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真面目にやれば早いもので、3人とも無言で黙々と作業をしていると、ほとんど終わりかけたとき、リコリスがふっと顔を上げ、作業の手を止めて窓の外を見た。その視線の先には、白衣を着た人間が数人、どこか慌てた様子で走り去って行っていた。
「おい!主犯が手ェ止めんな!」
「どうかしたの?リィちゃん?」
「あー・・・」
2人の声にすぐには答えず、リコリスはあちゃー、という感じで片手を額に当てながら声を出した。
「どうした?リコリス」
「えー・・・っと。何か、ちょっと、鍵を閉め忘れたような気がしてきちゃった・・・」
「はあ?マジかよ、どこだ?」
「えっと、一階の部屋。ちょっと確認してくるね」
「んなの後でいいだろ。まずこの一番ひどい部屋をなんとかすんのが先だろ!?」
「ホントに閉め忘れてて、中の子が逃げだしたらその方がもっと大変でしょ?」
「そうだね。私、捕まえられそうにないや・・・。いってらっしゃい、リィちゃん」
ミューのもっともな言葉にうっと言葉を詰まらせ、ごまかすようにジャンはしぶしぶという調子を前面に出してリコリスに発破をかけた。
「すぐに帰って来いよ!サボったら承知しねえぞ!」
「ジャンと違って、私はミューに仕事押し付けたりしないよ?」
「さっさと行け!」
ズビシッっとドアを指さしながら言うジャンのその言葉に、リコリスは素直に従って、小走りで部屋を出た。
コピペする場所を何回も間違えて投稿し直しまくってしまいました。間違えた方を読んだ方すみませんでした(*_ _)