せない校長を見て、魔王はそっと囁いた。
「ソレ、あげますよ? 私はいまから違う文章を書きますので」
魔王と校長の秘密が生まれた瞬間だった。
そしてそれは結婚式の2週間前の出来事だった。
そんなこんなで僕は、見事部長の課題を終わらせた。
そして、いつもの部室でラノベを読書する日々が続いた。
ある日の部活のときに、急に部長が本を読むのを止めて僕に向かって……。
「そういえば少年。新しい知的好奇心が生まれたのだが、調査してくれないか?」
そう言ったのであった。 僕は仕方なく用件を聞くと、彼女は資料を取り出した。
「この学園の七不思議というやつらしいんだが、そのなかで奇妙な噂がある。”トイレのバタ子さん”ってやつだ。中庭にある女子トイレに居るらしい」
トイレの花子さんなら知ってるが、バタ子さんか……あの子供達に大人気な”菓子パン男”にでてくる人か……意味が分からん。
僕は部長に急かされて現場に向かった。 現場の個室のトイレには、確かにバタ子さんの顔シールが何枚も貼られていた。
部長は気色悪いといって、すぐに現場を立ち去った。
部長がこれくらいで気分悪くなるなんて、珍しいこともあるんだなぁ。
確かこのバタ子さんシールを何枚か集めれば応募できたな。 あとでそれを調べてみよう。
どうせ、応募シールを七不思議化させて運がよければ、悪巧みした人がそのシールを勝手に集めてくれる。最後に犯人はそのシールを回収し、応募する。完全犯罪だ。
この時、僕は自分の推理に酔っていて忘れていたのだ。傍には魔王がいた事、そして現場を。
現場から出てきた僕を待ち受けていたのは、魔王が携帯をこっちに向けている姿だった。
「スクープ。中庭の女子トイレから出てきた一人の男子生徒」
そして、カシャリとシャッターをきった。
こんの魔王め~~~~~!!!
こうして、僕らの調査は続いていく……。
FIN??
長文お疲れ様でした。いかがでしたでしょうか?
この作品は推理ものでしたか? それともコメディーですか?
もし、コメディーという票が多いなら、ジャンル名を泣く泣く変更します。
ちょっと、ラノベネタが多かったかもしれませんが、この作品は僕の中で考えていた作品の何個かをまとめたものです。
もともと ゲーム王 死神 の設定はあったのですが、彼の物語が思いつかずに保留。
遠方からの姫君は、本来の物語では 天使と呼ばれた聖女が、お供え物を食べ過ぎて太ってしまい、国民に顔出しする事ができなくなった。そこで、聖女が一人の民に「お前の不細工な顔を見てると、食欲が失せるわ」と言ったのを聞いた家臣が、その民を聖女の食事のたびに連れていき、一緒にダイエットする。 ってな感じでしたが……僕は料理の知識がほとんどないので保留。
この学園探求部もなにか面白いネタがあったら続けていきたいと思っていますので、なにか学園探求部にご依頼があればどうぞ。頑張って依頼内容を解釈します。
さて、長文になりましたが、感想やアドバイス、ネタがあれば気軽にお願いします。
もし、気に入っていただけたら他の作品も見ていただけると幸いです。
以上です。